【更年期の腸内環境が乱れる原因】悪玉菌がどんどん増えてしまうNG食材5選|管理栄養士が解説
40代をすぎて若いときに比べて体重が増えやすくなったり、便秘や下痢など腸内環境が乱れてしまうことが増えたと感じていませんか?これらの変化は、「更年期」のせいかもしれません。今回は、「更年期」の体の変化と避けるべき食材について紹介します。
更年期とは
「更年期」とは、女性の加齢に伴い卵巣機能が低下し閉経となる時期の前後5年間を合わせた10年間とされています。閉経とは、卵巣の機能が消失または減退し、月経が完全に止まった状態のことで、日本人では約50歳前後で多くの人が閉経します。更年期になると顔のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)・発汗・めまい・動悸などの身体症状の他に、不眠・イライラ・不安感・抑うつ気分など精神症状や自律神経の乱れがみられます。これらの症状の主な原因は、卵巣機能低下によって、女性ホルモンが減ってしまうからです。
女性ホルモンとは
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンがあり、月経や排卵、妊娠などをコントロールする働きの他にも、血管をしなやかに保ち、動脈硬化の予防や内臓脂肪の分解を助ける働きがあり、生活習慣病のリスクから守っています。特に、エストロゲンは、脂質代謝や糖代謝、骨吸収の抑制に関与しており、減少してしまうと代謝がうまくできず脂質異常症や糖尿病、骨粗鬆症になるリスクが上がってしまいます。
女性ホルモンが減ってしまう更年期の腸内環境はデリケートなため、腸内環境を整える事が大切です。ここでは、腸内環境を乱す控えた方がいい食材を5つ紹介します。
砂糖
砂糖は上白糖や三温糖などの普段の料理に使うものやグラニュー糖や粉砂糖、黒糖、角砂糖などお菓子や飲み物に入れるものなど口に入れる機会が多い食材です。砂糖は悪玉菌のエサとなるため、過剰に摂ってしまうと悪玉菌を増やす原因となります。また、砂糖には中毒性があるため、日頃から摂取量を意識することが大切です。
油
揚げ物や炒め物などの料理に使うバターやラードなどの油は、摂りすぎてしまうと心筋梗塞をはじめとする循環器疾患のリスクを高めてしまうと同時に、腸内環境を乱してしまいます。腸内環境の理想的なバランスを保っている場合、腸内は酸性の状態ですが、脂肪分の多い肉や揚げ物などの油を多く含む食材は腸内をアルカリ性に傾けてしまい、悪玉菌を増やしてしまう要因となります。
肉
豚肉や牛肉、鶏肉といった肉類などのタンパク質が多い食材にも腸内環境をアルカリ性に傾けてしまう食材です。タンパク質は摂りすぎてしまうと、腸内で腐敗してしまいます。その腐敗したタンパク質は悪玉菌のエサとなりさらに悪玉菌が増殖してしまいます。また、肉類には善玉菌がエサとする食物繊維も少ないため、野菜と一緒に摂るのがおすすめです。
人工甘味料
人工甘味料は、カロリーオフや0キロカロリーの飲み物やお菓子に多く含まれています。よく使用される人工甘味料にはアセスルファムK、アスパラテーム、スクラロースなどがあります。人工甘味料の過剰摂取は、もともと腸内にいた微生物のバランスを崩してしまうため注意が必要です。
ビール
ビールや日本酒、ワインなどのアルコールを含むものの過剰摂取は、腸内で毒性の高い細菌が増えて腸内細菌のバランスを悪化させてしまう恐れがあるとされています。また、腸内細菌のバランスの悪い腸では体内に入ったアルコールを肝臓で十分に解毒されないため、肝臓の負担が大きくなります。また、アルコールの過剰摂取には、肥満・骨粗鬆症・乳がんなどのリスクが上がってしまいます。
まとめ
「更年期」に食べるのを注意したい食材について紹介しました。腸内環境を整えることは、便秘や下痢の改善だけでなく、免疫機能の向上などにもつながります。日頃の食事に、食物繊維や発酵食品などを取り入れて、悪玉菌を増やさないバランスのいい食事を心がけるとともに、適度な運動や規則正しい生活でストレスを溜めないようにしていきましょう。
参考文献:
ガイドライン - 公益社団法人 日本産科婦人科学会
医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト | メディカルノート
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
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