「皮膚科に行くまでもない」とあなどらないで！意外と知らないじんましんと接触皮膚炎の違い｜医師解説

じんましんとは？

じんましん（蕁麻疹）とは、皮膚の一部に膨疹と呼ばれる少し膨らんだ発疹が現れる病気であり、原因の特定できない特発性が多いですが、食物やストレスをきっかけに発症するタイプもあります。

じんましんの膨疹には掻痒感を伴いますが、多くの場合には数時間で膨隆疹は消失しますが、なかには慢性的に経過することもあります。

じんましんは、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応として現れることもあって、命に関わることも想定されるために早急に医療機関を受診して迅速に治療する必要があります。

じんましんでは、急激に発症する膨疹（ぼうしん）が特徴です。

外表上は1cm程度の大きさの病変から地図状に広がることも存在し、じんましんの膨疹は非常に強いかゆみを伴い、数時間のうちに体の至る所に広がった後、跡形もなく消失します。

多くの場合、一度発症しても繰り返すことはないのですが、なかには1か月以上が継続する慢性じんましんに進行することもあって、その場合には夜間に出現することが多く、原因を特定するのが困難なケースも見受けられます。

じんましんを誘発する原因は、ウイルスや細菌など感染症が挙げられる以外にも卵、牛乳、小麦、蕎麦、甲殻類など特定の食べ物に対するアレルギー反応も想定されています。

また、特定の食べ物を摂取した後、激しい運動を実施することで、じんましんやアナフィラキシーが誘発される食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼ばれるタイプのアレルギー反応も知られています。

したがって、昼食にアレルギー物質である小麦製品などを摂取したのち、午後の体育などの時間にじんましんが出現する人も存在し、様々な発症様式が考えられます。

また、特定の抗生物質や造影剤、解熱鎮痛剤などを含む薬剤が原因でじんましんを発症することもありますし、ラテックスゴム、寒冷刺激や温熱刺激、日光、ストレスなどに伴って、じんましんを発症する人も見受けられます。

接触皮膚炎とは？

接触皮膚炎は、特定の物質に直接触れることで皮膚に炎症が起きる病気であり、何らかの物質が皮膚に接触することでアレルギー反応が生じてかゆみを伴う湿疹が出現するとともに、接触部の皮膚に紅斑所見が現れます。

接触皮膚炎に伴う発疹そのものは非常にかゆく、特定の部位に限定されていて、しばしば境界が明瞭になっています。

重症な場合には、患部が腫れ上がる、あるいは小さな水疱が出現することもあります。

接触皮膚炎は、身のまわりにあるほとんどの物質が原因となって、皮膚に刺激が加わって、アレルギー反応となって皮膚に炎症を起こす特徴があります。

じんましんと接触皮膚炎の違い

接触皮膚炎は、湿疹の一種であり、湿疹という大きなくくりの中に、接触皮膚炎があります。

湿疹とは、外的な刺激、内的な刺激によって、皮膚の最も外側にある表皮が炎症する皮膚疾患の総称であり、接触皮膚炎は、皮膚に何らかの刺激物などが接触することで起きる、湿疹性の炎症反応のことをいいます。

一方、じんましんは、皮膚の一部が突然、赤く盛り上がり、かゆみや焼けるような感覚が出ることもあるもので、20～30分、もしくは2～3時間たつと跡形もなく消える皮膚疾患の一つです。

じんましんは、皮膚の一部に膨疹と呼ばれる少し膨らんだ発疹が現れる病気です。

じんましんの場合には、原因の特定できない特発性が多いですが、食物やストレスをきっかけに発症するタイプもあります。

まとめ

じんましんとは、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がって、しばらくすると跡かたなく消えてしまう皮膚の病気であり、多くは痒み症状を伴って皮膚が焼けるような感じを自覚することもあります。

じんましんの基本的な治療は、できるだけ原因因子を特定して、それらを取り除く、または回避すると共に、抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬が用いられます。

一方で、接触皮膚炎とは、皮膚に何らかの物質が触れ、それが刺激やアレルギー反応となって炎症を起こしたものであり、通称「かぶれ」とも呼ばれています。

主に、接触皮膚炎の場合には、湿疹や赤み、かゆみ、水ぶくれや腫れなどさまざまな症状を伴い、基本的には原因物質が触れた部分に症状が現れます。

心配であれば、皮膚科やアレルギー外来など専門医療機関を受診して相談しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。