食べすぎたからといって翌朝抜くのはNG!リセット食のベストタイミングとは?管理栄養士が解説

食べすぎたからといって翌朝抜くのはNG!リセット食のベストタイミングとは?管理栄養士が解説
AdobeStock

飲み会やイベント、旅行などで「つい食べすぎてしまった…」と感じることは誰にでもあるでしょう。翌朝になって体が重く、胃がもたれていたり、体重が増えている数字を見て焦ってしまった経験はありませんか?しかし実際には、前日に食べたものがすぐ脂肪になるわけではありません。翌日の過ごし方次第で、体を整え、余分な栄養が脂肪として蓄積されるのを抑えることができます。 今回は食べすぎた翌日にできるリセット食について詳しく解説します。簡単にできる方法なので、ぜひ参考にしてみてください。

広告

食べすぎた翌日に起こりやすい不調

はじめに、食べすぎた翌日はどのようなことが起こりやすいのでしょうか。考えられる体の不調を3つご紹介します。

胃もたれ・胸やけ

食べた物は胃に一定時間たくわえられ、消化しやすい形に変えてから小腸に送られます。消化までにかかる時間は食べ物ごとに異なり、特に、大量に食べたり、脂っこい料理や甘いデザートを摂ったりすると、胃で消化するのに時間がかかってしまいます。そのため、翌日も胃の中にまだ食べたものが残っており、胃もたれが起こりやすくなるのです。

胃酸の分泌が通常より過剰になった結果、食道へ胃酸が逆流しやすくもなります。これが胸やけの原因です。胃もたれ・胸やけは最も起こりやすい不調です。

むくみ

塩分を過剰に取ると、濃度を薄めようとして体内に水を溜め込みやすくなります。体内に水が溜まった結果、翌日に顔や足がむくみやすくなるのです。

しょっぱいものを食べるとアルコールも進みますよね。アルコールの多量摂取も水分代謝が乱れてむくみが生じる原因です。また、糖分も水分と結びつく性質を持っています。むくみが生じると通常よりも太って見えてしまいがちです。いつでもスッキリした見た目を保つために、むくみは抑えたい症状のひとつです。

血糖値の乱れ

糖質や脂質を摂りすぎると血糖値の急上昇が起こります。そして、早く下げようと体内からインスリンと呼ばれるホルモンが大量に分泌され、再度、血糖値は急降下していきます。

このような血糖値の激しい乱れによって、翌日は空腹感や強いだるさ、眠気を感じやすくなります。こうした血糖値の乱高下は体調不良や生活習慣病のリスク因子として注意喚起されています。

AdobeStock
AdobeStock

翌日に意識したい栄養素

翌日の不調を抑えるためにはどのような栄養素を意識すれば良いのでしょうか。次に、翌日に意識したい栄養素を具体的な食材と一緒にご紹介します。

ビタミンB1
ビタミンB群は糖質・脂質・たんぱく質の代謝をサポートする栄養素です。特にビタミンB1は糖質のエネルギー変換に欠かせません。豚肉、大豆、玄米、納豆などに多く含まれます。

カリウム
カリウムには塩分を排出し、むくみを和らげる働きがあります。ほうれん草や小松菜などの青菜、きのこ、海藻、バナナ、キウイなどに豊富です。

水分
翌日は、余分な塩分を排出するために、こまめな水分補給も大切です。むくんでいるからといって水分を控えるのはNGです。補給には常温の水や麦茶が適しています。カフェイン飲料や甘いドリンクは控えるようにしましょう。

翌日のリセット食のベストタイミング

リセット食は48時間以内におこなうのがおすすめです。そのため、翌日の食事で時間帯ごとにポイントを押さえた食事をすると、胃腸を休めつつ体を整えることができます。そこで、翌日のリセット食の方法を時間帯別にご紹介します。

【朝】抜かずに軽めに始める  

「食べすぎたから朝は抜こう」と考える人は少なくありません。しかし、それは逆効果です。朝食を摂らないと血糖値が乱れ、昼以降に強い空腹感から食べすぎを招きやすくなります。

朝起きたら、まずは白湯や常温の水で体を目覚めさせ、スープやおかゆ、バナナなどの消化に良い食材を取り入れるのがおすすめです。胃腸に無理なくエネルギーを補給することで、一日の代謝リズムが整います。

【昼】野菜とたんぱく質で整える  

昼食では、疲れた胃腸を助けながら代謝をサポートできる食材を選びましょう。脂質の少ない鶏むね肉や白身魚、豆腐などを中心に、温野菜や煮物でビタミンやミネラルを補給するのが理想的です。

食物繊維を無理に大量に摂ると胃腸に負担がかかるため、野菜は加熱して消化を助ける形にするのがポイントです。コンビニやスーパーでで手軽に買えるスープ、ポタージュを買って補うのも良いでしょう。

【間食】腸にやさしい食品を選ぶ

間食したいときは腸内環境を整える食品を取り入れましょう。ヨーグルトやチーズ、甘酒などの発酵食品は善玉菌を増やし、便通の改善に役立ちます。

果物を選ぶならキウイやベリー類など、ビタミンCや食物繊維がある程度含まれているものが適しています。

【夜】消化にやさしく温かい食事で締める

夕食では、野菜たっぷりのスープや鍋料理、湯豆腐など、温かくて消化のよいものを中心にすると胃腸を休めながら必要な栄養を補給できます。野菜を補うために冷たいサラダを食べる方がいますが、体が冷える原因となるので注意です。スープや、温野菜がおすすめです。

主食は少なめにし、塩分や油分も控えると翌朝のスッキリ感につながります。

まとめ

食べすぎると胃もたれや胸やけ、むくみ、血糖値の乱れなどの不調に繋がります。こうした不調を和らげるために、食べすぎた翌日は必要な栄養素を意識しながらリセット食をおこなってみましょう。特に朝食は大事。少量でも口に入れるようにしてくださいね。今回の記事を参考にリセット食を実践してみてください。

 

【参考文献】

・「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」-文部科学省

・上西一弘「栄養素の通になる 第5版」-女子栄養大学出版部

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

AdobeStock