ストレスを抱えやすい人に|全身の調和と気の流れを整える脇腹の重要ツボ“大包”の押し方ガイド
大包(だいほう・たいほう)のツボは、足の太陰脾経(そくのたいいんひけい)のツボ。東洋医学において全身の調和と気の流れを統括する非常に重要なツボで脾の大絡(ひのだいらく)とも呼ばれ、全身の絡脈(気血の通り道)を包み込み、統括する役割があります。
東洋医学におけるツボとは?
「ツボ」とは、東洋医学において、病気の予防や治療に効果があるとされる体表面の特定の部位のことで、正式には「経穴(けいけつ)」と呼ばれます。ツボを理解する上で、以下の2つの概念が基本となります。
経絡(けいらく):体内に張り巡らされている、生命エネルギー「気(き)」や血液「血(けつ)」が巡る通路のこと。内臓と体の表面をつなぐ情報ネットワークのようなものです。
ツボ(経穴):この経絡上に点在し、「気や血が出入りする場所」「経絡が交わる重要なポイント」と考えられています。
体の不調はツボに痛みや硬さ、冷えなどの形で現れるとされ、刺激することで経絡の流れが整い、内臓や全身のバランスが改善すると考えられています。
今回は、ストレス解消にも役立つツボのひとつ「大包(だいほう・たいほう)」をご紹介します。大包をケアすることで、思い悩みが軽くなり、気持ちも明るく整います。
大包について
▪️名前の由来:「大」は広く包み込む、「包」は統合を意味し、「全身の気のネットワークをまとめる中心点」とされています。バラバラになった心身の調和を取り戻す役割を持ちます。
▪️足の太陰脾経(あしのたいいんひけい):消化器系や血液循環、全身の安定に関わる重要な経絡。食べたものからエネルギーをつくり、それを全身に行き渡らせる働きを担っています。脾経は「思(し)」=考えすぎ・心配しすぎなどの感情とも深く関係しています。
▪️ツボの位置:
場所:側胸部(脇腹)
脇のくぼみ(腋の中央)からまっすぐ下に指6本分下がった、第6肋骨と第7肋骨の間(第6肋間)にあります。腕を自然に下ろしたときの中腋窩線上で、押して痛みを感じるところが目安です。
古武道でも「急所」として知られるほど反応の強いポイントで、しっかり効果を感じられるツボです。
主な効果・効能
- 全身のバランスを整える
- 疲労回復・倦怠感の改善
- 精神的な安定(グラウンディング)
- 呼吸の浅さ・胸の圧迫感・胸脇部痛の改善
- 喘息や咳など呼吸器のサポート
- 四肢のしびれ・だるさの緩和
- 肋間神経痛、むくみの改善
探し方
- 脇のくぼみから、肋骨の丸みに沿って指を下へ滑らせます。
- 肋骨の間に指が触れる場所を探します。
- 第6肋骨と第7肋骨の間(第6肋間)が大包の位置。バストトップのやや上が目安です。
押すときのポイント
大包は肋骨の間にあるため、強く押し込みすぎないようにしましょう。呼吸に合わせて、息を吸うときに軽く圧をかけ、吐くときに力を緩めると効果的です。軽くさするように押したり、円を描くようにマッサージ、指先で軽くトントンとタッピングするのもおすすめです。
注意事項
次のような場合は避けてください:
食後30分~1時間以内、飲酒後、高熱時、皮膚に異常があるとき。
心臓病やがんなどの持病がある場合は、必ず主治医に相談を。
妊娠中も自己判断せず、医師または鍼灸師に相談しましょう。
※この記事は一般的な健康情報であり、治療を目的とするものではありません。体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
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