「なんとなく不調」の正体は、脳のスタンバイ状態だった!春の疲労を“最適化”に変えるヒント【精神科医が解説】

「なんとなく不調」の正体は、脳のスタンバイ状態だった!春の疲労を“最適化”に変えるヒント【精神科医が解説】
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精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

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暖かい日が少しずつ増えてきて、街の空気にもどこか「新しい季節」の気配が漂い始める頃。新生活の話題や、環境の変化のニュースも増えてきます。そんな中で、ふとこんな感覚を覚えることはありませんか。

・朝起きたとき、理由はないのに少し体が重い
・新しい季節のことを考えると、どこか落ち着かない
・大きな出来事はないのに、なぜか疲れが抜けない

こんな、周りは前向きな空気なのに、自分だけ取り残されているような感覚。「こんな時期にシャキッとできないなんて、自分だけ大丈夫かな」と心配になる人もいるかもしれませんね。でも不安になる必要はありません。その疲れには、あなたの心と体が一生懸命に働いている「証拠」が隠されています。

【未知への不安】「変化の予感」を敏感に感じ取っているから

私たちの脳は、本来「未知のこと」に対してとても繊細です。春という大きな変化を前に、脳は無意識のうちに「新しい環境でどう在ればいいか..?」そんな静かなシミュレーションを、心の奥底で繰り返しています。このようにまだ現実には何も起きていなくても、脳は未来の変化に備えて、静かに準備を続けています。その「静かな活動」が、知らず知らずのうちに、あなたの内なるエネルギーを消費しているんですね。

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【心身の揺らぎ】環境の変化によって「自律神経が乱れやすくなる」から

3月から4月にかけては寒暖差が大きく、日照時間の変化も急激になりますよね。こうした環境の変化に対応するために、私たちの体では自律神経が活発に働いています。自律神経は、体温の調整や血流、内臓の働きなどを無意識のうちにコントロールしているいわば、体の司令塔です。しかし、春特有の大きな変化が重なると、この司令塔である自律神経のバランスが崩れやすくなります。結果、だるさや疲労感、気分の落ち着かなさといった不調として現れることがあるんですね。

春特有の「理由ははっきりしないけれど、なんとなく疲れている..」その原因は、環境の変化に適応しようとして自律神経が働き続けているサインとも言えるでしょう。

【心のスタンバイ】スタートラインに立つ前の、「静かな高鳴り」

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最後にもう一つ、精神的な側面としての「スタンバイ状態」があります。この状態は、長距離ランナーがスタートラインに立ち、号砲を待つ瞬間に少し似ているんですね。ランナーはまだ一歩も踏み出していませんが、心拍数は上がり、体はすでにエネルギーを使い始めている。まさにいつでも飛び出せるように、全身が「準備」をしているんです。新しい季節を前にしたあなたの心も、これと同じ状態にあります。 

そして「これから始まる何か」に対して、心身を最適化しようと内側で静かに、けれど力強く準備を進めている。だからこそ、実際にはまだ走っていない段階で、すでに「疲労」や「焦り」を感じることがあるのです。

あなたのリズムで、少しずつ整えていく

もし今、少しペースが落ちているように感じても、「遅れている」と思わなくて大丈夫です。今は、次の季節に向かう途中の時間。あなたの心と体は、自分なりのリズムで整えようとしている最中です。そしてもし「なぜか疲れているな」と感じたら、今日は数分だけでいいので、外に出て太陽の光を浴びてみてください。

もし外に出るのが億劫なら、窓際で日差しを感じるだけでも十分です。太陽の光は体内時計を整え、自律神経のリズムを調整する働きがあるといわれています。焦らなくても大丈夫。あなたの心と体は次の季節に合わせて、今この瞬間も少しずつ整っています。

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