【更年期の筋肉貯蓄が健康のカギ】更年期世代の筋トレ術!生涯動ける体を作る『貯筋トレ』とは?

AdobeStock

【更年期の筋肉貯蓄が健康のカギ】更年期世代の筋トレ術!生涯動ける体を作る『貯筋トレ』とは?

筋力が低下し、骨がもろくなるのが更年期。この時期に対策を講じるか否かで将来の健康や生活の質に差が表れます。更年期に筋力と骨密度が低下する原因を紐解きながら、10年、20年後もアクティブに過ごすための筋トレ術を健康運動指導士の村越美加先生にうかがいました。

エストロゲン減少と共に筋力が低下する更年期は、筋トレの始めどき

― 100歳以上の人口が9万人を超え、そのうち約8割を女性が占める超長生きの時代に突入しています。そんな話を聞くと、この先の健康を真剣に考えたくなりますね。村越先生は、更年期からの筋トレを提唱していますが、その理由とは?

「女性ホルモンのエストロゲンには筋たんぱくの分解を抑える役割があり、更年期に入りエストロゲンの分泌が減ると筋たんぱくの分解が進み筋力が著しく低下します。何もしないと筋肉は減る一方で、将来的に要介護になる可能性は大!たとえば筋肉の蓄えがない高齢者が2週間入院した場合、2日間動かないだけで腿の前側の筋肉が1歳分減少し、2週間後には7歳分も減ってしまい、退院しても寝たきり生活になるリスクが高まります。そうならないためには、更年期のうちから筋力をつけておく必要があるのです」(村越美加先生)

更年期以降の生活自立度は「下肢の筋力」が左右する

― 筋肉は自分の体と生活を守るために不可欠なんですね。特に鍛えておきたい筋肉の部位はありますか?

「上肢の筋肉量は高齢期からゆるやかに減少しますが、下肢の筋肉量は20歳頃から加齢とともに減少します。そのため更年期世代が特に強化したいのは、低下が著しい下肢の筋肉。なかでも腿の前側の大腿四頭筋は下肢の中で最も大きい筋肉で、そのぶん減少する割合も大きいため習慣的に鍛えるようにしましょう」(村越美加先生)

■上肢と下肢の年齢による筋肉量の変化の違い

日本老年医学会雑誌
※出典:日本老年医学会雑誌

「ここで健康・体力づくり事業財団が行った、下肢の筋トレ効果の検証結果をご紹介しましょう。平均年齢79.7歳の男女91名が週1回1時間の貯筋運動教室に約3カ月間通い、併せて自宅でスクワットを行ったところ、下肢のパワーが1.4倍アップしたという結果が出ています。筋肉は何歳からでも確実に増やせるので、鍛えるのは今からでも遅くありません」(村越美加先生)

■貯筋運動による下肢のパワーの変化

健康・体力づくり事業財団
※出典:健康・体力づくり事業財団

おうちでできて器具いらず「貯筋トレ」で筋力アップ!

― 更年期世代は何かと忙しくジムに通うのが難しい場合も。できれば手軽で安全にできる筋トレを試したいのですが、村越先生が指導する「貯筋トレ」はどんなトレーニング?

「シニアになったとき寝たきりにならないように、おもに下半身の筋肉を使って貯める自重トレーニングが『貯筋トレ』です。特に自立した歩行に必要な下半身の筋肉を集中的に鍛え、太腿の大腿四頭筋とハムストリングス、お尻の臀筋群、ふくらはぎの腓腹筋などを強化していきます。筋肉は使わなくても使い過ぎても委縮して痩せていくので、貯筋トレは終わった後に疲れが残らない程度に週2~3回行うのがベスト。筋トレは短期集中よりも細く長く習慣的に行うのがポイントです」(村越美加先生)

text by Ai Kitabayash

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。

RELATED関連記事

All photosこの記事の写真一覧

日本老年医学会雑誌
健康・体力づくり事業財団
骨粗しょう症
骨密度食べ方
photo by Mitsuaki Aoyagi