【糖尿病の意外な事実】なぜ痩せ型の日本人ほど危ない?膵臓の機能が欧米人の半分しかないというリスク

【糖尿病の意外な事実】なぜ痩せ型の日本人ほど危ない?膵臓の機能が欧米人の半分しかないというリスク
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-05-24

「自分は太ってないから大丈夫」という油断は危険かもしれません。細身な日本人に糖尿病が見受けられがちな理由について、医師が詳しく解説します。

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「糖尿病=太っている人の病気」という誤解

糖尿病というと、「太っている人がなる病気」というイメージを持っている方は多いと思います。

確かに肥満は大きなリスクです。

ただ、日本人の糖尿病を診ていると、「そんなに太っていないのに糖尿病」というケースがかなり多いんです。

実際、外来でも、
「体型は普通なのに血糖値が高い」
「むしろ痩せているのに糖尿病だった」
という方は珍しくありません。

ここには、日本人特有の体質が大きく関係しています。

日本人は「インスリンを出す力」が弱い

血糖値を下げるために必要なのが、「インスリン」というホルモンです。これは膵臓から分泌されます。

食事をすると血糖値が上がりますが、インスリンが働くことで、血液中の糖が筋肉や臓器へ取り込まれ、血糖値が下がっていきます。

ところが、日本人は欧米人に比べて、このインスリンを出す力が弱いと言われています。
かなりざっくり言うと、「膵臓の余力が少ない」んです。

欧米人は、太ってインスリンが効きにくくなっても、大量にインスリンを出してある程度カバーできます。でも日本人は、そこまで大量に出せません。

欧米人
image/Adobe Stock

つまり、少しの負担でも膵臓が限界に近づきやすい。

これが、日本人に糖尿病が多い理由の一つです。

「そんなに太っていないから安心」が危ない

実際の診療でも、BMIがそれほど高くない方の糖尿病はかなり多いです。

例えば50代男性。見た目はむしろ細身。
「自分は太ってないから糖尿病は関係ないと思っていました」と話されていました。

ただ検査すると、HbA1cはかなり高値。すでに2型糖尿病が進行していました。

詳しく聞くと、
・デスクワーク中心
・運動不足
・甘い缶コーヒーを毎日数本
・夜遅い食事

という生活習慣がありました。

「太ってない=代謝が健康」ではないんです。

日本人は「内臓脂肪」がつきやすい

さらに日本人は、見た目以上に内臓脂肪がつきやすい傾向があります。
いわゆる「隠れ肥満」です。

体重は普通でも、内臓脂肪が増えるとインスリンが効きにくくなります。
これを、「インスリン抵抗性」と呼びます。
すると膵臓は、少ない力でさらに頑張らなければならなくなる。

結果として、血糖値が上がっていきます。

ケース①「健康診断ずっと正常だった」40代女性

印象的だったのは、40代女性のケースです。

ケース
photo/Adobe Stock

体型はかなりスリム。周囲からも「健康そう」と言われていたそうです。
ただ、健康診断で少しずつ血糖値が上昇。

本人も「まさか自分が」とかなり驚かれていました。

生活を聞くと、
・朝食抜き
・昼は菓子パン
・夜遅くにまとめ食い
・睡眠不足

という状態。

体重は増えていなくても、膵臓にはかなり負担がかかっていたと考えられます。

ケース②「細いから大丈夫」と思っていた60代男性

60代男性で、BMIは正常範囲。
本人も「痩せてるほうだから問題ない」と思っていたそうです。

ただ、実際には血糖値がかなり高く、糖尿病網膜症も進行していました。

もっと太っている人がなる病気だと思っていた」と話されていたのが印象的でした。

糖尿病は、“見た目だけでは分からない病気”なんです。

日本人の膵臓は「頑張り屋だけど余裕が少ない」

個人的には、日本人の膵臓って「頑張り屋だけどキャパが小さい」イメージがあります。

少し無理をすると、すぐ疲れてしまう

だから、欧米人ほど太っていなくても糖尿病になりやすいんです。

しかも、一度膵臓の機能が落ちると、完全に元通りにするのは簡単ではありません。

「痩せている安心感」が落とし穴になる

むしろ怖いのは、「自分は太ってないから大丈夫」という油断です。

その結果、
・健康診断を軽く見る
・食生活を見直さない
・運動不足を放置する

という流れになりやすい。

外来でも、「もっと早く気づいていれば…」というケースは少なくありません。

大事なのは「体重」だけではない

糖尿病リスクを見るときに、本当に重要なのは、

  • 食生活
  • 筋肉量
  • 内臓脂肪
  • 睡眠
  • 運動習慣

こういった“中身”です。

見た目が細いかどうかだけでは判断できません。

医師として伝えたいこと

日本人は、もともと糖尿病に対してあまり余裕のある体質ではありません。

だからこそ、「太ってないから平気」ではなく、
今の生活で膵臓に無理をさせていないか?」という視点が大切です。

糖尿病は、ある日突然始まる病気ではありません。
毎日の積み重ねが、少しずつ膵臓を疲れさせていきます。

だからこそ、症状がないうちから生活を整えることが、本当に大事なんです。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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