ワインとチーズの組み合わせ、実は体にもいい?"適度な脂質"がもたらすメリット|管理栄養士が解説

 ワインとチーズの組み合わせ、実は体にもいい?"適度な脂質"がもたらすメリット|管理栄養士が解説
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ワインとチーズは相性が抜群で、食事の楽しいひとときを演出してくれるおいしい組み合わせです。実は、味だけではなく健康の面から見ても、ワインとチーズは理想的なペアリングといえます。この記事では、管理栄養士がワインとチーズの組み合わせのメリットを解説します。体への効果を知り、ワインとチーズを味わいながら、おいしさと健康を手に入れてください。

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アルコールはどうやって分解されるの?

ワインには、12%程度のアルコールが含まれています。アルコールは体内に取り込まれると肝臓に運ばれ、酵素のはたらきでアセトアルデヒドに分解されます。その後、酢酸に変わると血液の流れにのって全身を巡り、息や汗、尿として体外に排出されるのです。

アルコールを分解する過程で作られる、アセトアルデヒド。実は体にとって有害な物質であり、飲酒による頭痛や動悸、吐き気の原因であると考えられています。肝臓の処理が追いつかないほどアルコールをたくさん摂取すると、分解しきれないアセトアルデヒドが体にたまってしまい、つらい二日酔いをまねくのです。

アセトアルデヒドは、二日酔いの原因になるだけではありません。長期間アルコールを摂取し続けていると、アセトアルデヒドにより肝細胞が傷つけられ、脂肪分解が抑制されるため、脂肪肝や肝硬変を引き起こすおそれがあります。さらに、アセトアルデヒドには発がん性があり、頭頸部がんや食道がんのリスクが高まると考えられているのです。

アルコール分解を助ける「チーズ」

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アルコールを飲みすぎたときのつらい症状や、肝臓への負担を軽減するためには、アセトアルデヒドを早く分解する必要があります。そのために摂取してほしい栄養素が、たんぱく質です。

たんぱく質には、アセトアルデヒドの分解を促進したり、傷ついた肝臓を修復したりするはたらきがあります。またアルコールを分解する酵素はたんぱく質からできているため、たんぱく質の十分な摂取は、スムーズなアルコール分解に欠かせないといえます。

ワインのお供といえば、チーズを思い浮かべる人は多いでしょう。乳をぎゅっと凝縮して作られるチーズは、良質なたんぱく質源となる食品です。

たんぱく質は、さまざまな種類のアミノ酸がつながって構成されています。このアミノ酸をバランスよく含んでいるのが、チーズの特徴です。さらに、チーズの製造過程では乳酸菌や酵素の作用によって、つながっていたアミノ酸がある程度細かく分解されます。そのため、チーズに含まれるたんぱく質は消化吸収しやすい形になっているのです。 

ワインのおつまみにチーズを食べることは、アルコール分解に必要なたんぱく質を補ううえで理にかなっているといえますね。

適度な脂質で酔いを防ぐ

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お酒を飲むときには、適度な脂質を摂ることも大切です。脂質はアルコールの吸収を遅くする作用があるため、あらかじめ適量の脂質を摂っておくと、酔いが回るのを遅らせる効果が期待できます。乳由来の脂肪分が含まれるチーズは、この点においても優れた食品であるといえるでしょう。

しかし、脂質の摂りすぎは肥満をまねきます。チーズはもちろん、ワインと一緒にこってりしたお肉やバターをたっぷり使った料理、生ハムやナッツなどのおつまみを食べすぎると、脂質を摂りすぎてしまうので注意してください。

ワインとチーズは互いの味わいを引き立てるだけではなく、アルコール分解を促したりアルコールの吸収を遅らせたりして、悪酔いを予防できる組み合わせです。飲みすぎ、食べすぎないように気をつけながら、ワインとチーズのペアリングを楽しんでください。

【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット「アセトアルデヒド」
厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールとがん」
キリンホールディングス「酔いのメカニズム」

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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