ストレスが多い人=動脈硬化になりやすい?予防するための食事のポイントは|管理栄養士が解説

ストレスが多い人=動脈硬化になりやすい?予防するための食事のポイントは|管理栄養士が解説
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食生活が乱れることでなりやすいといわれている動脈硬化ですが、体に強いストレスがかかった状態が続いても引き起こしやすいってご存じでしょうか。とくに春は、寒暖差や環境の変化によって普段よりもストレスを感じやすい時期です。今回は、ストレスと動脈硬化の関係、予防するための食事のポイントについて解説します。

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動脈硬化はどうして起こるの?

血管は、私たちの体の中で糖分や酸素など生命活動に必要なものを取り込んで全身に運び、体内の老廃物などを運び出す道路のような働きを担っています。動脈硬化とは、動脈の内膜にコレステロールなどの脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなったり、血管壁が硬くもろくなったりする状態を指します。これにより血流が妨げられ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。動脈の内皮細胞が傷つくと、血中のLDL(悪玉)コレステロールが血管壁に浸み込み、酸化されていきます。これを排除しようとするマクロファージが集まり、泡沫細胞と呼ばれる物質が蓄積してプラークを形成し、血管が狭くなっていきます。

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ストレスと動脈硬化の関係

ストレスには、感情的な興奮、心理的な重圧や不安、重労働などの肉体的な負担、急激な気温や気圧の変化、天災や事故など色々な原因が考えられます。ストレスを感じる要因は様々ですが、精神的に緊張を強いられた状態が続くと、血圧や血糖値が上がり、血管に負担がかかります。また、ストレスによって交感神経が活性化し、ホルモンバランスが乱れることが動脈硬化の一因になると考えられています。このような状態が持続してしまうと、動脈硬化が進行してしまうことに。また、ストレスを強く感じる生活が長引くと、暴飲暴食、不眠などの症状が現れたりと、どんどん不健康な状態に陥ってしまい、病気を近づけてしまいます。ストレスにさらされたときの反応は人それぞれですが、真面目で責任感が強い人ほど、自分の気持ちを後回しにしがちで、ストレスをためやすい傾向があります。誰にでもストレスはかかるものなので、自分なりのリフレッシュ法を見つけることが大切です。

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動脈硬化を予防する食事のポイント

脂肪・コレステロールの多い食品を控える

牛肉、豚肉のバラ肉、ロース肉には脂肪が多く含まれています。脂質の高い部位は避けるようにして、ヒレやモモを選ぶようにしましょう。鶏肉は皮を取り除いて調理します。胸肉やささみが高たんぱくでヘルシーです。

抗酸化作用のある食品を摂る

抗酸化作用のある食品は、コレステロールの酸化を抑える効果が期待できます。β‐カロテン、ビタミンC、ビタミンEを含む食品を積極的に摂りましょう。色の濃いかぼちゃ、人参、ブロッコリー、ほうれんそうなどの緑黄色野菜は、食物繊維も豊富です。

良質なたんぱく質を摂る

カレイ、タラなどの白身魚は良質なたんぱく質を手軽に摂ることができます。また、青魚には血中中性脂肪値を下げる働きがある不飽和脂肪酸が含まれています。大豆製品は植物性たんぱく質が豊富で、動物性脂肪の代わりに取り入れることで、血中コレステロールの改善が期待できる食品です。

塩分の摂り方に注意する

血圧が高いほど、血管や心臓に負担をかけることになってしまいます。動脈硬化だけでなく、脳卒中や心筋梗塞といった病気に繋がりかねません。日頃から濃い味付けのものは避けるように習慣をつけましょう。だしや香辛料、酸味を効かせて塩分を減らすようにしましょう。

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まとめ

ストレスと動脈硬化の関係、予防するための食事ポイントについてご紹介しました。日常は様々なストレスであふれています。食事で予防するだけでなく、生活の中で上手にストレスを発散させる方法を見つけてみてくださいね。

参考文献:
知っておきたい循環器病あれこれ/循環器病研究復興財団
あたらしい栄養学/高橋書店

ライター/やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

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