男性更年期のサインとは?原因とテストステロンを高める3つの対策
「最近、夫の性格がまるで別人のように変わってしまった気がする」「お父さんが些細なことで怒鳴るようになり、夜も眠れていない様子」――そんな不安を持つ家庭は少なくないかもしれません。これらは単なるストレスや年齢のせいではなく、“男性更年期”のサインかもしれません。実は男性更年期による不調は、本人だけでなく家族や職場、さらには社会全体にも大きな影響を及ぼす問題です。今回は、男性更年期の正体と、すぐにできる3つの対策について紹介します。
男性更年期症状は個人の問題でなく社会問題である
最近、このようなご相談をいただきました。
「夫が最近、ホットフラッシュや不眠といった更年期のような症状に悩んでいます。穏やかな人だったのに、子どもをどなるようにもなり、性格が変わってしまったみたいです。男性更年期には対策はありますか?」(50代・女性)
かつては穏やかだった性格が、急に変わってしまったように見える。イライラしやすくなり、些細なことで怒鳴ったり、気分の浮き沈みが激しくなったりと、今までとは人が変わったようになってしまうと、不安が募りますよね…。実は、こうした変化に悩まされているご家庭は少なくないと思われます。これらの変化は単なる「年のせい」や「ストレス」だけではありません。男性更年期のサインである可能性もあります。厚生労働省の調査によると、驚くべきことに、40代男性の約3割、50代男性の約4割が更年期の不調を経験しています。さらに、経済産業省の試算では、男性更年期による業務パフォーマンスの低下や離職が、年間1.2兆円もの経済損失を生んでいるというのです。
これは、もはや個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題です。にもかかわらず、「男らしさ」や「弱音を吐けない」といった固定観念により、多くの男性が適切なケアを受けられずにいるのが現状なのです。
男性ホルモンの急低下が症状を引き起こす
男性更年期の根本的な原因は、男性ホルモンであるテストステロンの急激な低下にあります。テストステロンは10代前半から分泌が増え、20代から30代でピークを迎えます。通常は40代ごろから緩やかに低下しますが、運動不足、睡眠不足、栄養不足、ストレス、長時間労働といった現代的な生活習慣の乱れが、この低下を加速させてしまうのです。
テストステロンの急激な低下は自律神経の乱れを招き、ホットフラッシュ、不眠、イライラ、うつ気分など、男性も女性と同じような更年期の不調を引き起こすことがあります。
テストステロンには、性ホルモンとしてだけではなく、さまざまな働きがあります。筋肉をつける、脂肪を減らす、血管をしなやかにする、やる気を高める、性欲を向上させる、記憶力をアップさせるなど、心と体のパフォーマンスに関わる重要な働きを持っているのです。さらには、テストステロンは「男性ホルモン」と呼ばれますが、実は女性の体内にも存在し、とても大切な役割をしています。特に女性の場合、閉経以降はテストステロンが、心と体の快適さの鍵。性別問わず、味方につけたいホルモンなのです。このテストステロンは、なんと生活習慣の改善でケアすることができることがわかっています。そこでここからは、テストステロンを高める3つの対策を紹介します。
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