【効果的にエクササイズ「ヒップリフト」をしたい】余計な筋肉を力ませずにお尻を持ち上げるイメージ術

【効果的にエクササイズ「ヒップリフト」をしたい】余計な筋肉を力ませずにお尻を持ち上げるイメージ術
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気付かないほどわずかながらも力んでいることが習慣となり、それが体に様々な影響を及ぼすことがあります。このコラムでは効率的かつ機能的に体を動かす方法を探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、筋トレや日常的な動作におけるお悩みを解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の動かし方を変える方法を提案します。63回目のテーマは「ヒップリフト」です。

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ヒップリフトの効果とよくある悩み

仰向けで膝を立てた体勢からお尻を持ち上げるエクササイズ、ヒップリフト。主にお尻の筋肉の中で最も大きな大臀筋やもも裏の筋肉であるハムストリングを鍛えられるので、お尻のシェイプアップに効果的といわれています。またお尻を持ち上げる動作に付随して、腹筋や脊柱起立筋なども使われるため、体幹の強化や腰痛の予防にも役立ちます。

このように様々な効果が期待できて手軽に行えるヒップリフトですが、お尻を持ち上げることに固執しすぎて、腰が痛くなるという話をよく耳にします。それ以外にも、前ももや膝がつらくなって長続きしないといったこともあるようです。

ヒップリフトで腰や前ももに負担がかかる仕組み

ヒップリフトを行うとき、「お尻をしっかり持ち上げよう」「膝から肩までを一直線に保とう」というように、理想の形を目指してがんばろうとしがちです。しかしながらそのようにお尻を持ち上げることを意識しすぎると、お尻を持ち上げる動作に入る以前に、背中やお尻、前ももなどの筋肉に必要以上の力が入ってしまいます。「足がお尻に近づきすぎないように」「膝が内に入らないように」などの注意事項はケガの予防のためにも大切です。その一方で、忠実に行おうとするあまりに動きの邪魔となることもあります。そんな状態でやみくもに持ち上げようとすれば、腰が必要以上に反ったり、前ももの筋肉を余計に働かせたりすることになるわけです。

ヒップリフトをはじめとした筋トレでは、鍛えたい筋肉が必要なときに必要な分だけ働いてくれることで、効果が現れるものだと考えます。それ以外の筋肉までエクササイズに参加してしまうことによって、本来の効果が発揮できず、ましては余計に負担になってしまうのではもったいないでしょう。

余計な力を入れずにヒップリフトをするためのアイデア

そこでお尻を持ち上げようする代わりに、どのように体が動けばお尻が持ち上がるのかを思い描くことをお勧めします。

1. 頭の存在を意識しながら仰向けになる
習慣的な力みは仰向けになるときから始まっています。仰向けになる際、自分の体のどこに頭があるのかを思い出すなどをしながら寝転がってみてください。頭の存在を意識して動くだけで、それまでに入っていた習慣的な力みを手放すことができます。

頭の存在を意識しながら仰向けになる
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2. 脊椎は頭頂部の方に伸びていくと思う
仰向けになったら、脊椎は脊椎の先にある頭、そのてっぺんである頭頂部の方向へ向かって伸びていくようなイメージをします。

脊椎は頭頂部の方に伸びていくと思う
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3. 膝は頭とは反対の方向へスライドすると思いながらお尻を上げる
そして膝は頭とは反対の方向に向かってスライドするように動くイメージをします。
膝が前へスライドした結果としてお尻が持ち上がると思うと、よりスムーズにヒップリフトできることでしょう。

膝は頭とは反対の方向へスライドすると思いながらお尻を上げる
イラストAC

 

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