動脈硬化を進める!?“見逃しがちな習慣”5つ|医師が解説
「動脈硬化」と名前だけ聞くと、どこか年配の人の病気のように思うかもしれません。でも実は、30代、40代でもすでに静かに進んでいることがあるんです。動脈硬化を進めてしまう習慣について医師が解説します。
動脈硬化とは
そもそも動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールや脂肪がたまり、血管の壁が厚く硬くなってしまう状態を指します。
血管は本来、ゴムのようにしなやかで、血液をスムーズに流すために伸び縮みしています。
ところが、動脈硬化が進むとその弾力を失い、血液の流れが悪くなり、最終的には詰まってしまうこともあります。
怖いのは、初期段階ではまったく自覚症状がないこと。
気づいたときには、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気につながっていた、というケースも少なくありません。
多くの人が、「食生活に気をつけている」「健康診断も受けているから大丈夫」と思いがちですが、実際には“見逃しがちな生活習慣”が血管をじわじわと傷つけていることがあります。
動脈硬化を進める“見逃しがちな習慣”5つ
① 朝ごはんを抜く
時間がない、食欲がない、ダイエット中・・・そんな理由で朝食を抜く人は意外と多いですよね。
でも、朝食をとらないと血糖値が乱れやすくなり、体が「エネルギー不足」を補うために脂肪をため込みやすくなります。
さらに、空腹の時間が長いことで、血糖値が急上昇しやすくなり、血管に負担がかかります。
小さなおにぎりやヨーグルトでもいいので、“何かを口にする”ことを習慣にするだけで血管へのダメージは減ります。
② 夜遅くの食事
仕事が忙しいと、つい夜10時、11時に晩ごはんという人もいるでしょう。
ところがこの“遅い夕食”、動脈硬化にはかなりの悪影響を与えます。
夜は代謝が落ちる時間帯。
そんなときに脂っこい食事をとると、中性脂肪が分解されずに血液中に残ってしまい、血管の壁を傷つけてしまうのです。
できる限り就寝の3時間前までには食事を済ませ、遅くなる場合は軽めにするのが理想です。
③ 軽いストレスを放置する
「たいしたことないし」「我慢すればいいや」と思っているストレス。
実はそれこそが、血管をじわじわと老けさせる要因です。
ストレスを感じると、自律神経が乱れ、血管が収縮。
血流が悪くなることで血圧が上がり、動脈の内側が傷つきやすくなります。
深呼吸をする、短い休憩をとる、寝る前にスマホを見ない——こうした小さな習慣でも、血管を守る効果があります。
④ タバコは1日数本だけ
「チェーンスモーカーじゃないから大丈夫」と思っている人も多いですが、残念ながら“数本でも有害”です。
タバコの煙に含まれる一酸化炭素やニコチンは、血管の内皮細胞を直接傷つけます。
しかも、喫煙によって血液がドロドロになり、酸素が届きにくくなるため、血管は常にストレス状態。
やめるのは簡単ではありませんが、少しずつ本数を減らすだけでも血管の状態は確実に変わります。
⑤ “疲れたから今日は動かない”が続く
運動不足も動脈硬化の大敵です。
長時間座りっぱなしでいると、血流が滞り、血液中の脂肪がうまく代謝されません。
「仕事が忙しい」「運動する時間がない」と感じる人も、エレベーターではなく階段を使う、駅で一駅分だけ歩くなど、ちょっとした工夫でOK。
体を動かすことが、血管をしなやかに保つ“最良の薬”になります。
まとめ
動脈硬化は、ある日突然やってくるものではありません。
毎日の小さな「ちょっとくらい」「このくらいなら大丈夫」が積み重なって、気づかないうちに血管を蝕んでいくのです。
逆に言えば、今日からの小さな選択で、血管の未来は変えられます。
朝食をとる、夜更かしを控える、深呼吸をする、少し歩く——どれも難しいことではありません。
血管は、いたわれば応えてくれる臓器です。
しなやかな血管を保てば、体全体の若さや元気も自然とついてきます。
「健康診断の数値が悪くなってから」ではなく、「不調が出る前」に気づくこと。
それこそが、動脈硬化を防ぐ一番の近道です。
今日のあなたの“ちょっとした習慣”が、10年後の血管の健康を決めます。
血管をいたわる生活、今から始めてみませんか。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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