最新調査が示唆|スクリーンタイムは1日何分まで?子どもの心の健康を守るための上手な付き合い方


現代の子どもたちは、スマホやタブレット、ゲームなどに囲まれた環境で生活している。そんな中で、スクリーンタイム(画面を見ている時間)がどれだけ子どもたちの心に影響を与えるか、親として心配になることも多いのではないだろうか。実際、スクリーンタイムが過剰だと、心理的な不調を引き起こす可能性があることが、最近の調査で明らかになっている。
過度なスクリーンタイムは心理的なストレスのリスクを高める
イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンが実施した「ミレニアムコホート研究(イギリスで2000年に生まれた子どもを対象に長期間追跡調査する研究)によると、1日3時間以上、スクリーンに向かって過ごす時間が続くと、将来的に子どもたちの心理的な不調(不安やうつ症状)が増える傾向があることが明らかになった。この研究では、3675人の10代の子どもたちの行動と心理的健康を3年間にわたって追跡調査し、その結果、過度なスクリーンタイムが心理的なストレスのリスクを高めることが明らかになった。特に、ゲームやSNS、動画視聴など、娯楽に使われるスクリーンタイムが問題とされている。これらの活動は、他の活動に比べて孤立感や不安感を増幅させる可能性がある。実際、1日に3時間以上もゲームに没頭していた子どもたちは、3年後に心理的な不調を訴える割合が高くなっていた。

教育的なスクリーンタイムは逆に良い影響を与える
一方で、スクリーンタイムがすべて悪いわけではない。研究では、教育的なスクリーンタイム(学校の授業や課題に使う時間)が、心理的な健康にとってはむしろ良い影響を与えることが示されている。1日1〜2時間程度のスクリーンタイムは、勉強やオンライン学習、授業への参加に使われる場合、子どもたちの心理的な健康を守る「保護的」な要素となることが分かっている。この研究結果からわかるのは、「どのようにスクリーンを使うか」が非常に重要だということだ。無駄に長時間画面に向かって過ごすのではなく、教育的な活動にスクリーンを使うことが、心の健康に良い影響を与える可能性が高いというわけだ。

1日1〜2時間のスクリーンタイムで心の健康を守る
では、どのくらいのスクリーンタイムが理想的なのか?多くの専門家は、1日あたり1〜2時間のスクリーンタイムが、心の健康にとって最も効果的だと提案している。この時間内であれば、教育的な活動にも十分時間を割くことができ、遊びや趣味の時間も楽しむことができる。また、スクリーンタイムの質も重要だ。勉強や学習に使う時間は心の健康にプラスの影響を与え、無駄にダラダラと過ごす時間は逆に心の健康を損ねる原因となる。つまり、目的意識を持ったスクリーンタイムが、子どもたちにとって最も有益なのだ。
スクリーンとの付き合い方を見直すために親ができること
親として、スクリーンタイムと上手に付き合うためには、以下のようなポイントを意識することが大切だ。
スクリーンタイムの時間を制限する
1日3時間以上のスクリーンタイムは心の健康に悪影響を与える可能性があるため、時間を制限して過剰な使用を避ける。
教育的なスクリーンタイムを積極的に取り入れる
オンライン授業や学習アプリを活用することで、スクリーンタイムを有意義に使い、学びの時間にする。
身体活動や人との交流を増やす
スクリーンタイムの合間に、外で遊んだり、友達と会ったりする時間を設けることで心の健康を保つ。
使用時間を家族でシェアする
使用時間を家族で話し合い、共通ルールを作ることで、無駄な時間を避け、スクリーンタイムを効果的な活用する。

出典:
Study links excessive screen time to psychological distress in adolescents
Children spending more time on phone instead of playing outside? Study says they are likely to be depressed and anxious
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