「また口内炎ができてる…」口内炎ができやすい人が不足しているものとは【管理栄養士が解説】

「また口内炎ができてる…」口内炎ができやすい人が不足しているものとは【管理栄養士が解説】
古山有紀
古山有紀
2025-09-21

「また口内炎ができてる…」生活習慣が乱れると生じる口内炎。睡眠不足や疲れの蓄積に加え、食生活の乱れも大きく影響しています。口内炎を繰り返す場合、注意したいのが「亜鉛不足」です。そこで本記事では、亜鉛を手軽に補える3つの食材を紹介します。

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口内炎とは

口内炎は口の中に生じる炎症のことです。誤って口の中を噛んでしまったとき、ストレス過多のとき、免疫力が低下したとき、ウイルスに感染したときなど口内炎ができる原因は様々です。中でも多いのが「アフタ性口内炎」と「カタル性口内炎」です。(後ほど詳しく解説します)その他にも、ウイルス性口内炎、ニコチン性口内炎、アレルギー性口内炎などがあります。

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アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)

一般的にできる頻度が高いとされているのが、アフタ性口内炎です。ストレスや免疫力低下、栄養不足、睡眠不足などが原因で起こるとされています。

食生活が乱れると、皮膚粘膜の健康維持に必要な亜鉛に加えてビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなど多くの栄養素が不足します。その結果口内炎になりやすくなるため、食生活を見直すこともアフタ性口内炎の予防につながります。

カタル性口内炎

カタル性口内炎は、物理的刺激が大きな原因になって起こる口内炎です。入れ歯が合わなかったり、口腔内を誤って噛んだり、熱湯や薬品の刺激などによって起こります。

起こる原因は異なりますが、アフタ性口内炎と同様に食生活を整え、口内粘膜の再生・維持をスムーズに行えるよう栄養をしっかり摂ることで、口内炎の悪化を防ぐことができます。

口内炎を予防する栄養素「亜鉛」

亜鉛は私たちの体に含まれる必須ミネラルです。体内の酵素やたんぱく質の構成成分であり、DNAの合成や細胞の修復、免疫細胞の活性化など、体を健康に維持するのに欠かせません。

そのため、亜鉛が不足すると口腔内の粘膜の維持・修復がスムーズに行われず、口内炎ができやすくなります。

1日の必要量は成人男性で9.0〜9.5㎎、成人女性では7.0〜8.0㎎程度とされています。普通の食事であれば摂り過ぎの心配はほとんどないため、不足に気をつけて食事から取り入れるのが理想的です。

亜鉛を多く含む食材3選

亜鉛は、魚介類、肉類、海藻類、豆、種実などに多く含まれています。その中でも、亜鉛を手軽に補うのにおすすめの食材を3つ紹介します。

 

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①牡蠣:100gあたり14.0㎎

食材の中でもナンバー1と言えるほど、多くの亜鉛を含んでいます。100gは牡蠣3〜5個分なので、1日に必要な亜鉛を簡単に補給できます。レモンやすだちなど、ビタミンCを含む食材と一緒に摂るとより効果的です。

②豚レバー:100gあたり6.9㎎

肉類の中で特に多くの亜鉛を含むのが豚レバーです。亜鉛含有量は、牡蠣に次いで多い食材です。レバーには、亜鉛のほかにも鉄分やビタミン類も多く含まれ、疲労回復、貧血予防、成長促進など、体に良い効果が多く得られます。

③乳製品:100gあたり7.3㎎(パルメザンチーズ)

乳製品の中では、チーズ類に多く含まれています。その中でも特におすすめなのがパルメザンチーズです。料理のトッピングに使ったり、おやつとして食べるなど手軽に亜鉛を補給できます。

亜鉛を摂る際のポイント

亜鉛は、食事で摂った量の約30%が吸収されるとされています。そのため、亜鉛の含まれる食材をただ大量に食べるのではなく、工夫しながら食べるのがポイントです。

亜鉛はビタミンCやクエン酸、さらには動物性のたんぱく質と一緒に摂ると吸収が良くなります。そのため、これらの栄養素を含む食品と一緒に食べるのがおすすめです。

一方で、食物繊維や穀類や種子に多く含まれるフィチン酸、加工食品に含まれるポリリン酸とは亜鉛の吸収を妨げるため、注意が必要です。

 

【参考】

・第一三共ヘルスケア|口内炎の症状・原因|くすりと健康の情報局

・公益社団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット|亜鉛の働きと1日の摂取量

・文部科学省|食品成分データベース

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