ネコの背中のように背骨が丸まって、前かがみになっている状態を指します。本来人間の背骨はゆるやかにS字カーブを描いています。胸椎部分は軽く丸みを帯びている部分ではありますが、この丸みが強くなると猫背と呼ばれます。
背中が丸まることで自然と頭の位置が下がります。頭の重さはボウリングのボールほど。その重さを首や肩の筋肉で支えるようになるため、過剰に緊張してこりとして現れてしまいます。
首・肩凝りからも関係しますが、下がった頭を支える際に使われるのが僧帽筋の上部になります。この筋肉は首から鎖骨にかけてついているため、過剰に使われることで肩の部分が「もっこり」として見えるようになります。
ガス交換は肺で行われますが、肺自体には自ら膨らんだり縮んだりする機能はありません。呼吸筋である横隔膜と肋骨の間の肋間筋が働くことで、肺を包む胸郭(肋骨+胸椎+胸骨)が広がったり狭まったりして呼吸を行うことが出来ます。しかし猫背になってしまうことで胸郭が広がりにくくなり、呼吸が浅くなりやすくなります。呼吸の浅さは自律神経にも影響するといわれているため、めまいや頭痛などを引き起こす可能性もあります。
僧帽筋は上部・中部・下部に分かれています。猫背によって僧帽筋上部が緊張すると紹介しましたが、逆に中部と下部は使われにくくなります。この部分を鍛えて、胸を起こせるようにしましょう。
①正座で座り、肘が軽く伸びる位置に手をつく。
②両手で床を押し、背中を丸める。
③手で床を手前に引くイメージをしながら胸を開き、背骨を斜め上に伸ばす。(肩甲骨の間あたりが締まる感覚があればOK)
④あごが上がりやすいため、首の後ろが詰まらないように注意する。
⑤この動きを10往復程くり返す。