深く息が吸えない人は"肋骨が固まっている"。姿勢が変わり呼吸がラクになる"肋骨ほぐし"
息を深く吸えない、すぐに息切れする…そんな悩みはありませんか?実は、その原因は肋骨周辺の筋肉が硬くなり、肋骨の動きが制限されていることにあるかもしれません。猫背などの悪姿勢が続くと、肋間筋や横隔膜が硬くなり、胸郭の可動域が狭くなって呼吸が浅くなります。今回は、肋骨をほぐして姿勢を改善し、呼吸が自然と深まる「肋骨ほぐし」をご紹介します。
肋骨が固まると深く息が吸えなくなる理由
肋骨が固まると深く息が吸えなくなる主な理由は、胸郭の可動域の制限にあります。呼吸は、横隔膜の上下運動と肋骨の前後左右への拡張によって行われます。息を吸うとき、横隔膜は下に下がり、肋骨の間にある肋間筋が収縮して肋骨を持ち上げ、胸郭が広がることで肺が膨らみます。しかし、デスクワークや猫背などの悪姿勢が続くと、肋間筋や横隔膜が硬くなり、肋骨の動きが制限されてしまいます。その結果、胸郭が十分に広がらず、肺が大きく膨らめないため、深く息を吸うことができなくなり、浅い呼吸が習慣化してしまうのです。
肋骨をほぐして胸郭を広げることで期待できる効果
肋骨をほぐして胸郭の可動域を広げると、一回の換気量が増え、深い呼吸ができるようになります。肋間筋や横隔膜の柔軟性が回復することで、肋骨がスムーズに動き、肺が十分に膨らむようになります。その結果、体内に取り込める酸素量が増え、全身の細胞に十分な酸素が供給されるため、疲労感が軽減されます。また、深い呼吸は副交感神経を刺激し、自律神経のバランスを整える効果もあります。さらに、胸郭が広がると背筋が自然と伸び、猫背が改善されて姿勢が良くなり、肩こりや首の痛みも軽減されていきます。
「肋骨ほぐし」のやり方
1. 椅子に座り、背筋を伸ばします。両手を脇の下あたり(肋骨の上部)に当て、親指以外の4本の指で肋骨の間をゆっくり押しながら、円を描くようにほぐしていきます。肋間筋の緊張をほぐすイメージで、痛気持ちいい程度の強さで行いましょう。
2. 次に、両腕を頭の上に伸ばし、右手で左手首をつかみます。息を吐きながら上半身を右側にゆっくり倒し、左の肋骨を大きく伸ばします。このとき、肋骨が引き上げられ、肋間筋が伸びる感覚を意識してください。20秒キープします。
3. ゆっくり元の位置に戻り、反対側も同様に行います。最後に、鼻からゆっくり息を吸いながら胸を大きく広げ、肋骨が持ち上がる感覚を確認します。口から長く息を吐き切ります。この深呼吸を3回繰り返すことで、肋骨の可動域が広がり、呼吸が楽になります。
効果を出すポイント
肋骨の間を押すときは、力を入れすぎず優しくほぐすことが大切です。体を倒すときは、肋骨が引き上げられる感覚を意識しましょう。朝起きた時や長時間のデスクワークの後に行うと効果的です。毎日続けることで、胸郭の可動域が広がり、深い呼吸と美しい姿勢が手に入ります。
浅い呼吸は、肋骨周辺の筋肉の硬さが原因かもしれません。この肋骨ほぐしで胸郭の可動域を広げ、深い呼吸と美しい姿勢を取り戻しましょう。ぜひ今日から始めてみてください。
記事監修/本田雄介
体ガチガチのアラフォーヨガ初心者から、ヨガインストラクターを目指してインドでRYT200〜500修了。早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業後、アパレル業界で就職するも、40歳を前に「自分らしさとは?」「人生の意義とは?」と考え始める。ヨガのもつ効果や精神性にも惹かれて転身を決意。インドで資格取得後、大手ヨガスクールでインストラクター養成講師を務め、2025年からフリーランスに。Instagram:@honhon180
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