【更年期から鍛えないと危険】将来の安定した姿勢と歩行に必要な、お尻の臀筋を鍛える「貯筋トレ」

 【更年期から鍛えないと危険】将来の安定した姿勢と歩行に必要な、お尻の臀筋を鍛える「貯筋トレ」
photo by Mitsuaki Aoyagi

女性ホルモンと筋肉・骨の関係は密接で、更年期に入りエストロゲンが減少すると筋肉量と骨密度も低下し、何も対策しなければ弱くなるばかり。この連載では、年齢を重ねても自立して生活でき、転倒や寝たきりを防ぐために役立つ「貯筋トレ」を健康運動指導士の村越美加先生がレクチャーします。

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いきいきと人生を謳歌するための備え、筋肉を貯める「貯筋トレ」

「年齢を重ねても自分の脚で歩きやりたいことを叶える、その要となる筋肉と丈夫な骨を40代、50代のうちから蓄えるトレーニングが『貯筋トレ』。特に衰えやすい下肢と、正しい姿勢の維持に必要な体幹の筋肉を自重で鍛えていきましょう。週2~3回のペースで継続し貯筋できると、自立した生活を送れる期間を意味する健康寿命も延ばせます。

ここで健康・体力づくり事業財団が行った、下肢の筋トレ効果の検証結果をご紹介しましょう。平均年齢79.7歳の男女91名が週1回1時間の貯筋運動教室に約3カ月間通い、併せて自宅でスクワットを行ったところ、下肢のパワーが1.4倍アップしたという結果が出ています。筋肉は何歳からでも確実に増やせるので、鍛えるのは今からでも遅くありません」(村越美加先生)

■貯筋運動による下肢のパワーの変化

下肢の筋トレ結果
※出典:健康・体力づくり事業財団

「大臀筋」と「中臀筋」を育て、美姿勢の維持と歩行時の横揺れ防止

「体幹と共に姿勢を支えているのが臀筋群。そのなかで一番大きい大臀筋を『キックバック』で、お尻のサイドに位置する中臀筋を『ヒップアブダクション』で鍛えていきましょう。中臀筋は股関節を外転し脚を横に開くときに使われますが、日常生活であまり行わない動作なので意識して動かす必要があります。中臀筋を強化すると歩行時のバランス力が高まり体の横揺れを防ぎます」 (村越美加先生)

お尻の筋肉
AdobeStock

キックバック

やり方

目的と効果:かかとを蹴り上げる動きで大臀筋に負荷をかけ、強い筋肉を養う。

1.前腕を床についた四つん這いになり、両手を組む。左膝を右ふくらはぎにおき、左の足裏は床と平行。あごを少し引いて目線は下。

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2.かかとで天井を蹴り上げるイメージで、吐く息で腿の前側と床が平行になる高さまで左膝を持ち上げる。吸う息で左膝を右ふくらはぎに向かって下ろす。10回~15回×3セット。反対側も。

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ヒップアブダクション

やり方

目的と効果:横向き寝になり、脚を持ち上げる動きで中臀筋を集中的に刺激し強化する。

1.右体側を下にして横になる。右手に頭を預け、左手の指は胸の前の床につく。右脚は腿のつけ根と膝を90度曲げ、左脚は骨盤の延長線上に伸ばし、つま先は正面。

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2.吐く息で左の外くるぶしを天井に向かって押し上げる。吸う息で戻る。10回~15回×3セット。反対側も。

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NG

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photo by Mitsuaki Aoyagi

つま先が上を向き、脚を高く上げ過ぎると腸腰筋が作用してしまう。脚を上げる角度は45度以内に留めること。

教えてくれたのは…村越美加先生

ヨガ・フィットネス・ピラティスインストラクター。フィットネス運動指導歴34年。健康運動指導士、介護予防運動指導員。大手スポーツクラブの正社員として9年勤務しチーフインストラクターとして、エアロビクス、ヨガ、ピラティス、ボディメイクトレーニングの指導のほか、インストラクター管理、インストラクターの教育&育成業務を担当。現在はフリーランスに転向し、ヨガ、ピラティス、エアロビクス、シニアエクササイズの指導のほか、インストラクターの教育や養成コースの講師、企業出張フィットネス、講演、メディアにおけるエクササイズモデル、エクササイズの監修、モデル業と幅広く活動中。

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text by Ai Kitabayash

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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お尻の筋肉
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