やせグセがつく!自然と食べ過ぎないカラダに変わる習慣【管理栄養士が解説】

やせグセがつく!自然と食べ過ぎないカラダに変わる習慣【管理栄養士が解説】
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「ダイエット=我慢・制限」と思い込んでいませんか? 実は、やせやすい体をつくるには“何かを減らす”よりも、“何かを足す”方が、心も体もラクに整いやすいのです。 とくに注目したいのが、食事の“前”の過ごし方。 ほんの少しの工夫を“食前”に加えるだけで、満腹感が得られやすくなったり、食後の血糖値の上昇がゆるやかになったり、結果的に「自然と食べすぎない」体が育っていきます。 今回は、管理栄養士の視点から、「食前に足すだけでやせグセがつく習慣」をご紹介します。

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野菜を最初に「5分かけて」ゆっくり食べる

食事の最初に野菜を食べる「ベジファースト」は、血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪がつきにくくなる王道の食べ方です。特に水溶性食物繊維の多い野菜(キャベツ、ブロッコリー、オクラなど)は、糖や脂質の吸収をゆるやかにし、満腹感を高めてくれます。

さらに、その野菜を“5分かけてゆっくり食べる”「スローベジ」を意識することで、咀嚼回数が増え、脳の視床下部が刺激され、GLP-1やレプチンなど満腹ホルモンの分泌が促されるといわれています。

特におすすめは、ごぼう・切干大根・きのこ類など、よく噛む必要がある野菜です。1口30回を目安に、最初の5分間を“ゆっくり味わう時間”にしてみましょう。

たんぱく質を少し先に

たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)は筋肉をつくる材料になるだけでなく、血糖値の上昇を穏やかにしたり、満腹感を高めたりする作用もあります。

食事のはじめに少量とるだけで、GLP-1などのホルモン分泌が高まり、自然とドカ食い防止につながることがわかっています。
ベジファーストの後に、ひと口プラスするのが理想的です。

具沢山の汁物を一杯

汁物には、野菜・きのこ・豆腐・海藻などの栄養が詰まっていて、水分と温かさで胃がやさしく満たされ、自然と満足感が高まります。

「主食や脂っこいおかずが減らせない」という方も、最初に汁物を一杯足すだけで、トータルの摂取量が自然と調整しやすくなります。

食前の白湯や温かいお茶をゆっくり飲む

食事の5〜10分前に、白湯や温かい飲み物を1杯ゆっくり飲むことも効果的です。

内臓をあたためて胃腸を目覚めさせるだけでなく、リラックス作用もあるため、食欲の過剰な立ち上がりをやさしく抑えてくれます。

50〜60℃くらいの白湯をできるだけゆっくり飲むのがおすすめです。「急いで食べたいスイッチ」を静かにオフにしてくれる小さな習慣です。

食事前に姿勢を整える

意外かもしれませんが、食べる前に「骨盤を立てて背筋を伸ばす」。 それだけで、内臓が正しい位置におさまり、消化がスムーズになるほか、自然と食事に意識が向くようになります。

姿勢を整えることで「食べ始める」という意識のスイッチが入り、早食いやながら食べも予防になるため、“食べることに集中する”ためにおすすめです。

まとめ

やせグセ食材
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ダイエットは「何かをやめる」より、「ちょっと足す」方がうまくいくこともあります。
今回ご紹介したように、食事の“前”に足す小さな工夫は、心と体に優しく、ストレスも少なく続けられるはずです。

まずは1つだけ、今日の食事から始めてみませんか。 あなたの“やせグセ”は、「食べる前」から育てられるはずです。

 

【参考文献】

厚生労働省:食生活指針について.

山下裕司. 食べる順番と食後高血糖. 糖尿病. 2021;59(1):30–36. 

木林悦子, 中出麻紀子, 諸岡歩. 健康な食事の習慣と生活習慣病予防のための食態度,健康維持の姿勢との関連. 栄養学雑誌. 2022;80(3):149–157.

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