走るより痩せる!ウォーキングの専門家が教える「ギリギリ会話ウォーキング」とは

 走るより痩せる!ウォーキングの専門家が教える「ギリギリ会話ウォーキング」とは
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ウォーキングよりもさらに脂肪燃焼させるならランでしょ、と感じている人もいると思います。それは不正解! 実は「脂肪を燃やす」という観点で考えると、ジョギングやマラソンよりもウォーキングの方が効果的。園原さんが提唱するダイエットに効果大の「ギリギリ会話ウォーキング」について伺いました。

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脂肪を燃やしたいならマラソンよりもウォーキング

―ずばり、ウォーキングで痩せるためにはどうすればいいですか?

園原さん:生活習慣病を予防したり、ダイエットを成功させるために大切なのは、「脂質代謝機能を上げること」。マラソンなど運動強度が高いときは「糖質」が使われ、ウォーキングなどの運動強度が低いときは「脂質」が使われます。言い換えると「酸素の供給量が追いつくような楽な運動の時は脂肪が燃えて、追いつかないようなハードな運動の時には糖質が燃える」ということです。

つまり酸素の供給量が追いつくギリギリのラインの運動をすることが、一番効率よく脂肪を燃焼することができるというわけです。

仲間と話ができる程度の速歩き「ギリギリ会話ウォーキング」

―それで、酸素の供給量がなんとか追いついている「ギリギリ会話ウォーキング」なんですね。

園原さん:はい。ギリギリ会話ができる程度のウォーキングは、体がやや酸素不足になっている状態。このちょっとだけ酸素不足状態を作ることが大事なんです。酸素が不足すると体が酸素を欲し、呼吸が少し荒くなります。その時体内では、心肺機能が高まったり、骨の中で赤血球を作る指示が出たり、ミトコンドリアが活性化したりして、脂肪がエネルギーに変わります。

―マラソンなどと比べてすごく辛いわけではないのに、体内ではしっかり脂肪が燃焼されているわけですね!

園原さん:先述した正しい歩き姿勢で「ギリギリ会話ができる」状態を維持すれば、10〜20分のウォーキングでいわゆる「燃えやすい体」になれます。これこそが量、負荷、動きがベストな状態で、もっとも効果の高い運動法だと考えています。

ウォーキング後のドカ食いは絶対NG!

―誰でも簡単に始められる「ギリギリ会話ウォーキング」ですが、気をつけるべきことはありますか?

園原さん:ウォーキング後に、急に甘いものを食べたり、スポーツドリンクをがぶ飲みすることは避けてください。血糖値が急上昇してインシュリンが出ることで、食べたものが脂肪となりどんどん蓄えられてしまいます。運動後の食事は野菜やタンパク質などの糖質が少ないものから順に食べて、血糖値を急激に上げない食事を意識してくださいね。

―ウェアやシューズ選びについてはいかがですか?

園原さん:ギリギリ会話ウォーキングは、駅まで歩く時やショッピングなどでも取り入れることができます。やはり、脚さばきのいいいパンツスタイルだったり、股関節や肩関節が動きやすいカジュアルな服装がいいですね。今は明日レジャーといって、街歩き用になるオシャレなスポーツウェアがありますね。そういうのもいいのではないしょうか。

シューズは、できればソールの硬さがちょうど良いウォーキングシューズがおすすめ。クッションが柔らかいランニングシューズはあまりおすすめできません。反発力が得られにくく1日中履いていると逆に脚が疲れてしまいます。

ダイエット目的なら空腹時、糖尿病改善目的なら食後に歩くのがおすすめ

―ウォーキングをするのにベストな時間帯はありますか?

園原さん:20分程度のギリギリ会話ウォーキングの場合は「空腹時」がおすすめです。起床後や、昼ごはん前、夕ごはん前ですね。そこで気をつけたいのは運動強度。血糖値が下がっている空腹時はエネルギーが不足しているということなので、長時間のウォーキングなどハードなものはやめましょう。

また、糖尿病の改善を目的としたウォーキングの場合は、「血糖値を下げる」ことが目的なので、食後30分〜1時間以内にスタートするのが効果的です。

あとは歩く時の気温も大事です。暑い季節は昼間のウォーキングは絶対避けましょう。朝や夜などの涼しい時間帯を選ぶようにするとか、空調の効いているデパートやショッピングモールの中を歩くのもおすすめですね。

―最後に、ウォーキングが私たちの健康維持や生活に与える影響についてお願いします。

園原さん:筋力は年齢とともにどうしても低下していきます。歩くことは私たちが生活している限り常に行っている動作で、無意識にエネルギーを消費しています。100歳になっても健康でいたいというのは「動いていたい」ということ。歩くことを快適だと感じる生活が身についていると、動くことも億劫になりません。ウォーキングを通して、健康的な生活を自然に維持できるようになると最高ですよね。

歩き方
『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』園原健弘・著(きずな出版)

お話を伺ったのは…園原健弘さん
1992年バルセロナ五輪50Km競歩代表。世界陸上3回連続出場、箱根駅伝2回出場など競技者としての経験をベースに健康づくり・ダイエット指導など幅広い分野で活躍中。東京・神楽坂にてスポーツジム経営。
近年は(株)ラバ・チューブ代表取締役、(社)JEETA理事として、市町村の介護予防事業・地域支援事業を運営受託し全国を飛び回っている。明治大学体育会競走部コーチ。著書に『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』(きずな出版)がある。

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インタビュー・文/皆川知子

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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