【研究結果から考察】ハム、ベーコンなどの「加工肉」が寿命に関わるテロメアを短縮させる?
食卓にもよく並ぶベーコンやソーセージ、ハム。これらの加工肉は調理しやすく、身近なメニューにもよく使われていますが、研究結果から、加工肉を食べるリスクについて考察します。
テロメアが短縮される?加工肉の持つリスク
短いと短命、長いと長寿と言われている、人間のDNA細胞の中心体から伸びた染色体の端のテロメア。アメリカの7つのコミュニュティ、男女6000人を対象に行われたアテローム性動脈硬化症の多民族研究(MESA)の研究によると、全粒粉、ナッツや乳製品、コーラ、コーヒーそして加工肉を含む様々な12種類の食品が身体へ及ぼす影響を調べたところ、このテロメアの短縮と関係があった食品はたった1つ…「加工肉」であった事がわかっています。人間のDNA細胞の中心体から伸びた染色体の端のテロメアという部位が短いと短命そして老化し、長いと若さや長寿を表すと言われていますが、加工肉がそのテロメアにマイナスな影響を及ぼす食品だと結論付けています。
老化が加速する加工肉の量とは?
加工肉を使用しているメニューを思い出すと、ハンバーガーやチキンナゲット、ソーセージなど気軽に食べているメニューが頭に浮かびますが、1日の加工肉の摂取量が1食分増えるごとに、テロメアは0.07塩基対ずつ短くなっていることがわかっています。人間の加齢による自然なテロメアの短縮量が1年に14.5塩基対と言われているため、それをもとに計算すると加工肉を1年のうち220食分、つまり週に4から5回メニューに取り入れるだけで老化がおおよそ「1年」加速してしまう計算になります。
加工肉の代わりに食べるべき肉とは?
また、加工肉を生産する過程から発生する終末糖化産物(AGE)という科学物質が、体内で炎症を作るとも言われています。細胞内で酸化ストレスが生じ、DNAが損傷される可能性もあり、そうした影響からテロメアにも攻撃性が発揮されている可能性があるという研究発表から、多方面で老化を促進させる危険性があることがわかります。
それでは、どんな種類の肉が安心なのでしょうか? 加工肉の影響とは反対に1日に1から2回「赤身の肉」を食べると、テロメアが長くなるという研究結果が出ています。赤身肉に含まれるビタミンBやヘム鉄、カルノシンなどの物質が、テロメアの短縮を遅らせているのではないかと考えられています。
とはいえ、赤肉の調理時に起こる焦げた部分は、発がん性物質を含む危険な化学物質を作られることも忘れてはいけないことの一つ。体内の炎症の原因にもなり得ます。カリッと焼けた部分はとても美味しいですが、焦げた部分はできるだけ避けて良質な赤身肉を食卓に取り入れることがポイントになりそうです。
AUTHOR
鈴木七代
オーストラリア・ブリスベン在住。イラストレーター。ヨガを始めライセンス取得後ヨガイラストやヨガ漫画をスタート。オーストラリアから健康にまつわるあれこれをイラストやエッセイ漫画で発信中。アスリートの食指導を行う管理栄養士の妹の影響で、現在、健康的な食べ方や栄養学についても学んでいる。
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