【糖尿病の意外な事実】なぜ痩せ型の日本人ほど危ない?膵臓の機能が欧米人の半分しかないというリスク
「自分は太ってないから大丈夫」という油断は危険かもしれません。細身な日本人に糖尿病が見受けられがちな理由について、医師が詳しく解説します。
「糖尿病=太っている人の病気」という誤解
糖尿病というと、「太っている人がなる病気」というイメージを持っている方は多いと思います。
確かに肥満は大きなリスクです。
ただ、日本人の糖尿病を診ていると、「そんなに太っていないのに糖尿病」というケースがかなり多いんです。
実際、外来でも、
「体型は普通なのに血糖値が高い」
「むしろ痩せているのに糖尿病だった」
という方は珍しくありません。
ここには、日本人特有の体質が大きく関係しています。
日本人は「インスリンを出す力」が弱い
血糖値を下げるために必要なのが、「インスリン」というホルモンです。これは膵臓から分泌されます。
食事をすると血糖値が上がりますが、インスリンが働くことで、血液中の糖が筋肉や臓器へ取り込まれ、血糖値が下がっていきます。
ところが、日本人は欧米人に比べて、このインスリンを出す力が弱いと言われています。
かなりざっくり言うと、「膵臓の余力が少ない」んです。
欧米人は、太ってインスリンが効きにくくなっても、大量にインスリンを出してある程度カバーできます。でも日本人は、そこまで大量に出せません。
つまり、少しの負担でも膵臓が限界に近づきやすい。
これが、日本人に糖尿病が多い理由の一つです。
「そんなに太っていないから安心」が危ない
実際の診療でも、BMIがそれほど高くない方の糖尿病はかなり多いです。
例えば50代男性。見た目はむしろ細身。
「自分は太ってないから糖尿病は関係ないと思っていました」と話されていました。
ただ検査すると、HbA1cはかなり高値。すでに2型糖尿病が進行していました。
詳しく聞くと、
・デスクワーク中心
・運動不足
・甘い缶コーヒーを毎日数本
・夜遅い食事
という生活習慣がありました。
「太ってない=代謝が健康」ではないんです。
日本人は「内臓脂肪」がつきやすい
さらに日本人は、見た目以上に内臓脂肪がつきやすい傾向があります。
いわゆる「隠れ肥満」です。
体重は普通でも、内臓脂肪が増えるとインスリンが効きにくくなります。
これを、「インスリン抵抗性」と呼びます。
すると膵臓は、少ない力でさらに頑張らなければならなくなる。
結果として、血糖値が上がっていきます。
ケース①「健康診断ずっと正常だった」40代女性
印象的だったのは、40代女性のケースです。
体型はかなりスリム。周囲からも「健康そう」と言われていたそうです。
ただ、健康診断で少しずつ血糖値が上昇。
本人も「まさか自分が」とかなり驚かれていました。
生活を聞くと、
・朝食抜き
・昼は菓子パン
・夜遅くにまとめ食い
・睡眠不足
という状態。
体重は増えていなくても、膵臓にはかなり負担がかかっていたと考えられます。
ケース②「細いから大丈夫」と思っていた60代男性
60代男性で、BMIは正常範囲。
本人も「痩せてるほうだから問題ない」と思っていたそうです。
ただ、実際には血糖値がかなり高く、糖尿病網膜症も進行していました。
「もっと太っている人がなる病気だと思っていた」と話されていたのが印象的でした。
糖尿病は、“見た目だけでは分からない病気”なんです。
日本人の膵臓は「頑張り屋だけど余裕が少ない」
個人的には、日本人の膵臓って「頑張り屋だけどキャパが小さい」イメージがあります。
少し無理をすると、すぐ疲れてしまう。
だから、欧米人ほど太っていなくても糖尿病になりやすいんです。
しかも、一度膵臓の機能が落ちると、完全に元通りにするのは簡単ではありません。
「痩せている安心感」が落とし穴になる
むしろ怖いのは、「自分は太ってないから大丈夫」という油断です。
その結果、
・健康診断を軽く見る
・食生活を見直さない
・運動不足を放置する
という流れになりやすい。
外来でも、「もっと早く気づいていれば…」というケースは少なくありません。
大事なのは「体重」だけではない
糖尿病リスクを見るときに、本当に重要なのは、
- 食生活
- 筋肉量
- 内臓脂肪
- 睡眠
- 運動習慣
こういった“中身”です。
見た目が細いかどうかだけでは判断できません。
医師として伝えたいこと
日本人は、もともと糖尿病に対してあまり余裕のある体質ではありません。
だからこそ、「太ってないから平気」ではなく、
「今の生活で膵臓に無理をさせていないか?」という視点が大切です。
糖尿病は、ある日突然始まる病気ではありません。
毎日の積み重ねが、少しずつ膵臓を疲れさせていきます。
だからこそ、症状がないうちから生活を整えることが、本当に大事なんです。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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