お酒は体によい?それとも悪い?体に負担をかけにくい飲み方を管理栄養士が解説

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お酒が好きで、習慣的に飲んでいる方も少なくないでしょう。これまでお酒には一定の健康効果があるとされてきましたが、近年は「飲酒量は少ないほど体によい」といわれているのを知っていますか?この記事では、飲酒のメリット・デメリットを示したうえで、体に負担をかけにくいお酒の飲み方を管理栄養士が解説します。健康に気をつけながらお酒を楽しむヒントにしてくださいね。

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お酒に健康効果はある?

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飲酒には、次のような健康効果があるとされています。

・ストレス解消
・食欲増進
・HDLコレステロール増加

お酒を飲むと、酔いが回って気分が高揚し、ストレスが発散されるのを実感できますよね。また、お酒の席では食が進む方も多いでしょう。 

アルコールの摂取量が多くなると、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加することもわかっています。HDLコレステロールは体内の過剰なコレステロールを回収することで、動脈硬化の予防に役立つとされている成分です。

また、健康へのメリットが期待できるお酒の種類もあります。赤ワインはポリフェノールが豊富なことで知られているお酒です。赤ワインのポリフェノールは、血圧の低下、老化や動脈硬化の予防などに効果が見込めます。ビールは、原料に含まれるホップの鎮静作用により不眠の解消に役立つでしょう。 

一方で、飲酒には次のような健康へのデメリットがあります。

・急性アルコール中毒
・肝障害(アルコール性肝炎など)
・生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、がんなど)
・脳神経障害(睡眠障害、認知症、アルコール依存症)
 

飲酒はさまざまな健康障害のリスクになることが知られています。飲酒の習慣がある方は、お酒のデメリットも十分に把握しておきましょう。

体に負担をかけにくいお酒の飲み方とは

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以前は適量の飲酒は健康によいとされていましたが、近年は飲酒量は少ないほど健康によいという認識に変わりつつあります。

厚生労働省による健康日本(第3次)では、生活習慣病のリスクが高まる1日の純アルコール摂取量の目安を、男性40g以上、女性20g以上としています。純アルコール量20gの目安は、次のとおりです。

ビール:500ml缶1本
チューハイ:350ml缶1本
日本酒:1合(180ml)
ワイン:グラス2杯(200ml)
焼酎:グラス1/2杯(100ml)
ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
 

さらに厚生労働省が2024年2月に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、健康に配慮した飲酒の仕方として次のような内容が示されています。 

・飲酒の量や頻度など、自分の飲酒状況を把握する
・あらかじめ飲む量を決めておく
・飲酒前または飲酒中に食事を摂る
・1週間のなかで休肝日を設ける

また、飲酒による影響には個人差があります。同じ量のお酒を飲んだとしても、年齢、性別、体質、その日の体調により受ける影響は異なります。そのため、上記の目安量や飲酒の仕方を参考にしながら、自分の飲酒量や頻度を決めることが大切です。 

お酒には体によい側面がありますが、それを上回る健康リスクがあることも事実です。健康を考えるのであれば、飲酒量は少ないに越したことはありません。とはいえ、お酒が好きな方は飲酒をなかなか止められないのが正直なところですよね。まずは自分の飲酒習慣を把握して、量を減らす、休肝日を設けるなど、できることから取り組んでみませんか?

【参考文献】
厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールの作用」
厚生労働省「健康日本21(第三次)の概要」
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
減酒.jp「飲酒量と健康リスクの関係」

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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