更年期、涼しくなっても「なぜかしんどい…」そんなときの過ごし方

更年期、涼しくなっても「なぜかしんどい…」そんなときの過ごし方
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高本玲代
高本玲代
2026-09-11

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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9月に入って少しずつ涼しくなってくると、「これで少し楽になるかな」と思う方も多いと思います。

夏はとにかく暑いので、外に出るのを控えていたり、買い物に行く回数が減っていたり、運動をやめていたり。寝る時間や起きる時間がいつもと違っていた、という方もいるでしょう。

だから、「今しんどいのは暑いから。涼しくなったらもう少し動けるようになる」と思って夏を過ごす。

ところが実際に涼しくなってみても、思ったほど変わらない。

そこで「涼しくなったのに、なんでまだしんどいんだろう」となります。

更年期の女性の相談に乗っていると、このあとに「このままずっとしんどいんでしょうか」と聞かれることがあります。

夏が終われば少し楽になると思っていたからこそ、変わらないことが余計に不安になるのだと思います。

そんなとき、私は「涼しくなったら楽になる」とはあまり考えなくてもいいのでは、とお話ししています。

涼しくなったことで、これまでできなかったことの中から「これなら少しできるかも」と思えることが出てくる。そのくらいに考えておくほうがいいと思っています。

涼しくなったら元に戻す、ではない

夏の間、生活がいつもと違っていた方は多いと思います。

暑いので出かけるのをやめた。散歩をしなくなった。料理が面倒で簡単なもので済ませることが増えた。夜遅くまで起きていて、朝起きる時間も遅くなった。

家族が夏休みで、自分の生活時間が変わっていた方もいるでしょう。

9月になると、そろそろ以前の生活に戻さなければと思います。

朝もいつもの時間に起きて、運動も再開して、家のこともちゃんとして、後回しになっていたことも片づける。

でも、私は全部を一度に戻すことはあまりおすすめしていません。

これまでたくさんの相談に乗ってきて、うまく生活を戻していく人を見ていると、最初にやっていることは意外なくらい小さいからです。

反対に、早く元に戻りたいと思って一気にいろいろ始めた方は、途中で続かなくなってしまうことがよくあります。

たとえば「9月になったから運動を再開しよう」と思って、以前やっていた運動をそのまま始める。

朝も早く起きようとする。

食事もちゃんとしようとする。

それに加えて、夏にできなかった家のことも片づける。

一つ一つを見ると、それほど大変なことには見えません。でも、それを同時に始めると結構大変です。

数日できても、そのあと続かなくなることがあります。

すると今度は、「やっぱりまだ無理なのかな」と思ってしまいます。

それなら、最初から一つでいいと思うのです。

一番困っていることから考えてみる

何を一つ選ぶのか。

私は「今、一番困っていることは何ですか?」というところから考えるようにしています。

ここで、やったほうがよさそうなことを選ばないのがポイントです。

運動したほうがいいとか、早く寝たほうがいいとか、食事を整えたほうがいいとか。そういう話はいくらでもあります。

でも、その人が今一番困っていることとは限りません。

まずは自分が今、何に一番困っているのかを考えます。

たとえば、夏の間ほとんど体を動かさなくなって、それが気になっているとします。

だったら、そこから何ならできるかを考えます。

ここでいきなり「毎日30分歩く」とはしません。

私は相談の中で、確実にできることを選ぶようにしています。

頑張ればできることではなく、確実にできることです。

この二つは結構違います。

30分歩くことも、頑張ればできるかもしれません。でも雨が降ったらどうするのか。忙しい日はどうするのか。あまり外に出たくない日はどうするのか。

できない理由がいくつも出てくるなら、最初にやることとしては少し大きいかもしれません。

もっと小さくします。

実際にやったのは「歯磨きのついで」

以前、体を動かすことを少しずつ始めたい方に、歯磨きのついでにかかと落としをすることを提案したことがあります。

わざわざ運動の時間を作るのではありません。

歯磨きは毎日するので、そのときについでにやります。

