夕方になると“片脚だけ”パンパン…それは見逃したくない病気のサインかも。医師が解説
夕方になると脚が重い、靴がきつい、靴下の跡がくっきり残る。これは立ち仕事やデスクワークが多い人なら、わりと“あるある”な症状ですよね。でも、ここでひとつ大事なポイントがあります。「両脚」ではなく、「片脚だけ」パンパンにむくんでいる場合です。医師が解説します。
「夕方だけ脚がむくむ」はよくあるけど、“片脚だけ”は要注意
「利き脚だからかな」「たまたま疲れてるだけ?」――そんなふうに流してしまいがちですが、実はこれ、深部静脈血栓症(DVT)という病気の初期サインであることがあります。
深部静脈血栓症とは、脚の奥深くを流れる静脈に“血のかたまり(血栓)”ができる状態。血の流れがせき止められるため、血液や水分が行き場を失って脚にたまり、片側だけが目立って腫れるのが特徴です。
単なるむくみとの違いは、「左右差」があるかどうか、ここが大きな分かれ目です。
深部静脈血栓症って何が怖い?“脚の病気”で終わらない理由
「脚がむくむ病気なら、ちょっと様子見でもいいのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。でも、深部静脈血栓症が怖いのは、脚そのものより“その先”にあります。血栓が脚にとどまっているうちは、症状はむくみや痛みで済むこともあります。ところが、この血栓が血流に乗って移動すると、肺の血管を詰まらせる“肺塞栓症”を引き起こすことがあります。
肺塞栓症になると、以下のような事態になることも。
- 突然の息切れ
- 胸の痛み
- 動悸
- 最悪の場合、命に関わる
だからこそ、深部静脈血栓症は「エコノミークラス症候群」としてニュースで取り上げられることも多いんですね。
特に注意したいのは、こんな人たちです。
⚫︎長時間同じ姿勢でいる(デスクワーク、車移動、飛行機)
⚫︎最近、手術や入院をした
⚫︎妊娠中・産後
⚫︎ピルを服用している
⚫︎がん治療中
⚫︎脱水気味(夏場、水分不足)
「当てはまるかも…」と思ったら、脚のむくみを軽く見ないでください。
こんな症状があったら、迷わず医療機関へ
深部静脈血栓症は、早く見つけて治療すれば、重症化を防げる病気です。
逆に、「そのうち治るだろう」と放置すると、リスクが一気に高まります。
すぐに受診を考えたいサイン
☑︎ 夕方になると片脚だけ明らかにむくむ
☑︎ 左右で太さが違う
☑︎ ふくらはぎを押すと痛い、違和感がある
☑︎ 皮膚が赤く、熱をもっている
☑︎ 急に脚が張ってきた
こうした症状がある場合、内科や循環器内科、場合によっては救急外来での評価が必要です。超音波検査(エコー)などで比較的簡単に確認できることも多く、早期なら薬で血栓を溶かしたり、増えないようにする治療が可能です。
日常生活では、予防も大切
☑︎ こまめに脚を動かす
☑︎ 長時間座りっぱなしを避ける
☑︎ 水分をしっかりとる
☑︎ 締め付けすぎない服装
「動かす」「流す」「溜めない」――これが脚の血管を守る基本です。
まとめ:片脚だけのむくみは、体からの“見逃すな”というサイン
夕方のむくみは、決して珍しい症状ではありません。でも、片脚だけパンパンになるのは話が別。
それは、深部静脈血栓症という、放置すると命に関わる病気の入り口かもしれません。「たかがむくみ」「そのうち治る」と思わず、左右差があるかどうかを一度、しっかり見てみてください。
脚は、体の一番下で血液を心臓に戻す“がんばり屋”。その脚が出しているサインに気づけるかどうかが、将来を大きく左右します。少しでも「いつもと違う」と感じたら、早めの受診を。それが、いちばんの予防です。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く





