【ベーコンなどの加工赤身肉は認知症のリスクを高める可能性!?】研究結果が示唆

 【ベーコンなどの加工赤身肉は認知症のリスクを高める可能性!?】研究結果が示唆
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2025-02-08

加工された赤身肉に含まれる添加物が、脳の健康状態の悪化につながる可能性がある。

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赤身の肉を定期的に食べる人、特にベーコン、ソーセージなどの加工食品を食べる人は、赤身の肉を食べる量が少ない人と比較すると、認知症を発症する可能性が高いことが新しい研究で明らかになった。

加工肉の摂取量と認知症発症リスク

研究チームは平均49歳の約134,000人の被験者を最大43年間追跡調査した。データには参加者の食生活を含む詳細な健康情報が含まれており、2年から4年ごとに更新されていた。研究終了時までに、11,173人が認知症を発症していた。加工された赤身肉はベーコン、ソーセージ、サラミなどの製品と定義され、未加工の赤身肉は牛肉、豚肉、羊肉、牛ひき肉と定義された。1人前の量は3オンス(約85グラム)とした。データの分析により、加工された赤身肉を1日あたり1/4人前以上摂取していた人々は、1日あたり1/10人前以下を摂取していた人々に比べて、認知症を発症する確率が13%高いことが判明した。未加工の赤身肉においては、1日あたりの平均摂取量が1/2人前未満の人々と1人前以上の人々を比較しても、認知症発症リスクに違いは見られなかった。

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認知機能の低下

また、認知機能の調査のため、被験者が記憶力や思考力を自己評価したアンケートに基づく主観的な測定値の分析を行なった。また、記憶力、思考力、問題解決能力のテストに基づく客観的な測定値も調査した。自己評価による主観的な測定値の分析では、未加工の赤身肉を1日1人前以上食べた人は、それ以下しか食べなかった人に比べ、記憶力に問題がある可能性が16%高いという結果が出た。テストに基づく客観的な測定値の分析では、加工された赤身肉の1日あたりの摂取量が増えるごとに脳年齢が1.61歳「高齢化」することが分かった。

赤身肉と認知機能

赤身肉に含まれる飽和脂肪の量が多いと、加工・未加工に拘わらず、認知機能の低下につながる可能性があると、研究の筆頭著者ブリガム・アンド・ウィメンズ病院麻酔学助教授ユハン・リー氏李氏は述べる。アメリカ心臓協会は、飽和脂肪を多く含む食事はLDL(悪玉)コレステロール値を上昇させ、2型糖尿病を発症する可能性を高めると警告している。そして、LDLコレステロール値が高いこと、および糖尿病は、いずれも認知症発症のリスク要因として知られている。

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さらに、加工された赤身肉には新鮮な肉にはない保存料が含まれている。Alzheimer’s Drug Discovery Foundationのユウコ・ハラ博士によると、例えば、肉の塩漬けによく使用される亜硝酸塩は有害な化合物に変化し、酸化ストレスや炎症を増大させる可能性があるという。「加工された赤身肉には、高血圧につながる多量のナトリウムも含まれています。高血圧は認知症のリスク要因であることが広く知られています。」とハラ博士は話す。

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赤身肉を植物性タンパク質に置き換える

この研究では、1日1人前の赤身肉を、ナッツ類や豆類などの植物性タンパク質に置き換えることで、認知症発症リスクが19%低減し、認知機能の老化が1.37年遅くなることが分かった。同じように魚に置き換えた場合は認知症発症リスクが28%低下鶏肉に置き換えた場合は16%低下することが示され。「植物性食品の摂取量を増やすことが健康増進につながることはすでに分かっています。果物、野菜、豆類、全粒穀物の摂取量を増やすことで、抗炎症作用のある食物繊維と、細胞の損傷を防ぐ天然物質であるフィトケミカルの両方を増やすことができます。」と米国登録栄養士レベッカ・ボードイン氏は話す。

出典

https://time.com/7207061/red-meat-dementia-link/

https://amp.cnn.com/cnn/2025/01/15/health/red-meat-dementia-wellness

https://www.everydayhealth.com/neurological-disorders/eating-red-meat-may-put-brain-at-risk/

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