みるみる痩せ腸に変わる「キムチ」の正しい食べ方【管理栄養士が解説】
腸活やダイエットの話題で欠かせない食材のひとつがキムチです。発酵食品で、乳酸菌や食物繊維が豊富に含まれていることから便通改善や免疫力アップに役立つとされ、健康食品として日本でも定着しています。 近年では腸内環境を整えることが代謝や脂肪燃焼を助け、太りにくい体質づくりにつながると考えられています。そんな痩せ腸づくりにキムチが役立つと言われていますが、実は食べ方を間違えると効果が半減してしまうことも…。 今回は管理栄養士の視点から、キムチがなぜ腸活やダイエットに良いのかを解説します。間違った食べ方、正しい食べ方のコツもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
キムチが腸活・ダイエットに良い理由
キムチがなぜ腸活やダイエットに役立つのかは、発酵と栄養素にあります。
まず、キムチは植物性の乳酸菌を豊富に含む発酵食品です。乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増加を抑える働きがあります。腸内環境が整うことで便通改善や免疫力アップが期待できます。
さらに、唐辛子に含まれるカプサイシンは血流を促進し、体温を上げる働きがあるとされており、これが代謝のサポートにつながって脂肪燃焼を後押しが期待できます。
また、白菜や大根などの野菜に含まれる食物繊維もポイントです。食物繊維は不溶性と水溶性に分かれていますが、キムチにはどちらも含まれています。不溶性は便の量を増やして腸を刺激し、便通改善をサポート。水溶性も腸内細菌のエサとなり、善玉菌の活性化を助けます。
つまり、キムチは乳酸菌・カプサイシン・食物繊維の相乗効果で、腸内環境を整えながら痩せ体質づくりをサポートしてくれる食品なのです。
間違った食べ方3選
健康に良いイメージが強いキムチですが、食べ方を間違えると腸活・ダイエット効果が損なわれる可能性があります。次に、ついやりがちな間違った食べ方を3つご紹介します。
キムチを加熱しすぎる
キムチ鍋や、キムチ炒飯…確かにおいしいですが、ここに落とし穴があります。キムチに含まれる乳酸菌は熱に弱く、高温環境になると死滅してしまうのです。長時間煮込んだり炒めたりすると、腸に届くはずの乳酸菌はほとんど残らなくなってしまう可能性があります。
「キムチを食べているのに腸内環境が良くならない」と感じる方の中には、加熱料理ばかり取り入れているケースも少なくありません。腸活目的ならそのまま食べる機会を意識的に増やしていきましょう。
加工食品と一緒に大量に食べる
キムチはご飯や肉料理と相性が良いため、つい肉類やソーセージなどの脂っこい食材と一緒に食べてしまいがちです。しかしこれは腸活・ダイエットの観点から見るとNGです。
加工肉や脂質の多い食材は腸内で悪玉菌を増やす原因となり、せっかくの乳酸菌や食物繊維の効果を打ち消してしまう可能性があります。さらにキムチ自体にも塩分が多く含まれているため、塩分・脂質・カロリーの過剰摂取につながるリスクがあります。
健康食のつもりが高塩分・高脂質の食習慣になってしまえば本末転倒です。キムチと組み合わせる食材にも意識を向けていきましょう。
食べる時間を意識しない
「思い出したときに食べる」習慣も、効果を最大限に活かせない原因です。腸の働きには一日のリズムがあります。
乳酸菌が腸に滞在できる時間は長いほど良いです。昼食に食べてももちろん悪くはありませんが、腸に長くとどまって効果を発揮しやすいのは夕食のタイミングだと考えられています。寝ている間に腸内で乳酸菌が活発化します。
時間を意識しないまま食べてしまうと、腸に届いてもすぐ排出されてしまう残念な結果につながる可能性もあるのです。
痩せ腸をつくる!正しい食べ方のコツ
腸活・ダイエットに役立つ「痩せ腸」をつくるためには、どのような食べ方が効果的なのでしょうか。ここでは3つのポイントにまとめてご紹介します。
タイミングを工夫する
腸の動きがゆるやかになる夜に食べるのがおすすめです。夕食のタイミングに食べることで乳酸菌が腸に長くとどまり、善玉菌を増やすサポートにつながります。
ただし、夜食として食べるのはおすすめできません。胃腸の負担を抑えるために、就寝する2~3時間前には食べ終わるようにしてくださいね。
加熱せず適量を守る
乳酸菌をしっかり摂るにはそのままの状態で食べるのが基本です。もちろん鍋や炒め物で楽しむのも悪くありませんが、腸活や痩せ腸を意識するなら加熱せずに食べる習慣を取り入れましょう。
また、摂取量の目安は1日30〜50g。小鉢一皿程度で十分です。塩分が多い食品なので、食べすぎはむくみや高血圧の原因になりかねません。
相性の良い食材と組み合わせる
キムチ単体でも効果はありますが、食べ合わせを工夫すると腸活・ダイエット効果がさらに高まります。
・オリーブオイル…オレイン酸が腸のぜん動運動をサポート。風味もアップします。
・ナチュラルチーズ…キムチと同じく乳酸菌を含み、更なる腸活をサポートします。
・山芋…水溶性食物繊維が豊富です。善玉菌を増やす働きなど腸活をサポートします。
・納豆…納豆菌には、乳酸菌と同様に生きたまま腸に届いて腸内細菌のバランスを改善する働きがあります。
これらを組み合わせることで、腸内環境の改善と痩せ腸づくりをより効率的に進めることが期待できます。オリーブオイルと和えて洋風にしてみたり、納豆・山芋と混ぜて丼にしてみたりなど毎日飽きないようにすることも大切です。
まとめ
キムチは乳酸菌や食物繊維、カプサイシンなどの働きによって、腸内環境を整えながら脂肪燃焼のサポートが期待できる発酵食品です。しかし、加熱しすぎたり、一緒に食べる食材・食べるタイミング次第では効果が損なわれてしまう可能性があります。
今回の記事を参考に、キムチを正しく食べて、理想の痩せ腸を目指していきましょう。
【参考文献】
・「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」-文部科学省
・上西一弘「栄養素の通になる 第5版」-女子栄養大学出版部
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