妊娠中にアボカドを食べると赤ちゃんの食物アレルギーリスクが43%低下?!最新研究が示す驚きの効果

 妊娠中にアボカドを食べると赤ちゃんの食物アレルギーリスクが43%低下?!最新研究が示す驚きの効果
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山口華恵
山口華恵
2025-05-13

近年、子どもの食物アレルギーが急増している。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、1997年から2011年の間にアレルギーを持つ子どもの割合は50%も増加。現在では、5人に2人の子どもがアレルギー関連の症状で救急外来を受診しているという。そんな中、妊娠中にある果物を食べることで、赤ちゃんのアレルギーリスクが大きく低下する可能性があるという研究結果が発表され、注目を集めている。その果物とは?

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アボカドが持つ“予防力”とは?

2025年に医学誌『Pediatric Research』に掲載された最新の大規模研究によると、妊娠中にアボカドを食べた女性は、食べなかった女性に比べて、生まれた子どもが1歳までに食物アレルギーを発症する確率が約43.6%も低かったと報告されている。研究は、2,272人の妊婦を対象に行われ、喫煙や食生活、BMI(体格指数)、授乳の有無といったライフスタイル要因を調整した上でも、この関連性が認められた。特に、妊娠初期または後期にアボカドを摂取していた人に効果が見られたことから、妊娠期間中のどのタイミングでも、アボカドの摂取が赤ちゃんの免疫系に良い影響を与える可能性があると考えられている。

胎児
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なぜアボカドがアレルギー予防になるの?

この効果の鍵となるのが、妊娠中の「母体内曝露」だ。つまり、母親が摂取した栄養素が胎児の免疫系や腸内環境の発達に影響を与えるという考え方である。アボカドは、以下のような栄養素をバランスよく含んでおり、これらが相互に働き合うことで、アレルギーリスクを下げていると研究者は見ている。

妊婦
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抗酸化物質(ビタミンEと亜鉛)

アボカドに含まれるビタミンEや亜鉛は、免疫システムの「初期設定」に関わる重要な栄養素。国立衛生研究所(NIH)の報告によれば、妊娠中の抗酸化物質の摂取量が多いほど、子どものアレルギー発症リスクは低下する傾向にある。

食物繊維

アボカド1個には9g以上の食物繊維が含まれている。これは腸内の善玉菌を育て、短鎖脂肪酸と呼ばれる抗炎症性の物質を生成する働きを促す。短鎖脂肪酸は、アレルギー反応の抑制に効果的だと考えられている。

一価不飽和脂肪酸(健康的な脂質)

いわゆる“良い脂質”とされる一価不飽和脂肪酸は、免疫系のバランスを整える働きがあり、すでに青年期の喘息リスクを下げる効果も報告されている。これが胎児にも同様に作用する可能性があると期待されている。

妊娠中の栄養が未来を変える

妊娠中の栄養が子どもの健康に影響を及ぼすという考え方は、今や珍しくない。ビタミンDの補給や、オリーブオイルや魚を多く含む地中海式ダイエットも、アレルギー予防の観点から注目を集めている。ただし、今回の研究は、アボカドという特定の食品に焦点を当てた初めての大規模調査であり、「アレルギー予防は生後ではなく、妊娠中から始まる」という新たな視点を示した点で、非常に意義深いものだ。

食卓にアボカドを取り入れる簡単&美味しいレシピ例

アボカドは食べ方も多彩で、妊婦の食生活に無理なく取り入れやすいのが魅力。以下のようなレシピがおすすめだ。

  • アボカドトースト(全粒粉パンに潰したアボカドとヘンプシードやチリフレークなどをトッピング)

  • グリーンスムージー(アボカド、ほうれん草、バナナ、ギリシャヨーグルトをブレンド)

  • アボカドボウル(半分に切ったアボカドにツナやひよこ豆サラダを詰める)

  • アボカドチョコムース(アボカドとココアを使った濃厚デザート(意外と美味!))

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出典:
Eating This Fruit During Pregnancy May Lower Baby’s Food Allergy Risk
This surprising pregnancy snack could cut your baby’s allergy risk—here’s what to know

Eating avocado in pregnancy cuts infant food allergy risk by nearly half

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