私は、こういうふうに「すでにやっていることにくっつける」方法をよくおすすめしています。

新しく何かを始めようとすると、意外と面倒だからです。

「夕方に運動しよう」と決めても、その時間に用事が入るかもしれません。夕食を作っているかもしれませんし、今日は疲れたから明日にしよう、となることもあります。

でも歯磨きなら、ほとんどの人が毎日しています。

そこに一つくっつけるだけなら、新しく時間を作らなくてもできます。

もちろん、歯磨きとかかと落としでなければいけないわけではありません。

朝お湯を沸かしている時間でもいいですし、お風呂に入る前でもいい。自分が毎日ほぼ必ずやっていることを探して、そこに一つくっつけます。

最初はそのくらいからでいいと思っています。

「そんなことで変わるんですか?」と思う方もいるかもしれません。

でも、最初の目的はたくさん運動することではありません。

まず「できた」を作ることです。

できなかったら、やることのほうを変える

何か一つ決めたら、私はどのくらいできたかを見てもらうようにしています。

毎日できたのか、一週間のうち半分くらいだったのか、ほとんどできなかったのか。

ここで「毎日できなかったから失敗」とは考えません。

むしろ、できなかった日のほうが多かったなら、選んだことが今の自分には少し大変だったのではないかと考えます。

これは結構大事だと思っています。

何かを始めて続かなかったとき、多くの方は自分のほうを問題にします。

「私は続かない」

「意志が弱い」

「またできなかった」

でも、そうではなくて、やろうと決めたことが大きすぎた可能性もあります。

だったら、もっと簡単にすればいい。

10分やると決めていたなら5分にしてもいいですし、それでも難しいならもっと短くしてもいい。

毎日できないなら、やるタイミングを変えてみてもいい。

別の習慣にくっつけたほうがやりやすいなら、そうしてもいいと思います。

自分を何とか決めたことに合わせようとするのではなく、決めたことを今の自分に合わせていきます。

「このくらいなら普通はできるでしょう」ではなく、「私は今、どのくらいならできるかな」で考えます。

うまくいく人ほど、最初に大きなことをしていない

これまで相談に乗ってきた中で、半年くらいたってから「以前よりずっと動けるようになりました」と話してくださる方は少なくありません。

そういう方が最初からたくさん動いていたかというと、そうではありません。

最初にやっていたのは、本当に小さなことです。

歯磨きのついでに少し体を動かすことだったり、生活の中で一つだけ時間を戻してみることだったりします。

それができると、「これならできた」という感覚が出てきます。

そうしたら、もう一つできそうなことを考える。

それもできるようになったら、また一つ増やす。

この繰り返しです。

本人にしてみれば、毎日はそれほど変わっている感じがしないこともあります。

でも、数か月たってから最初の頃と比べてみると、「あの頃はこれもできなかったんですよね」と気づくことがあります。

私は、この変化の仕方を何度も見てきました。

一気に以前の生活に戻そうとするより、自分が確実にできることから始めた方のほうが、結果として少しずつできることが増えていきます。

涼しくなった今、何ならできそうですか?

涼しくなれば楽になると思っていたのに、思ったほど変わらない。

そんなとき、「このままずっとしんどいのかな」と先のことまで考えてしまう気持ちはよくわかります。

ただ、9月になったからといって、急に夏前の生活に戻す必要はありません。

私は「涼しくなった=楽になる」と考えるより、

「涼しくなったから、今までできなかったことの中で何か一つできることはないかな」

と考えてみるのがおすすめです。

まず、自分が今一番困っていることを一つ考えてみてください。

そこから「何ができるか」を逆算します。

このとき、「ちょっと頑張ればできそう」ではなく、「これなら確実にできる」と思えるところまで小さくします。

そして、できれば毎日すでにやっていることにくっつけてみる。

しばらくやってみて、あまりできなかったら、もう少し簡単にする。

それくらいで十分です。

涼しくなったのにまだしんどいと感じているなら、「まだ元に戻っていない」と考えるのではなく、今の生活の中で一つだけできそうなことを探してみてください。

秋の始まりは、そこからでいいと思います。

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