【医学博士が考案】椅子と壁を使って安全にできる!股関節を安定させる「アラベスク」ポーズ
股関節の専門家Dr. Jimmy こと、医学博士・宇都宮啓先生が提唱する、股関節のインナーマッスルを強化のための「HIP3」ワーク。そのエッセンスをさらに進化させた応用編「アラベスク」を、ご紹介します。今回はその応用編、ヨガの「飛行機のポーズ( 英雄のポーズ3のバリエーション)」の視点から紐解いていきましょう。(宇都宮啓先生のご著書『股関節の痛みと悩みが消える本 』(日東書院本社出版)p.104-105に「アラベスク」ポーズは掲載されています。)
バレエの立ち方の名称「アラベスク」
本来、アラベスク(片脚立ちで体幹を水平に保つポーズ)とは、バレエにおける立ち方の名前です。そのため、実践するには高いバランス能力が求められます。今回は「椅子」と「壁」というプロップス(補助具)を使うことで、アラベスクのポーズに安定性を加え、手軽に行う方法をお伝えします。
椅子と壁を使うことのメリット
バレエのアラベスクでは、脚を凱旋させながら後方へ伸ばしますが、今回は外旋をさせない、まっすぐ後方に伸ばす方法をお伝えします。ヨガにおける「飛行機のポーズ」というものになります。
・代償動作(ごまかし)を防ぎ、ターゲットに100%効かせられる
不慣れな人がバランスを取ることに必死になると、腰を反らせたり、骨盤が傾いたりといった「逃げ(代償動作)」が起きやすくなります。手で椅子や壁を支えることで、「骨盤を床と水平に保つ」「軸脚の股関節のインナーマッスルにしっかり効かせる」という本来の目的に集中できます。
・恐怖心がなくなり、インナーマッスルに意識を向けられる
「転倒するかもしれない」という緊張があると、身体の外側の大きな筋肉(アウターマッスル)がガチガチにこわばってしまいます。補助具を使うことで、身体を深部から支えるインナーマッスル(体幹や股関節奥の筋肉)をリラックスした状態で呼び覚ますことができます。
インナーマッスルが効率よく鍛えられる
このワークは、単なる筋トレではありません。股関節を安定させながら「脳と関節の連動性を高める」機能的トレーニングです。ヨガ的なアプローチと組み合わせることで、以下のような高い効果が期待できます。
① インナーマッスルの強化
宇都宮先生の理論の根幹である、大腿骨頭が骨盤の臼蓋(受け皿)にピタッとはまる状態(求心位)を維持する力が養われます。
その結果、臀部奥の「深層外旋六筋」や「小臀筋」・「中臀筋」が働き、軸脚側のヒップが安定。 歩行や階段昇降時に骨盤がグラつくのを防ぐこともできます。
② 骨盤・背骨を一直線に保つ「抗重力体幹」の強化
骨盤と背骨を一直線に保つことで、重力に抗う強力な体幹(コア)が作られます。(脚はまっすぐでなくても問題ありません)。その結果、骨盤を水平にキープしようとすることで、お腹をコルセットのように取り囲む「腹横筋」や、骨盤の底を支える「骨盤底筋群」が連動して働き、お腹の奥への刺激を与えることができます。さらに、背骨を長く伸ばす意識により、多裂筋などの背部のインナーマッスルが刺激され、腰痛予防にもなります。
③「軸脚の股関節」と「浮かせた脚の伸展」の左右分離運動
壁を蹴ることで、骨盤と浮かせている側の脚の安定性が得られ、不安なく伸ばすことができます。それと同時に、軸脚側はしっかりと自重を受け止めるため、左右の股関節が全く異なる役割(一方は支持、一方は伸展)を果たし、脳と身体のコーディネーション能力が向上します。続けるうちに、現代人に多い「腰を反らせて脚を後ろに引く」癖が修正できます。
④ 足裏のアーチ(固有受容覚)の活性化
片脚で完全に床を捉えるため、足裏のセンサー(固有受容覚)が刺激されます。これにより、足首や膝の位置感覚に敏感になり、下半身全体のゆがみの矯正につながります。
初心者でも簡単!椅子と壁を使ったアラベスク
①マットを敷き、壁を背にして立ち、体の前に椅子を用意します。座面は手前に向けましょう。
②両手を座面につき、上半身を前に倒し床と平行に保ちます。
③息を吐きながら右脚を後方へ伸ばし、壁に足裏をあてて安定させます。
④両手を椅子から離せそうなら、飛行機の翼のように手を両側に広げてみましょう。
⑤体幹と臀筋が働いている感覚をつかみながら、3〜8呼吸分ポーズをキープします。脚を入れ替えて反対側も同様に行いましょう。
応用バージョン
体幹の安定がキープできていれば、脚を伸ばしきらなくてもいいやり方があります。壁と椅子のサポートを得て、呼吸と安定に意識を集中させましょう。様々なバリエーションを試しながら行えば、毎日飽きずに続けることができます。
・軸脚、伸ばす脚ともに膝を曲げて行う。
・後ろ脚を曲げ、両手を椅子においたまま行う。
・片手だけ上げる。
ポイントは、深呼吸を続けることと、体幹を安定させてバランスをとり続けること。最初は1分を目指してチャレンジしてみてください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く













