毎日ワイン2本を飲んでいたデンゼル・ワシントン(69歳)が、60歳で断酒を決意したきっかけとは?
映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が注目を集める中、ハリウッド俳優デンゼル・ワシントン(69歳)は最新インタビューで「お酒が体に多くのダメージを与えた」と認め、10年前から断酒生活を送っていることを明かした。
1日2本のワイン、次第に精神と体に影響を及ぼすように
ハリウッドでの成功と富を楽しむかのように、俳優デンゼル・ワシントンの飲酒習慣は始まった。特に、高価で上質なワインの味覚を磨くことがきっかけだったという「ワインは急にドカンと来るわけではないが、知らないうちに影響を及ぼす」と彼は語った。彼は1999年に1万本のワインを収納できる大きなワインセラーを備えた家を建て、それがきっかけで日常的に高級ワインを楽しむようになった。彼の飲酒量は次第に増え、ピーク時には1日2本、1本4000ドルのワインを消費していた。それでも彼は常に2本ずつ注文していた理由を、「もしもっと頼んだら、それを全部飲んでしまうから」と説明した。「私は最高のワインを飲んでいた」と振り返るデンゼル・ワシントン。しかし、毎日2本という量は、次第に彼の体と精神に影響を及ぼした。「映画の撮影中は飲まない」というマイルールがあったものの、撮影が終わると再び飲酒生活に戻ることを繰り返していた。
映画の役柄がアルコール依存について考えるきっかけに
デンゼル・ワシントンは、2012年の映画『フライト』でアルコール依存症と闘うパイロット役を演じた。彼のキャリアの中でも難しい役柄だったと言い、飲酒生活の終盤で撮影されたこともあり、自身の習慣を考え直す契機となったという。「この映画がセラピー的な効果を持ったかどうかは分からないが、依存症で苦しむ人々のことを考えるきっかけにはなった」と述べている。彼はまた、自分が「善を行うためにこの地球に送られた」と感じていると告白。「神から与えられた演技という才能を使い、何か良いことをしたいと思った」と語る。そして、60歳を迎えた時点で断酒を決意した。「それ以来、一滴も口にしていない」と言い切った。
飲酒そのものが健康リスクを伴う
デンゼル・ワシントンの今回の告白は、適度な飲酒が健康に良いとされてきた長年の説に反する意見として注目を集めている。1980年代以降、赤ワインが心臓発作のリスクを減らすという研究結果が数多く発表されてきた。しかし、これらの研究の多くはデータに欠陥があると指摘されており、近年ではアルコールが高血圧や不整脈などのリスクを増加させる可能性があるとする研究が増えている。世界保健機関(WHO)は1980年代から「お酒ががんのリスクと関連している」と警告を発しており、近年では「どの程度であれ安全なアルコール摂取量は存在しない」と断言している。特に2023年には、赤ワインやビール、蒸留酒を問わず、飲酒そのものが健康リスクを伴うという報告が再び話題になった。
健康な70代のため、トレーニングで心身を強化
現在、デンゼル・ワシントンは、トレーナーと共に日々トレーニングを続け、「心身ともに強くなることの重要性」を実感しているという。「もうすぐ70歳になるが、今になって多くの扉が開いているように感じる」と語り、自分の健康とキャリアの新たな章に自信を見せている。
出典:
Denzel Washington’s two-bottle-a-day wine habit did ‘lots of damage’ to his body
Denzel Washington ‘did a lot of damage’ to his body drinking 2 bottles of wine a day
AUTHOR
山口華恵
翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。
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