腰痛、頻尿、性欲の減退…寒い時季に起こりやすいのはなぜ?中医学の知恵を生かした冬の養生法
動物たちは冬眠し静かに眠る冬の季節。私たち人はエネルギーを貯蔵し、次の季節の春を迎える準備期間でもあります。中医学の知恵を生かした冬の養生法をお伝えします。
冬はいつからいつまで?
暦の上での冬は立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒まで11月上旬から2月の立春前日までが冬とされています。1年の中でも冬至から小寒までの頃は日の出が遅く夜が長い頃となり、小寒から「寒の入り」(かんのいり)大寒までの約30日は最も寒さが厳しい頃となります。古代中国の医学書に冬は「閉蔵」(へいぞう)と記されています。冬の季節は虫や動物たちも冬眠し静かに眠る季節です。冬の養生法をみてゆきましょう。
冬は腎、膀胱とつながる
寒くなるとトイレが近くなる、腰が冷えて疲れやすくなる、こんな症状はありませんか?「腎」「膀胱」は冬の寒さに弱く下半身の不調として多くあらわれます。水のように冷たい、重たい、上から下へ流れる特徴を持ちます。尿の生成、排出という重要な働きを担っています。中医学での「腎」は腎臓だけを指すのではなく、骨、歯、脳髄、耳、髪、生殖、恐れる感情などにも繋がります。生まれた時に両親から授かった生命エネルギーの源「先天の精」と、飲食物より蓄えられる後天的なエネルギー「後天の精」この2つの「精」は「腎」で貯蔵されます。成長、発育、寿命、生命活動と深く関わります。腎のエネルギー「腎気」は若さの維持、老化と繋がります。冬の季節は寒さから身体を守りエネルギーを蓄えていくことが大切です。
✔あてはまる人は気を付けましょう
□足腰冷えやすい
□腰痛
□足がむくみやすい
□頻尿、または出にくい
□骨や歯が弱い
□白髪、髪が抜けやすい
□耳鳴り、耳が遠い
□健忘
□心配性
□愚痴っぽい
□性欲減退、過剰
冬の食養生
黒い食材を積極的に取り入れ「腎気」を補いましょう
●黒米、黒豆、昆布、海苔、ひじき、黒ごま、黒きくらげ、シイタケ、黒糖などは腎気を養います。
身体を温める食材もおすすめ
●生姜、羊肉、牛肉、ニラ、エビ、にんじん、カボチャなど
冬は鹹味(かんみ)天然のしおからい味を取り入れるのも良いです。
●1日1杯の味噌汁、昆布の塩辛さなど
冬の生活養生
「三防寒」頭、背中、足を温かく、冷えから身体を守りましょう。
冬は早く寝て遅く起きることが生活養生とされています。(日の出に合わせる)
毎日シャワー習慣のある人は湯船に浸かり身体を温めるように。
過労や激しい運動をしすぎてエネルギーを消耗しすぎないように、感情も大きく動かしすぎないように過ごしましょう。
「冬至」を堺に「一陽来復」陰から陽へ物事の流れが変わる時であるともいわれています。春に向けての準備期間でもある冬は生命力エネルギーを充実させましょう。
参考図書:中医養生ヨガ®テキスト
AUTHOR
竹内結子
ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。
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