【女性の髪の悩み座談会】憂鬱な白髪・薄毛問題「隠す、生かす」それぞれのつき合い方をリアルトーク
おしゃれをしても白髪、薄毛が目につくと気分が上がらず、年齢を重ねることをネガティブに捉えがちです。髪の毛が変化しても毎日を気分良く過ごすにはどうすればいい?白髪、薄毛に直面している30代~50代の女性4名に、リアルな心の内と実践して対策を語ってもらいました。
今回お話いただいたのは…
■Mさん(36歳・主婦) 分け目の白髪は30代から。白髪は抜かず、切るか染める派。
■Kさん(50歳・ヨガインストラクター)頭皮マッサージで進行を予防し、ヘナ染めでパサつきを解消。
■Aさん(45歳・スタイリスト)悩みをオープンにして友人と情報を交換。将来はグレーヘアを希望している。
■Yさん(49歳・主婦)もともと薄毛で抗がん剤治療の副作用による脱毛も体験。エクステを利用しAGA治療も視野に。
早いと10代からも。髪の悩みの始まりは人それぞれ
― みなさんが、白髪や薄毛を気になり始めたのは何歳くらいですか?
K:私は40歳になった頃です。当時は仕事が忙しくストレスを感じていたときで、そのせいか髪が乾燥してきて、その後に白髪が気になり始めました。パーマ液やカラー剤が合っていないのかもと思いしばらくやめましたが髪のパサつきは治らず、白髪もあれよあれよと増え始めたんです。特に分け目の白髪が気になり、それを鏡で見るとますますストレスが重なるのを感じていました。
A:ポツンポツンと白髪が出始めたのは30歳~40歳の間ですね。息子の幼稚園で少し年上のママが白髪に悩んでいて、当時は切実さがわからなかったけど自分がそうなってみて納得しました。気になるのは、分け目ともみあげの生え際かな。美容院で染める頻度は今まで2カ月に一度だったけど、この2、3年でペースが速まっています。それとコロナ感染中に抜け毛が増えた実感があり、症状がなくなった後も治りません。
M:前髪の分け目あたりに白髪が目立ち始めたのは、35歳くらいです。それまで黒髪だったけど、少しでも目立たなくするために染めました。思い当たる原因は、蕁麻疹も出ていたのでストレスかな。
Y:私は白髪の悩みはまったくないけど、おしゃれに目覚めた高校生くらいから薄毛に悩んできました。大人になって乳がんに罹患し、抗がん剤治療の副作用で髪の毛が全部抜けてしまい、治療後に生えてきたけど髪質が変わりクリンクリンのくせ毛状態なんです。今は前髪だけエクステを利用し、1回の本数は2000本くらい。本当はもっとしたいけどすごい金額になってしまうので。
― 白髪や薄毛のスタート年齢はさまざまですね。生活をしていてどんなときに気になりますか?
M:目立つ箇所に生えているので、鏡を見たときが一番気になりますね。あとはエスカレーターで真後ろに人が立ったときも目立っていないか心配です。
A:確かにエスカレーターは気になりますね。私は電車で座っていて、自分の前に立った人の上からの視線を感じるときや写真を撮るときなど、美容院に行けていないタイミングだと気にしてしまいます。
K:あまり神経質になっていないけど、おしゃれして出かけるときは洋服と白髪がマッチしていないと思うので気になります。知っている人と会うときは特に意識して気をつけています。
Y:私もおしゃれをするときや、仕事できちんとした洋服を着るときは意識します。
諦めないで!コンシーラー、エクステ、ヘナなど対策は多岐に
― 髪の悩みは外見の印象を左右し、白髪などがあると鏡を見るたび気持ちが落ち込みがちです。少しでも気分良く過ごすために、みなさんが実践している対策を教えてください。
Y:先ほどエクステを利用していると言いましたが、2カ月に一度のペースでサロンに行くとそれなりの費用がかかるんです。だから今は薄毛対策としてAGA治療を本気で考えていて、クリニックを比較検討中です。
A:私は1カ月に一度のペースで美容院で染めていて、その前に誰かと会うときは自分でできる部分白髪染めを使っています。マスカラタイプより、ファンデーションのような質感でスポンジでポンポンと気になるところに色をつけるヘアカラーコンシーラー「THROW」を愛用中。あとは早寝を心がけて髪の毛のために睡眠を十分にとり、頭皮マッサージ用の「ケンザン」というスカルプブラシを2個使って頭皮を左右同時にマッサージしています。最近気になってきた分け目の薄毛は、パウダータイプの「フジコデコシャドウ」で対策しています。
K:すごく参考になります!私は一週間に一度のペースでヘナ染めを自分でやっています。頭皮が温かくなるので同時にマッサージをして、そうしたら髪のパサつきが一切なくなりました。コロナに感染して抜け毛は増えたけど、毛量が減った実感がないのは日頃のマッサージ効果かも。ヘナ染めにしたのは、もともと肌が弱くパーマ液やカラー剤に反応してアレルギー症状が出たからです。皮膚科に行ったらストップがかかり、頭皮に優しいものを探してヘナに出合いました。
M:私は頭皮マッサージと、明るめのカラーに染めるくらいです。カラーリングは髪の毛の健康を考えると疑問だけど、目立たなくなるほうを選びました。
― 自分の髪の毛とは一生つき合うわけですが、これからどう向き合っていきますか?
