「更年期症状だと思っていたら…」意外と見逃されやすい自己免疫疾患のサインとは?医師が解説

 「更年期症状だと思っていたら…」意外と見逃されやすい自己免疫疾患のサインとは?医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-06-19

40代〜50代の女性に多く見受けられる症状を年齢や更年期のせいだと放置していませんか?それは意外と見逃されやすい自己免疫疾患のサインかもしれません。医師が解説します。

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意外と見逃されやすい自己免疫疾患のサインその1

「最近、朝起きると手がこわばる」「なかなか疲れが取れない」「関節が痛い」といった症状は、実は、関節リウマチなどの自己免疫疾患の初期サインかもしれません。

これらの症状はホルモンバランスの変化による不調と似ているため、見過ごされやすいのが関節リウマチの怖いところであり、関節リウマチの病状が進行すると日常生活にも支障をきたすので、早期発見と治療がカギです。

関節リウマチ

関節リウマチという疾患は、生体に自己免疫反応の異常が引き起こされることによって、関節内部を覆っている滑膜と呼ばれる場所に炎症が惹起されるものです。

現在のところ、関節リウマチはわが国では人口の約1%程度の方々が罹患すると言われている全身性の自己免疫疾患です。

疫学的に、男女比はおよそ1:3であり女性のほうが男性より多くかかりやすい病気と言われています。

朝の手のこわばりや関節の腫れなどの症状が特徴の「関節リウマチ」は、早期的に専門外来を受診して、適切に治療を行うことが大切な病気です。

現在は、関節リウマチに対する治療薬が大きく進歩しており、症状の寛解を維持できるようになってきました。

関節リウマチは、免疫の異常で炎症が起こる自己免疫疾患であり、身体の関節の部位に炎症が起こるため、関節の痛みや腫れなどの症状が起こります。

関節に激しい痛みを伴うのが特徴で、関節を動かさなくても痛みが起こるとともに、軟骨や骨が破壊されるため、進行すると関節が変形したり、機能障害を引き起こす場合があります。

心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

意外と見逃されやすい自己免疫疾患のサインその2

最近、「目が乾く」「口が渇いて食事がしづらい」「なんだかだるい」などの症状を感じて、年齢のせいや更年期によるものだと思っていませんか。

実は、それらの不調は、シェーグレン症候群という自己免疫疾患のサインかもしれません。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は40代以降の女性に多く、更年期障害の症状と重なるため、病気の発見が遅れがちです。

この病気を放置すると、ドライアイや口腔トラブルだけでなく、関節炎や内臓への影響が現れることも考えられます。

シューグレン
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シェーグレン症候群は、涙や唾液の分泌が低下する病気です。

主に、身体の乾燥症状が目立ちますが、それだけではありません。

関節痛、全身倦怠感、微熱、さらには肺や腎臓といった内臓にも影響が及ぶこともあるため、単なる年齢による変化と見過ごされると、深刻な合併症につながる恐れも考えられます。

心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

まとめ

40代以降の年齢で、「最近、疲れやすくて、体がだるい」「関節が痛む」「口や目が乾く」という症状があった場合には、「更年期症状かも」と思う方が多いでしょう。

しかし、実際はその体のサインや症状は、自己免疫疾患が原因かもしれません。

関節リウマチ、シェーグレン症候群など、自己免疫疾患は更年期症状と似ているために見逃されやすい病気です。

「年齢のせい」で済ませてしまうことで、適切な治療のタイミングを逃してしまうこともあります。

心配であれば、膠原病内科など専門医療機関を受診しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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