【1日3時間以上のSNS使用で子供の不安症状が高まる】研究が示唆
子どものソーシャルメディアの長時間利用と、うつや不安症状の高まりの関係性が示された。
1日3時間以上ソーシャルメディアを利用する子どもは、利用が比較的少ない子どもに比べてうつや不安の程度が高くなる傾向が新たな研究によって示された。
子どものソーシャルメディア利用時間とうつ症状の関係
インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)の研究者らは、2014年に開始されたSCAMP研究(思春期の認知と携帯電話利用に関する研究)のデータを調査した。そのうち、ロンドンの31校に通う2350人の子どもを対象に、11歳から12歳と13歳から15歳の時点で行われたデジタル機器の利用やメンタルヘルス、生活習慣などに関するアンケートや認知機能テストの結果を分析した。結果、1日3時間以上ソーシャルメディアを利用していた子どもは、利用時間が1日30分以内の子どもと比べてうつ症状および不安症状の重症度がより高く、臨床的に有意な症状がより多く見られた。ソーシャルメディアの利用時間が長いほどうつ症状が重くなる傾向は男子より女子で強く見られたが、それ以外については男女で大きな違いはなかった。
睡眠の乱れが影響?
また、特に平日の睡眠不足や就寝時刻の遅れがこうした傾向に影響していることが示された。通知などによる睡眠の中断の影響は、睡眠不足や就寝時刻の遅れに比べると小さいものの、一定の影響が確認された。ICL公衆衛生学部のチェン・シェン氏によると、今回確認された関係は単純なものではないという。喫煙と肺がんのような明確な因果関係とは異なり、ソーシャルメディアの利用が子どものメンタルヘルス悪化の直接の原因だと単純に言い切れるものではないと述べる。
一方で、11歳から12歳の時点で一定以上ソーシャルメディアを利用していた子どもは、13歳から15歳にかけてメンタルヘルスの問題を抱える可能性が高く、その主な要因として継続的な睡眠の乱れが考えられるとした。SCAMPの主任研究者であり、ICL公衆衛生学部のミレイユ・トレダノ教授は、ソーシャルメディアを長時間、さらに夜遅くまで利用する子どもは、健康的に生活するために必要な睡眠が不足している可能性があり、これがメンタルヘルスに長く影響が残る主な要因だとの見解を示した。
全面禁止には慎重な見方
16歳未満の利用を全面的に禁止すべきだとする声や、学校での携帯電話の使用を法的に禁じるべきだとする動きが広がっているものの、現時点ではこうした禁止措置を支持したり、ソーシャルメディアや携帯電話の利用そのものが有害であるとする主張を裏付ける十分な証拠はないとトレダノ教授は指摘する。複数の要因が絡む問題であるため、こうした傾向の背景をさらに詳しく明らかにする必要があるとしている。
利用方法の見直しと教育による対策
「携帯電話の利用や画面を見る時間が長いと、身体活動の時間が削られ、睡眠に影響が及び、肥満のリスクやメンタルヘルスにも影響することが分かっている。過剰な利用や夜間の利用、ドゥームスクロール(ストレスを感じるニュースを見続けてしまう行為)やファビング(目の前の人よりスマートフォンを優先したりする行動)など、生活においてスマートフォンが中心となり、健康的な生活に必要な時間が損なわれている。若い世代がより適切にスマートフォンを使えるようになれば、ソーシャルメディアや携帯電話の利用そのものを一律に禁止する必要はない可能性がある」と、トレダノ教授は語る。
研究チームは現在、子どもにソーシャルメディアの適切な利用方法と睡眠習慣の重要性を教える教育プログラム「Scroll Smart」を複数の学校で実施し、その効果を検証している。さらに、データが収集された2014年から2018年以降、ソーシャルメディアの環境が大きく変化していることから、子どものメンタルヘルスへの影響を把握するには、継続的な研究の必要性を訴えている。
出典
https://www.independent.co.uk/news/health/anxiety-symptoms-social-media-children-b2943404.html
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