M:白髪は抜いたらよくないと聞くので、気になったら抜かずに切ります。今も週一ペースで切っています。
Y:抗がん剤治療が終わってやっと生えてきてくれたので、もっと生えて伸びてほしい。薄毛は気になったらエクステでカバーします。
K:知り合いの美容師さん曰く、できるだけ白髪染めをしないでおしゃれ染めを続けるように言われました。ブリーチしてカラーを続けると色が抜けやすくなるそう。私はぎりぎりまでおしゃれ染めをして今はヘナに移行し、白髪が減った気がします。
A:私は今もおしゃれ染めです。ぎりぎりまでこのまま行きたいですね。あとは睡眠時間を削らず、誰かに話を聞いてもらいストレスを溜めないこと。
早めに情報を得て、隠すだけでなく「生かす」にも目を向けて
― 家族や友人、クリニックで髪の悩みを相談したことはありますか?
M:家族には話すけど、家族以外の人に相談したことはないです。同年代にも白髪が目につく人がいるけど、自分のことも言いにくいし相手の変化にも触れにくい感じ。
A:私は触れないというゾーンを超えて、女性数人が集まると毎回のように白髪と健康の話題になります。40歳を超えたら白髪は必須コンテンツ!これがよかったよと情報をシェアし、私は今後グレーヘアにしたいのできれいに移行するための情報を集めながら向かっていきたいです。それと美容院は髪の毛の悩みを打ち明けやすく、情報入手におすすめです。
K:ヨガ関係の知り合いがアーユルヴェーダをベースにした髪の毛や女性の健康ケアを行っていて、彼女のSNSを見て情報をもらっています。
Y:AGA治療のクリニックを検索してわかったのは、どこも同じ薬を使っているはずなのに治療代にすごく差があるんです。高額なところだと1カ月1万円にもなる。その差が気になっているところです。
― まだ白髪や薄毛に悩んでいない人に、今からやっておいたほうがいいことなどアドバイスをお願いします。
K:美容師さんが言うには、30歳くらいから頭皮が硬くなっている人が多いそうです。そうすると抜け毛が増えるみたいなので、悩みがないうちから頭皮マッサージを習慣にして血行がいい状態をキープしてほしいです。ストレスは髪の毛によくないと思うけどゼロにするのは難しいもの。だから自分がストレスを溜めやすいポイントを知って、どうしたら少しでも回避できるか考えておくと髪の毛だけでなく健康面全体にプラスになると思います。
A:もっとちゃんと頭皮マッサージをするように、10年前の私に言いたい気分です。白髪は隠すことを考えがちだけど、どう上手くつき合うか、どう生かそうかと考えておくと、年齢を重ねたときグレーヘアや白髪への移行を抵抗なく受け入れられると思いますよ。
M:私は白髪ってこんなに早くなるんだと感じたので、早めに情報収集して備えておくことをおすすめします。
Y:抗がん剤の副作用で脱毛に悩み、私はアートネイチャーのサロンでエクステを体験しその技術に感動してサロンに通い始めました。育毛や増毛の技術は日々進化し、かつらも進化してすごく自然で全然気づかれないので、そういう選択肢を知っておくのもいいと思います。
医師が解説!白髪の原因と予防策
白髪は髪を色づけているメラニン色素が色素細胞から作られなくなることで、光に反射して白く見えるようになった状態です。老化や加齢に伴って、メラニン色素が作られなくなると髪に色がつかずに白髪として生えてきてしまいます。
色素細胞の機能を保つために必要な栄養が不足していたり、細胞の代謝が正常に行われていなかったりすると白髪になる可能性がありますし、過度のストレスや睡眠不足も白髪に関係しています。日ごろから仕事や私生活でストレスを抱えている方は、できるだけ溜め込まないようにしましょう。
また、規則正しい生活、適度な運動、趣味を楽しむ、栄養バランスのとれた食生活を意識することが大切です。特に食生活では、黒ゴマやミネラルを多く含む海藻類など白髪に効果的な食べ物を摂るとよいでしょう。
主な治療法
白髪を治療する方法は確立していないものの、美容皮膚科で提供されている白髪治療によって改善できる可能性があります。美容専門クリニックや美容皮膚科などで提供されている白髪治療は、主にAPRILINE HAIRLineという薬剤を用いた方法であり、この薬剤には様々な栄養素が含まれており、毛包の老化抑制や活力アップといった効果が期待できます。
他には、頭皮の血流を良くすることで新鮮な酸素や栄養素が血液に乗って届くので、血流を改善させるヘッドスパやマッサージ、ヘアケアアイテムを適切に取り入れることも白髪の予防策に有効です。
教えてくれたのは…甲斐沼 孟医師
大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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