【新型コロナの炎症をヨガで緩和できる?】医師が開発した「新型コロナウィルス患者のための呼吸法」

 【新型コロナの炎症をヨガで緩和できる?】医師が開発した「新型コロナウィルス患者のための呼吸法」
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不快感の中での呼吸

新型コロナウィルスは、鼻から肺にかけての呼吸器系に感染して発症する。専門家は、体がウイルスを感知すると、持続的な炎症反応が起こると考えている。これは自己修復反応であると同時に、体を常に厳戒態勢にして、呼吸器系の酸素供給に頼っている臓器や組織に大打撃を与えるものである。しかし、ヤンのようなヨガプラクティショナーは、別の解決策を支持する幅広い研究結果があることを知っている。

「ヨガは新型コロナウィルスの回復をサポートするのに最適です」とヤンは言う。「急性肺損傷者のための包括的な治療プログラムである肺リハビリテーションで使用している技術は、すべてヨガの技術です。私たちはプラーナヤマを行っていますが、そのようには呼んでいませんでした」。

ヤンは、ヨガと炎症の間には否定的な関係があるという米国国立衛生研究所がサポートする多くの研究について言及している。例えば、2012年に行われた研究では、ヨガを習慣的に行っている人は、炎症を促進する化学物質レプチンの濃度が低く、炎症を抑制するアディポネクチンの濃度が高いことが示された。そこでヤンは、新型コロナ患者の最も深刻な症状を引き起こす炎症を、ヨガが治療できるのではないかと仮説を立てたのだ。

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イングリッド・ヤン医師とシニア・ナーシング・スペシャリストのアイリーン・キャロル(正看護師(RN))との面談の様子。Photo: Wis Holt

新型コロナ患者に初めて呼吸法を紹介したとき、彼女はウイルスを特別に治療するつもりはなく、患者が全体的に気分良くなり、(ヤン、活動、呼吸との)つながりの感覚を楽しみ、恩恵を受けることを目的としていました。しかし、プラーナヤマを回診に取り入れ、患者にマインドフルな時間を取り、横隔膜を使った深い呼吸をするように促すうちに、彼女の視点は変わり、そのプラクティスはエクササイズからプロトコルへと進化していった。「ヨガセラピー・トゥデイ」2021年冬号で彼女が書いているように、横隔膜呼吸法にヨガの観点を適用することで、ヤンはヨガのトレーニングと医学のトレーニングという2つの豊かな研究成果を参照できることに気づいた。この2つを組み合わせることで、新型コロナウィルスに長期間苦しむ患者に対応する際の指針となるのだ。

「横隔膜呼吸法は弱った呼吸筋を強化するのに有効です」とヤンは肺合併症について書いている。「結局のところ、横隔膜は筋肉であり、新型コロナウィルス感染後の人々はしばしば身体全体の弱さを経験しています。横隔膜を鍛えて強化することは、ウイルス感染後の症候群や炎症を起こした生理学にも有効です。第一の目的は肺とそれを支える筋肉を強化することで、第二の目的はリラックスと副交感神経系の活性化です」。

さらに最近では、病院の理学療法士とミーティングを行い、呼吸法をより広く普及させる方法を検討している。また、ウェビナー(ウェブとセミナーを組み合わせた造語)で定期的に講義を行い、ヨガ療法士が患者の回復を手助けできるように教育を行っている。

新型コロナウィルスに対するヨガの治療法は、呼吸に関連した症状にとどまらないとヤンは言う。動きは、ウイルスによる組織の損傷や炎症による血管の血栓を和らげ、シャラバーサナ(バッタのポーズ、医療分野では「プロニング」とも呼ばれ、ヤンが好んで推奨している)による肺の拡張は、筋骨格の合併症を和らげ、マインドフルネス瞑想やヨガニードラは、新型コロナウィルスが後に残す感情的なトラウマや断絶に対する強力な治療法となる。

症状や原因が何であれ、それぞれのセラピーの根底にあるのは「つながり」であり、ヨガは人間の最も基本的な欲求のひとつに応えるものなのだ。

「ある意味、命を救うのが私の仕事です。ちょっと大げさですが、ほとんどの場合、慢性的な医療問題を乗り越えるためのサポートをしています。そして、もし私自身の人生、自尊心、心を救ってくれたものの一部を患者の皆さんに提供することができれば、とも考えているのです」。また、ヤンは次のようにも述べた。「私たちは、人とのつながり、心からの愛、そしてそれらを感じることへの許可が人々に与える癒しの影響について過小評価していますが、ヨガは私にその許可を与えてくれました」。

教えてくれたのは…ハンナ・ロット–シュワルツさん
ハンナ・ロット–シュワルツさんは、フリーランスのライフスタイル・ジャーナリスト兼エディター。旅行、冒険、文化、サステナビリティ、ウェルネスなどについて執筆している。itsaseahorse.com

ヨガジャーナルアメリカ版/「This Doctor Pioneered a Breathing Technique for COVID-19 PatientsThis Doctor Pioneered a Breathing Technique for COVID-19 Patients

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By HANNAH LOTT-SCHWARTZ
Translated by Hanae Yamaguchi

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ヨガジャーナルアメリカ版

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全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。



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