成人男性の3人に1人はAGAを発症する?AGA(男性型脱毛症)になりやすい人の特徴は?医師が解説


成人男性の3人に1人はAGAを発症すると言われています。AGAになりやすいと考えられる要因や悪影響な生活習慣について、医師が解説します。
AGAとは?
AGAとは男性型脱毛症(androgenetic alopecia:AGA)の略称です。
狭義的には、主に、男性ホルモンと遺伝が関連した男性が発症する脱毛症のことを指します。
男性型脱毛症とは、成人男性特有の進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなったりするのが特徴です。
AGAにおいては、遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因だと言われていて、特に20代以降の男性に多く見られ、日本人男性の3人に1人がAGAだと言われています。
主な症状は、額の生え際や頭頂部などを中心に薄毛が広がっていることが挙げられます。
それ以外にも、血縁関係のある人の家系に薄毛の人がいる、最近抜け毛が少しずつ増えてきた、髪の毛の1本1本が細くなった、おでこが広くなって生え際がM字になってきたなどの所見があれば、一度専門医療機関を受診して相談してみましょう。
AGAによる髪の毛の変化については、成長期の髪の毛が退行期へすぐに移ってしまうため、十分に成長せずに産毛のように細く短い毛になってしまう傾向があります。
AGAは治療せずに放置すると進行していきますので、早めの治療が大切です。
AGAになりやすい人の特徴は
AGAの原因は、生活環境の乱れ、遺伝、男性モルモンの影響が多いといわれていて、その中でも最大の原因とされているのが、男性ホルモンです。
男性ホルモンの一種であるテストステロンが、「5αリグクターぜ(5α還元酵素)」と結合することによりDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換されて、このDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根にある毛乳頭の受容体に結合します。
そうすると、髪の毛の成長サイクルが通常よりも短縮され、数ヵ月〜1年で髪の成長が止まります。

AGAの場合には、多くのDHT(ジヒドロテストステロン)によって髪の毛の成長サイクルが短縮されるために、細く、短く、抜けやすい髪の毛となり、結果として脱毛や薄毛につながってしまいます。
また、AGAは、過度なストレスや食生活が偏っている方、普段から睡眠が取れていない人などに起こりやすいと考えられています。
- 強いストレスや睡眠不足でホルモンバランスが乱れる
- 偏った食事で栄養不足になると頭皮への栄養が行き渡らない
- 運動不足や喫煙習慣に伴って、頭皮をはじめとして体の隅々まで血液が届かない
などの理由で髪の毛や頭皮環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
AGAの原因として、「遺伝性」も指摘されていて、AGAの原因となる「5αリダクターゼの活性度」と「男性ホルモンレセプターの感受性」のどちらか、もしくは両方を遺伝的に引き継いでいる場合には、発症する可能性があります。
AGAとの関わりが強い「ホルモン受容体」がDHT(ジヒドロテストステロン)と結合をこすことで発症・進行しますが、人によってホルモン受容体の数が異なるため、多い人ほどAGAを発症するリスクが高くなります。
また、女性でも薄毛に悩んでいる方がいて、主に40代から50代の年齢層にかけて増加しますが、若年性の20代でも薄毛に悩んでいる女性が増えてきています。
女性の薄毛の特徴は、頭頂部もしくは全体的に髪の毛が薄くなる、抜けていくことであり、その原因には加齢による女性ホルモンの減少が挙げられます。
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、その中でもプロゲステロンは卵子からのみ作られるもので、およそ30代後半から閉経期にかけて、分泌量が低下する結果として、髪の毛が細くなっていきます。
まとめ
AGAとは、男性ホルモン型脱毛症(Andro genetic Alopecia)の頭文字を取った略称であり、日本国内では約1,200万人以上の方が抜け毛や薄毛で悩んでいて、成人男性の3人に1人はAGAを発症すると言われています。
AGAは一般的には30代以上の中年男性に多く見られる症状ですが、近年では20代などの若年層でも見受けられるようになっています。
成人男性の多くにみられる特有の進行性脱毛症であるAGAの発症原因としては、遺伝や男性ホルモンによる影響が強いと考えられています。
AGAは進行性ですので、治療を行わず、症状を放置していると、髪の毛がゆっくりと減り続けますので、早期の予防や治療が重要となります。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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