乳がん検診に引っかかり、精密検査を受けてきた話【後編】怖くて、不安で、体が震えて、涙が出た。

 乳がん検診に引っかかり、精密検査を受けてきた話【後編】怖くて、不安で、体が震えて、涙が出た。
まゆ
まゆ
2023-07-19

ライターまゆさんによる寄稿記事、後編。

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軽い気持ちで受けた健康診断で乳腺に腫瘍が見つかり、大学病院で精密検査を受けた。「がんかもしれない」と言われた経験を通じて、体と心、どちらの健康も大切だと再認識した私が伝えたいこととは。

恐怖の針生検

マンモグラフィ、超音波エコー検査の結果報告から乳腺外科の先生に変わった。

わたしより5つくらい年上だろうか。思っていたよりも若い男性の先生だ。

「MRIで良性か、悪性かは分かりませんでした。次は針生検という検査をします。この後すぐに検査をするから待合室で待っていてください」

MRIでほぼ良性か、悪性かが分かると思っていたので、「分からない」という結果は想定外だった。

MRIでも分からなかったの?
悪性の可能性はどれくらいあるの?
生検って何?
今この後すぐ?

思考停止した頭の中で、いろんな感情がグルグルと渦巻く。

数十分して検査に呼ばれた。

胸に局所麻酔の注射をし、その後、太い針を刺して、組織の一部を切り取る検査だと看護師さんから説明を受けた。

先日の点滴で気分が悪くなった反省を生かし、注射で意識を失ったことがある、血が苦手だと伝えた。

「じゃあ、目はつぶったほうがいいね」と、先生が答える。

(目をつぶっていたほうがいいということは、割と血がでるということだよね!?)

この時点でわたしは検査への恐怖心と、乳がんかもしれないという不安で押しつぶされそうだった。検査とはいえ、初対面の男性の先生に胸をおっぴろげるのもイヤだった。

先生が腫瘍のある左胸に麻酔の注射を刺す。

その後、超音波エコーをしながら腫瘍の位置を確認しているのが、薄く開けている目の隙間から見えた。

すぐ後、何かが左胸に入っていった。麻酔が効いているので痛くはない。何かが胸の中に入っていき、グリグリと動いているのが気持ち悪いくらい鮮明に感じた。

怖くて、不安で、体が震えて、涙が出た。

泣いて震えているのが先生にも分かったようで(体に針を刺しているんだから当たり前か)「痛いですか?大丈夫かな?このまま続けられるかな」と聞いてきたので、

「痛くないですうぅうっ。だいじょうぶですぅうっ」

と、嗚咽しながら答えた。

こんな検査で泣いている自分にも情けなくなり、もっと涙が出てきた。でも、ここで検査をやめたら迷惑もかかる。何よりももう一度検査をするなんて絶対にイヤだ。

バチンッ!バチンッ!バチンッ!

そのまま検査を続けてもらい、大きな音で3回ほど音がなった。(組織を切る音なのか、検査器具を見ていないので最後まで分からなかった)

体に入っていた何かが抜けていき、看護師さんが大きい絆創膏を左胸に貼ってくれ、無事に?検査を終えた。

自分が横になっていたベッドを見ると、冷や汗の跡が敷かれていた紙にくっきり残っていた。

「初めての検査だったから怖かったですよね」と看護師さんから言葉をかけてもらい、少し気持ちが落ち着いた。

麻酔が切れてからは、肩回りを動かすと時々ズキッとした痛みがあった。針を刺した跡が残り、跡の周辺には青あざができた。

検査結果が出るのは、丸2週間後。

今までも不安だったが、特にこの2週間は、本当に、本当にきつかった。電車の中で、出先のトイレで、お風呂の中で、ベッドで、ジムで、一人になると急に涙が溢れでた。

この時期は夜中に何度も目が覚めて、いつも寝不足だった。髪の毛が抜けて10円ハゲが出来た。検査結果を聞きに行く前日は蕁麻疹が出た。

針生検の結果

検査結果を聞きに行く日。
病院のすぐ横にある桜並木では、ポツポツと花が開き始めていた。

 

結果「”現時点では”良性」経過観察となった。

胸に出来る腫瘍では珍しいタイプで、症例が少ないらしい。今後、腫瘍が大きくなったり、悪性に変化する可能性もあるとのこと。

「これからは両胸をよく触って、しこりが出来ていないか確認するようにしてください。何か気になることがあれば電話ください」

現時点では良性、手術して取り除く大きさではなかったので、経過観察。数か月後にもう一度検査をして、腫瘍が大きくなっていないか見るとのことになった。

今はできることをやるのみ

「良性だから、これからは何も気にすることはないです!」
「悪性でした。手術して治しましょう!」

といった、白黒はっきりした結果を想像していたので、今もモヤモヤが半端ない。

生きている心地がしない中で、なんとか生き延びた3カ月だった。完全なるメンタル病み期だった。世界ネガティブ記録というものがこの世にあったとしたら、わたしは毎日のように自己新記録を更新していたであろう。

一人の時間を減らすために、いつも以上に友だちを誘って出かけたり、普段はあまりしないショッピングに出かけたり、外食したり。寝られるようにオーダーメイド枕やアロマキャンドルを買ってみたり。お金もかかったが、必要経費だったと思う。

生検の結果が出るまで両親以外には何も伝えなかったのだが、いろんな誘いに応じてくれた友だちには感謝してる(メンヘラで距離感がおかしくなって、関係がそこまで深くない人をたくさん遊びに誘って困らせてしまったことに関しては反省してる)。

ただ、自分だけではどうにもならない場合は、周りの人に頼ったり、気分転換できるものを探すことが大事だと改めて感じた。これを読んでいる方も、ひとりで抱え込まないでほしい。

今も悪性になるかもしれない腫瘍がある状態。数か月後の再検査の結果次第で、手術をすることになるかもしれない。

爆弾を抱えている気分でスッキリしないが、次の検査までは数カ月ある。

検査から1ヶ月以上たった今でも左胸には針を刺した跡が残っている。見るたびに恐怖の検査を思い出し、胸がギュッと締め付けられる。

今年は少し遠くに引っ越ししたり、海外に長い間行きたいと考えていたが、すぐには出来なくなってしまった。今は、今やれることに目を向けていこうと思う。

最後に、乳腺が発達している閉経前の女性は、マンモグラフィだけでは分からないことも多いとのこと。マンモグラフィ検査と超音波エコー検査、必ずセットで受けてほしい。

※この記事は私の経験談です。検査の流れ、期間、医師の対応は異なる場合がありますので、担当医師の指示に従いましょう。

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AUTHOR

まゆ

まゆ

ライター/エッセイスト



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