痛めやすい首と肩のセルフケア|筋肉へのアプローチでヨガ中のケガを防止しよう
本来、体を整えて健康に導いてくれるはずのヨガで、体を痛めるケースは少なくありません。そこで、ヨガで特に痛めやすい首・肩・腰・膝のセルフケア法を、理学療法士の中村尚人先生に教えていただきました。今回は、首と肩のセルフケア方法について。ヨガの前に行いましょう。
ヨガの前に行うセルフケア
首のセルフケア:筋バランスを整えて首捻挫を防ぐ
頭頂に軽く体重をかけた状態で、体の中心軸を探します。体が前後左右に傾かない筋バランスのとれた姿勢を身につけ、ヘッドスタンドでの首捻挫を予防します。
HOW TO
1.壁につけたヨガブロックに頭頂をあてる。頭を前後左右に動かし、体が安定する位置(中心軸)を探す。
POINT:頭頂を軽く押しつけた状態で頭を前後左右に動かすと、首の筋肉強化にもなる。腿裏の筋肉が硬くて体を直角にするのが難しい人は、膝を曲げていてもOK。
2.安定した姿勢を保ったまま片脚を上げて背骨の延長に伸ばす。首の後ろは縮めない。両手は下げてリラックス。
POINT:骨盤を丸めないように注意しながら、体の中に1本の芯があるイメージで姿勢を保つ。
肩のセルフケア:外旋筋を刺激して肩の動きをなめらかにする
日常生活では、肩を外旋させる筋肉はほぼ使われていません。 ヨガで急に動かして痛めてしまわないように、事前に外旋筋を刺激し、動きを引き出しておきましょう。
正常な外旋位は60度!自分の外旋位をチェックしよう
肘を体側につけ、手のひらを上にして前腕を開く。45度以上開かないようなら、日常のクセで肩が内に入っている「内旋肩」の可能性も。
外旋筋の動きを確認しよう
肩に手を当て、上腕を外に回したときに肩甲骨の上で外旋筋が動くのを確認しよう。
HOW TO
1.片手に500㎖の水を入れたペットボトルを持って横になる。下の腕で頭を支え、両脚は揃えて膝を曲げる。
2.肘を体側に固定したまま前腕を開く。開く→戻すを疲れるまで繰り返し、最後に開いて10秒キープし3セット。反対側でも。
肩・腰のセルフケア:肩の外旋位を保って腰への負担を減らす
前腕に挟んだブロックが落ちないようにすることで肩の外旋筋を鍛えるエクササイズ。肩が外旋すると胸が開きやすくなるので、後屈したときの腰の負担が減らせます。
HOW TO
1.両手と両肘にヨガブロック(横長で使用)を挟む。このポジションをとると、肩が自然に外旋する。
2.肩の外旋を保ったまま腕を上げていく。 ブロックを落とさないようにすることで、外旋筋がより鍛えられる。
3.肘をさらに高く持ち上げて胸を開く。この動きを疲れるまで繰り返し、最後に上げた状態で10秒キープ。3セット行う。
POINT:2つのブロックを同じ力で挟む。ブロックを落とさないようにすると同時に、左右均等の力で挟むことでバランスよく外旋筋が鍛えられる。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。UTLにてヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディーワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「 TAKT EIGHT」主宰。現在、「ヨガのための解剖学」連載中。
モデルを務めてくれたのは…伊藤ニーナさん
女性誌『GINGER』のスターオーディション・モデル部門でグランプリを受賞し、レギュラーモデルに。数々のイベントに出演する傍ら、乗馬検定5級を取得するなど運動神経の良さを生かして幅広く活躍中。
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