手首や手指の痛み、腱鞘炎の予防や不調の緩和のためのヒント

手首や手指の痛み、腱鞘炎の予防や不調の緩和のためのヒント
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仁平美香
仁平美香
2025-10-03

ヨガ講師やセラピストとしての仕事柄、手も手指も使います。手首・手指に負荷のかかりすぎないように注意するとともに、日々セルフケアをすることを心がけています。今日は普段私が時々行っているセルフケアを紹介しますので、一緒にゆるめてしなやかな手首・手指を作っていきましょう。

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腱鞘炎かな?と思ったら

腱鞘炎は、重いものを運ぶ、キーボードを長時間打つ、楽器の演奏、お子さんをだっこするなど、手首や指の関節を酷使した結果、痛みやだるさなどを感じる症状です。
無理をして進行すると手指にとどまらず、ひじや腕全体に痛みが広がる場合も。痛みを我慢して使い続け、休ませないと痛みが長引くやっかいな症状です。

ヨガの練習やトレーニング等、手をつくと痛みは走るような場合は、そういった動きはできるだけ避けてしっかり休ませた方が治りは早くなります。冷えから手指を痛める場合もあり、むくみが強い方も腱鞘炎が出やすいので、適度な運動、入浴などは予防や緩和に良い場合もありますが、痛みが強く熱を持っている場合は炎症しているので入浴も控え、痛みが続く場合は病院などで一度みてもらうのが安心です。

今日は、腱鞘炎の予防や、軽い痛みや疲れを感じたときにできるセルフケアを紹介していきます。

腱鞘炎のためのセルフケア

肩を回し、指から前腕まで皮膚をつまんでゆらす
親指から箇所から前腕(ひじまで)にかけて1㎝ごとに皮膚をつまんで30秒程待ち、その後小さくゆらす。を繰り返します。

※つまむと痛みが増すような場合はその箇所を避けて、痛む位置のすぐ横をつまみ、痛む箇所にむかって少し皮膚をよせるようにしてみましょう。

2つの経絡にアプローチ

腱鞘炎があるときは肺・大腸の経絡と心包経・三焦経の経絡にアプローチしていきます。

※痛みがある患部を直接もんだりはしないでください。

1 まずは親指から腕の付け根にかけてなであげていきます。

2 次に人差し指から首すじにかけてなであげます。親指と人差し指の指先を付けで輪っかをつくり、立った状態で前屈をしていき、両腕を背面側から上に痛みのない範囲であげていきます。手指に痛みがなく予防のために行う場合は親指や人差し指をよくもむのもおすすめです。

3 前腕から肩までを腕の内側と外側両方やさしく反対側の手で擦る。手指に痛みがなく予防のために行う場合は反対側の指で腕全体(前面背面の両方)をまんべんなくもみます。

肩や背中をゆるめる

肩から背中の硬さが手指に影響している場合もあります。肩と背骨を動かしてゆるめましょう。

1 わきの下の一番背面側と肩甲骨の間を反対側の手の痛みのない指でつかみ、腕を大きく前に5回程回す、その後後ろ回しも5回程行う。反対の腕も同様に。

2 両手を首の前でクロスして、首の付け根と肩先の中央で筋肉が一番盛り上がったところを反対の手の中指で痛くない気持ちよい範囲の圧で指圧します。(手指が痛む場合は指圧ははぶいてこすって温めるだけでもOK)

3 息を吐きながらへそから指3~4本分上を後ろに引き背中をまるめ、吸う息で同じ位置を前に突き出して胸を開くをゆっくり5~10呼吸繰り返す
 

更年期、産後などは特に気を付けて

だっこや授乳の際に赤ちゃんの身体を支える際、親指を無理に広げて頭を支えたり、手首を反らせた状態や屈曲した状態で手のひらで支えてしまうと手首、手指への負荷が大きくなります。

赤ちゃん抱っこ
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手首がぐーんと伸びていたり、無理に曲げている状態でだっこする形にならないように気を付けて、手指や手首だけで支えず、前腕も使って支えるようにしてみましょう。産後はホルモンのバランスが大きく変化していて、ホルモンの影響で腱鞘を収縮させる働きもあり、手首、手指のしなやかさを保つのが難しい時期です。産後は6カ月ほどかけて骨盤周辺、内臓、血管や神経など身体が徐々に回復していきます。腹筋も働き辛いので、手首への負担も大きくなりがち。産後も徐々に練習はしていけますが、通常の練習は関節や腱鞘にも負荷が高すぎますので、2~3か月は関節への負荷をかなり下げて行う必要がありますし、4~5か月もまだ回復途中の時期と認識して、時期に応じて徐々に運動量を戻していく必要があります。もちろん痛みがあるときは安静に。

更年期の時期は、エストロゲンの低下で腱や腱鞘の柔軟性や弾力性が落ち、身体がこわばりやすくなっています。
ヨガの練習の際、いままで問題なくできたポーズも、身体をほぐす準備のためのプレワークをしっかり行い、ホールド時間を短くするなど、ライフステージに合わせていく必要が出てきます。

もちろん何歳でも運動する習慣がない方や、筋力、柔軟性に自信がない方、デスクワークなどで同じ姿勢になっていたり、肩や背中にコリを感じる方は、肩を回したり、手指を伸ばすようなセルフケアをしっかりおこない、ホールド時間の調整をして快適に練習していきましょう。

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