夏は血圧が下がりすぎることも?〈医師が指摘〉立ち上がった瞬間のめまいを放置してはいけない理由
「夏は血圧が下がるから、高血圧の人には過ごしやすい季節」と思われがちです。しかし実際には、血圧が下がりすぎることで体調を崩す人も少なくありません。特に、「立ち上がった瞬間にクラッとする」「目の前が暗くなる」「ふらつく」といった症状は、夏に起こりやすい「起立性低血圧」のサインかもしれません。「暑さのせいだから大丈夫」と放置してしまうと、転倒や失神につながることもあります。今回は、夏に起こる低血圧や起立性低血圧について、医師がわかりやすく解説します。
夏はなぜ血圧が下がりやすいの?
私たちの体は、暑い環境では熱を逃がすために皮膚の血管を広げます。
血管が広がると血液が流れやすくなり、血圧は自然と低下します。
さらに夏は大量の汗をかくため、体内の水分が失われます。水分が不足すると血液量も減少し、血圧はさらに下がりやすくなります。
食欲低下による栄養不足や睡眠不足、暑さによる疲労も血圧低下を助長します。
つまり夏は、「血管が広がる」「脱水になる」「体力が低下する」という三つの要因が重なり、低血圧になりやすい季節なのです。
立ち上がった瞬間のめまいは起立性低血圧かもしれない
椅子やベッドから立ち上がった瞬間に、
☑︎ めまいがする
☑︎ 立ちくらみが起こる
☑︎ 目の前が暗くなる
☑︎ ふらついてしまう
このような症状がある場合は、起立性低血圧の可能性があります。
通常は立ち上がると、自律神経がすぐに血管を収縮させ、脳への血流を維持します。
しかし、この調節がうまくいかないと、一時的に脳へ送られる血液が減少し、めまいや立ちくらみが起こります。
夏は脱水や血管の拡張によって、この症状が起こりやすくなります。
高血圧の人や降圧薬を飲んでいる人も注意
「高血圧だから血圧が下がるくらいでちょうどいい」と考えるのは危険です。
実際には、高血圧で治療中の人ほど夏場は血圧が下がりすぎることがあります。
降圧薬は血圧を適切にコントロールするために必要ですが、夏場は気温の影響で普段以上に血圧が低くなることがあります。
その結果、
- 朝起きるのがつらい
- 立ちくらみが増えた
- 倦怠感が続く
- ふらつきやすくなった
といった症状が現れることがあります。
自己判断で薬を中止することは危険ですが、このような症状が続く場合は、主治医に相談し、血圧の変化を確認してもらうことが大切です。
高齢者は転倒や骨折につながることも
起立性低血圧で最も心配なのは転倒です。
高齢者では、立ちくらみによって転倒し、
・大腿骨骨折
・手首の骨折
・頭部外傷
などを起こすことがあります。
骨折をきっかけに寝たきりとなり、生活の質(QOL)が大きく低下するケースも少なくありません。
「少しふらつくだけだから」と軽く考えず、繰り返す場合は医療機関で相談しましょう。
こんな症状があれば受診を
次のような症状がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
めまいや立ちくらみを繰り返す
一度失神したことがある
動悸や胸痛を伴う
息切れがある
血圧が極端に低い状態が続く
心臓病や不整脈、貧血、内分泌疾患などが隠れていることもあるため、詳しい検査が必要になる場合があります。
夏の低血圧を防ぐポイント
低血圧を予防するためには、日頃の生活習慣が重要です。
✅ のどが渇く前からこまめに水分補給をする
✅ 大量に汗をかく場合は適度に塩分も補給する
✅ 朝は急に立ち上がらず、ゆっくり体を起こしてから立つ
✅ 長時間の立ちっぱなしを避ける
✅ 十分な睡眠と栄養を心がける
✅ 毎日同じ時間に血圧を測定する
高血圧で治療中の方は、家庭血圧を記録し、夏場の変化を主治医へ伝えることも大切です。
まとめ
夏は高血圧だけでなく、「血圧が下がりすぎること」にも注意が必要な季節です。
暑さによる血管の拡張や脱水によって、低血圧や起立性低血圧が起こりやすくなり、立ちくらみやめまい、転倒の原因になります。特に高齢者や、高血圧で降圧薬を服用している方は注意が必要です。
「夏だから仕方ない」と思わず、めまいやふらつきが続く場合は、一度血圧を測定し、必要に応じて主治医へ相談しましょう。早めの対応が、転倒や重い病気を防ぐことにつながります。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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