【りんご】皮を捨てないで…!皮に含まれる栄養素と美味しいりんごの選び方を管理栄養士が解説


りんごは、皮を剥いて食べる方が多いのではないでしょうか。りんごの皮には食物繊維などの栄養が含まれているため、皮をとって食べるよりも皮つきのままで食べるのがおすすめです。また、新鮮で美味しいりんごは表面にハリやツヤがあるなど、いくつかの特徴があります。今回は、皮つきりんごの栄養について解説します。美味しいりんごの選び方などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
りんごの皮には栄養が豊富に含まれている

りんごは実だけでなく、皮にも栄養が含まれています。100gあたりの栄養価を皮つきりんごと皮なしりんごで比較した結果を、以下の表にまとめました。
りんご(皮つき) | りんご(皮なし) | |
エネルギー | 56kcal | 53kcal |
食物繊維 | 1.9g | 1.4g |
カリウム | 120mg | 120mg |
ビタミンC | 6mg | 4mg |
りんごの種類によって栄養価は異なりますが、平均的なデータで見ると、皮なしりんごに比べて皮つきりんごの方が食物繊維とビタミンCが多く含まれています。とくに、食物繊維は皮つきと皮なしで0.5gの差が見られるため、りんごの皮には食物繊維が豊富に含まれているといえるでしょう。りんごの皮の食物繊維は、ペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維です。ペクチンは、腸内で善玉菌を増やすはたらきを担います。そのほかにも、りんごの皮には、赤色色素であり強い抗酸化力を持つポリフェノールなども豊富に含まれています。
りんごの皮を食べて得られる3つの健康効果

りんごは皮つきで食べることで、以下の健康効果が期待できます。
整腸効果
りんごの皮に含まれるペクチンのはたらきで、排便が促され便秘を改善できるでしょう。ペクチンは水溶性食物繊維で、保水性が高いのが特徴です。便をやわらかくし、スムーズに排便ができるようはたらきます。また、食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を促します。腸内に善玉菌が増えれば、腸内環境の改善につながるでしょう。
老化防止効果
ビタミンCとポリフェノールには抗酸化作用があります。肌の酸化を防いでシミの予防をしてくれるでしょう。ビタミンCは、コラーゲンの生成を促す効果が期待できます。肌の潤いを保つのに欠かせない栄養素です。また、ポリフェノールは、メラニンの生成を抑制する効果が期待できます。りんごの皮に含まれるビタミンCやポリフェノールの摂取は、キレイな肌づくりのサポートをしてくれるでしょう。
免疫力向上効果
ビタミンCの摂取は、免疫力の向上にもつながります。ビタミンCは、鼻の粘膜のはたらきを助けてくれる栄養素です。風邪の原因となるウイルスの侵入を防いでくれるでしょう。また、免疫細胞の約7割は腸内に存在するといわれています。食物繊維による整腸作用で腸内環境の改善ができれば、免疫力の向上が期待できるでしょう。
美味しいりんごの選び方

新鮮で美味しいりんごを選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 色:頭からおしりまで全体が赤い
- 形:左右の大きさが対象的
- 軸:太くピンと張っている
- 皮:ハリやツヤがある
- 重さ:ずっしりとした重みを感じる
甘味や酸味は、りんごの品種により異なります。りんごの皮の表面のベタつきは、りんごから出る天然の成分によるものですが、農薬を落とすためにもりんごの皮はよく洗ってから食べましょう。
【参考文献】
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 果実類/りんご/皮つき/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 果実類/りんご/皮なし/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類
農林水産省 特集1りんご(5)カンタン!おいしい!食べ方と保存法
ライター/菅理栄養士 山田佳奈子
約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れており、0歳から5歳の年齢に合わせた指導で「食を楽しく学ぶ」を大切に活動。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。
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