女性特有の”うつ”に寄り添える。管理栄養士の私が「やっぱり〈発酵食〉がいい」と考える理由

女性特有の”うつ”に寄り添える。管理栄養士の私が「やっぱり〈発酵食〉がいい」と考える理由
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松田 真紀
松田 真紀
2025-10-03

コロナ禍以降、産後女性の「うつ」リスクは増加傾向にあり、およそ3割にのぼるとの報告もあります。 最近の研究では、その「産後うつ」に腸内環境と食習慣が関与している可能性が示されています。 そして、うつを回避するヒントが食生活にあることが見えてきました。

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産後うつ症状には、腸内細菌と食習慣が関与している可能性

最新の研究では、出産後の女性において腸内環境と食習慣が心身の健康に影響を与える可能性が示されました。特に「腸内細菌の種類や量が多い人ほど、”産後うつ”の症状が弱い」ことがわかっています。なかでも、酪酸菌を産生する Lachnospira(ラクノスピラ属) が注目されています。

”うつ症状”を回避できた人の「食品」とは?

産後うつの症状が弱かった人の食事を分析したところ、以下の食品の摂取量が多いことがわかりました。

  • 大豆製品
  • 発酵食品
  • 海藻類
  • きのこ
  • 果物

これらは腸内環境を改善させる酪酸菌の生成に関与する「発酵性食物繊維」を豊富に含む食材でした。

発酵性食物繊維とは、酪酸菌など腸内の善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸を効率的に生み出すことができる「食物繊維」。今話題の食物繊維です。

食事のスターターとして。「味噌汁」習慣を始めよう

味噌汁
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産後のみならず、女性ホルモンの影響と向き合わなければならない女性にとって、うつ症状は身近なテーマ。人生の中でもハードな局面である「産後」を乗り越えるための食事は、きっと参考になるはずです。

そこで取り入れやすい方法が、「味噌汁」。

疲れた時など、温かい味噌汁や甘酒の香りにほっとした経験はありませんか?

発酵食品の香りにはリラックスを感じさせる作用が報告されています。また、味噌や甘酒にはGABAなど神経を落ち着かせる成分が含まれており、気持ちを和らげる働きが期待されます。さらに、温かい味噌汁は胃腸を内側から温めることでリラックス感を高めてくれます。

味噌汁を食事の最初に摂ると、食後血糖値の急上昇を抑える働きがあり、過食を防ぐ助けとなるので「スターター」におすすめです。

産後うつなど強いストレス状態では、普段なら手に取らないスナック菓子やファストフードが無性に欲しくなることもあります。そんなときこそ、まずは味噌汁を取り入れてみてください。

眠れない夜のお守りにも

味噌や甘酒にはリラックス成分のGABAが含まれており、これによって食後もじわじわと体内からリラックス効果が広がります。

ストレスがピークで眠れない夜には、小さい湯呑みに1杯。お守り代わりに飲むのも良いでしょう。
※ただし効果には個人差があります。

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