【ウォーキングの効果を高める方法】理学療法士が推奨!ウォーキング改善エクササイズ4選
季節や場所や年齢を問わずいつでもどこでも取り組める手軽な運動、ウォーキング。ウォーキングが身体に良いということは皆さんよくご存知だと思います。そのウォーキングのポイントと、ウォーキングを改善するエクササイズを理学療法士の堀川ゆきさんが提案してくれました。
ウォーキングのポイント
1日の目標歩数が厚労省の「健康日本21」で具体的に定められています。
20~64歳
男性:9000歩、女性:8500歩
64歳以上
男性:7000歩、女性:6000歩
です。
この歩数をまず目標にしましょう。スマホや時計などで歩数が測れますが、測れない人は「10分歩いたら大体1000歩」だと考えてください。そして、歩く時に大切なポイントは次の4つです。
①姿勢を整える
猫背や目線が下がっていると、脚を適切に前方に運べません。身体の中心を通る軸をまっすぐ保つように意識します。あごを引いて視線は15メートルほど前方へ、胸を張り背筋を伸ばし、肩の力を抜きます。
②歩幅をやや大きめにする
一歩一歩を大きくすることで、股関節をはじめとした各関節を広い可動域で大きく動かすことになります。そのため関節の一部分だけにストレスが集中してしまうことを避けられます。また、歩幅を広げることで股関節周囲のたくさんの筋肉を使うため、一部の筋肉だけの筋疲労を防げます。コツは、前脚よりも後ろ脚を意識することです。後ろ脚の鼠径部を毎歩伸ばすように、お尻よりも後方に後ろ脚を残して歩くように意識します。この時、後ろ脚のお尻がキュッと縮んで引き締まるのを感じましょう。
③腕を大きく振り早歩きを心がける
右腕が前だと左脚は後ろ、というように腕と脚とは反対方向に動きますが、この腕の振りの反作用でキック力を強めています。腕の振りを強くするとキック力が増し、歩行速度が上がります。
また、早歩きの人の方が長寿だということが明らかになっています。歩きながら話すと息が切れる程度の早歩きがベストです。健康のためには歩く時間や距離を伸ばすよりも、大股で歩くことと、早歩きをすることに意義があるようです。
④かかとから着地してつま先で地面を蹴る
足裏全体でベタッと着地して歩くのではなく、着地はまずかかとからです。そして最後はつま先で床を蹴ります。特に親趾で力強く床を押して前に進むイメージです。このように足の指を使って歩くと、前への推進力がグンと上がり、歩行速度が増します。
ウォーキング改善エクササイズ
先程あげたウォーキングのポイント4つ。各ポイントに1つずつピッタリのウォーキング改善エクササイズを紹介します。
①姿勢を整える
「壁伸びストレッチ」
壁を向いて両足は腰幅で30〜50cm離れて立ちます。両手は肩幅で肩の高さで手のひらを壁につけます。そして息を吸いながら壁を拭くように手のひらを上までバンザイするように滑らせます。目線は常に両手の間を見てください。反り腰にならないよう胸やおへそを壁に近づけるイメージです。背中全体が伸びてとても気持ちいいです。バンザイしたら肩の高さまで手を戻す動きをゆっくり10回繰り返します。
②歩幅をやや大きめにする
「ランジストレッチ」
両足を縦に1m以上開いて、椅子の背もたれなど支えを持ってゆっくり腰を落とすようにしゃがみます。前脚の膝は直角、後ろ脚の膝は軽く緩めます。後ろ脚の踵は浮いてきて大丈夫です。反り腰にならないようお尻の穴は真下に向けます。その状態で後ろ脚の鼠蹊部の伸びを感じながら30秒キープします。両脚行います。
③腕を大きく振り早歩きを心がける
「片脚立ち」
ウォーキングは実は片脚立ちの連続です。ウォーキングの際のバランスや安定感を養うために、片脚立ちで30秒キープできるかトライしましょう。つま先立ちでなく片方の足の裏全体で立ってくださいね。65歳以上の人はまず10秒を目標にしてください。
④かかとから着地してつま先で地面を蹴る
「つま先立ち」
ウォーキングの際に足指の腹にきちんと体重を乗せて、足指で押す力を養います。両足は腰幅で立ちます。つま先立ちになり、踵を下ろす、をゆっくり20回繰り返しましょう。特に足の親指に乗る力を意識してください。
まとめ
ウォーキングは、季節や場所や年齢を問わずいつでもどこでも取り組める手軽な運動です。高齢者や運動に不慣れな人でも安心ですが、せっかくのウォーキング、意外ともったいない残念な歩き方の人をよく見かけます。より効果的に安全にウォーキングを楽しんで欲しいと思い記事にまとめました。少しでも参考になれば嬉しいです。
参考:
堀川ゆき「理学療法士がすすめるウェルエク: Exercise for Wellnessウェルネスのためのエクササイズ 究極これだけやれば!身体万全」評言社,2023
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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