産後、手首に違和感が続いている人へ|手首を守る「だっこ」のコツと腱鞘炎予防のためのセルフケア
「産後、手首に違和感が続いている」「痛みがあってだっこをしたり、手をつくことがつらい」産後、このような不調はありませんか?今回はわたしが『産後ママのためのメンテナンスヨガ』など産前産後のヨガ指導の際にお伝えしている、手首を守るだっこやセルフケアについて紹介していきます。セルフケアは、産後女性だけでなく、妊娠期などホルモンバランスがとりにく時期や、男女ともに長時間のパソコン作業や楽器の演奏など、手をよく使う方もぜひ実践してみてください。
産後は、ホルモンの影響と、身体が十分に回復していない中での育児で、肩や腰、手首など全身に不調が出やすいとき。特にだっこや林浴などで手を酷使して、手に違和感がでたり、腱鞘炎を起こしてしまいやすい時期です。特に初産の場合は慣れない育児のスタートで、抱っこの際などに、指や手首に必要以上に力がはいってしまい、痛めてしまいやすくなります。
抱っこの際には手首を屈曲しすぎない
以前こちらの連載コラムで、ヨガのポーズの際に、伸展(背屈)での身体の支持に気を付けましょうとお伝えしましたが、産後、育児の場面では、更に手首を強く屈曲した(掌屈)状態での負荷で痛めやすくなる場面が増えてきます。
手首を屈曲した状態で、一生懸命赤ちゃんのおしりや頭を支えようとしてしまったり、手のひらのあたりで重さを支えようとするのも、手首周辺への負担が増します。負荷を軽減するために、まずは前腕で赤ちゃんの重さを支えるようにし、手は添えるだけの感覚でだっこすると、手首への負担が軽減できます。
赤ちゃんをだっこする際には、意識を赤ちゃんに向けるだけでなく、ご自身の手首が屈曲しすぎていないか、重さを支えている中心は、手ではなく腕かを確認してみましょう。
手首に違和感があるときのセルフケア
セルフケア1
今回は手や手首に違和感があるときに試してほしいゆるめるセルフケアをいくつか紹介します。
やり方:
1,手のひらの親指の付け根からの手首までの皮膚をつまんで、ゆったり5呼吸程待ち、そのあと小さくゆらす(つまんだ皮膚をスライドさせるように数㎜動かす)
2,次に手首の背面側。手首の親指側から肘にかけて皮膚をつまんで、ゆったり5呼吸程待ち、そのあと小さくゆらす(つまんだ皮膚を数㎜スライドさせるように動かす)
3,手のひらの小指の付け根のすぐ下部分から手首までの膚をつまんで、ゆったり5呼吸程待ち、そのあと小さくゆらす
4,次に手首の背面側。手首の小指側から肘にかけて皮膚をつまんで、ゆったり5呼吸程待ち、そのあと小さくゆらす
セルフケア2
セルフケアその2は、手首周辺に痛みや違和感があるときのおすすめのツボケアを2つご紹介。いずれも強く押しすぎないこと。3秒かけてゆっくり圧をかけ、3秒待ち、3秒かけて圧を抜いていく。を5回ほど繰り返します。
やり方:
1,手首の甲側のしわの中央を気持ちよい範囲で押す(両手行う)
※以下2の肩のツボは妊娠期は時期によっては禁忌とされる場合もありますので、妊娠期の方は念のため上記1の手首のツボのみにしましょう
2,※鎖骨の前で手をクロスし、首の付け根と肩先の中央部分(肩の中央付近で少しもりあがっているところ)を中指で下方向に気持ちよい範囲で押す(このツボは肩こりや母乳の出がよくないときにもよいツボなので産後女性のセルフケアに〇)
産後、子育てに追われて、痛みを放置していると悪化する可能性が高まります。何もしていなくても痛い状態まで放置してしまうと、なかなか治りづらくなってしまいます。
痛みが強いときはできるだけ安静に。手首に腫れなどの症状がある方は、まずは冷やし、熱感や痛みが続く場合はすぐに病院などで診察を受けましょう。腫れや痛みがなくなってから、セルフケアをおこなうようにしてください。
育児中の産後女性だけでなく、妊娠期や更年期などホルモンバランスがとりにくい時期や、男女ともに血流の良くない方や、楽器の演奏、パソコン作業、文字や絵を描くなども長時間に及ぶことがある方は、腱鞘炎など手首周辺のトラブルを起こしやすくなります。手首の疲れや違和感がある方は、セルフケアを実践してみてくださいね。
AUTHOR
仁平美香
WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。
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