今さら聞けない『漢方』10のキホン!あなたはいくつ知ってる?
漢方という言葉は聞いたことがあるけど、意外と知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は漢方のキホンのキ!をご紹介。女性の様々な不調の強い味方の漢方についてざっくりと理解していきましょう!
今さら聞けない!『漢方』って何?
漢方とは、中国の医学?苦い薬?色々なイメージがあるかもしれません。しかし、意外とちゃんと知らないという方も多いのでは?漢方についての10の質問で、ゆる~く学んでみましょう!
まず最初に理解しておきたいのは、「漢方薬」と「漢方」は別物ということ。「漢方医学としての漢方」と「漢方薬としての漢方」の両方がどちらも「漢方」と呼ばれているため、混同してしまいがちです。まずはQ1~Q3では、医学としての漢方について、そしてQ4以降は漢方薬としての漢方について、基礎知識を学んでいきましょう。
Q1.漢方って中国の医学?
半分正解ですが、半分はNOといえます。東洋医学における薬物療法は、古くは中国から伝わってきたものですが、その後日本の気候や、日本人の体質などに合わせて独自に発展したものを「漢方医学」や「漢方」といい、日本で独自に発展した伝統医学です。
Q2.東洋医学と漢方は同じこと?
東洋医学は日本で発展した中国発祥の伝統医学で、陰陽五行論などの哲学のもとでからだの手入れをする治療法です。その治療法の1つに、漢方があります。そのほか鍼やお灸、ツボや経絡といった概念も東洋医学の一部です。
Q3.西洋医学と何が違うの?
江戸時代に西洋から西洋医学が伝わり、それを「蘭方(らんぽう)」と呼ぶようになったことから、日本にあったそれまでの日本の医学を「漢方」と呼ぶようになったといわれています。
西洋医学は、病気やケガの症状を抑えたり、悪い部分自体を手術等で取り除く「対症療法」が主だといわれています。例えば、頭痛があれば頭痛薬で痛みを抑える、高血圧であれば血圧を下げる薬を処方するといった治療。これに対し漢方は、症状の原因となる体質を改善したり、未病と呼ばれる病気になる前の不調の状態を「心身ともに過不足なく健康な状態に整える」といった考え方で、対症療法に対比して「根本治療」が主だといわれています。しかしこの2つは対立しているわけではなく、漢方の効果も見直されてきた昨今、私たちの生活にも多く取り入れられるようになってきました。現在、保険適用できる漢方薬は148処方あります。
Q4.漢方って薬のことをいうの?
漢方薬といわれる薬を飲むことだけが、漢方ではありません。漢方には3つの知恵があるといわれています。
・薬物療法(漢方薬)
・鍼灸(はり治療、お灸)
・養生(食事(薬膳)、生活のリズムを整える、休養、運動などの生活を整えること)
それぞれはなじみがありますが、それがすべて漢方という大きなくくりの中にあるというのは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
Q5.漢方の考え方とは?
漢方では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されていると考えられています。体の中をめぐるこの3つの要素がどのような状態にあるか?も症状や体質を見極める1つのものさしです。そのほかにも、五臓や虚実・寒熱など様々な物差しを用いて、体調と体質を見極めています。
▶︎詳しくは【漢方薬剤師が伝授】賢く乗り切ろう!女性ホルモンの乱れ・更年期症状に役立つ「漢方&薬膳食材」の記事もチェックしてみましょう。
Q6.漢方と生薬は違うの?
生薬(しょうやく)とは、植物や動物、鉱物などの一部を加工したもの。これに対し漢方薬は、「証」という不調や悩み、痛みの本質に対する治療方針に基づいて、原則として2種類以上の生薬等を組み合わせてつくる薬です。つまり生薬は、天然の薬効をもつ薬で、漢方薬の原料にもなるものというわけです。例えば日常でもなじみのある「葛根湯」なども複数の生薬を混ぜて作られている漢方なのです。
▶︎詳しくは「七味唐辛子が「食べる漢方薬」と言われる理由は 」の記事もチェックしてみましょう。
Q7.漢方って苦い印象があるけど・・・
漢方は苦いものだけではありません。また、体質に合ったものを選ぶと苦く感じないこともあると言われているため、自分の体質に合った漢方を選ぶことも大切です。
Q8.自分で買える漢方はある?
もちろん可能です。身近なところでいうと、前記の通りドラッグストアなどで買える葛根湯も漢方の1つ。風邪の初期症状に効果的といわれていますよね。
このほかにも、漢方の材料になることもある生薬は意外にも身近に。実はあなたも日常に取り入れているかも。
・シナモン
・クコの実
・よもぎ
・みかんの皮など柑橘系の皮
Q9.副作用はある?
体に優しいという印象の漢方ですが、副作用が出ることもあります。体質や体調など個人差もあるので、専門家に相談できると安心です。
Q10.どのような症状にいいの?
原因がはっきりしないけど不調、体質による不調、病院に行くほどではないけど不調、といった症状でよく活用されているようです。特に女性は、生理痛やPMS、更年期症状など、病院に行くべきか迷うような不調を日々抱えている方が多いため、漢方を取り入れて体質改善を行う女性も多い模様です。
漢方を取り入れてみよう!
漢方を取り入れていくには、まずはご自身の体質や不調を診断してもらい、自分に合った漢方を処方してもらうことが大切。現在はオンラインで体質診断から処方までを行ってくれるサービスも登場しているので、まずは気軽にチェックしてみて。
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AUTHOR
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
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