寒の入りを迎えます!心身浄化と風邪予防に七草がゆを|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 寒の入りを迎えます!心身浄化と風邪予防に七草がゆを|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-01-01

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさま、あけましておめでとうございます!新しい年を迎えることができた喜びを体いっぱい感じて、今年も一日一日を心から味わって送っていきたいですね。2020年の秋に始まった本連載もおかげさまでいくつかの季節を巡り、ここまで続けてくることができました。お読みいただいている皆様にお礼を申し上げます。

さて、旧年の12月22日に始まった冬至。1月4日までつづきます。寒の入り、という言葉を聞いたことがあると思いますが、春の訪れを告げる立春までの約一ヶ月間に「小寒」と「大寒」が訪れ、これは一年でもっとも寒いとされる日々。この期間を芯から温かく過ごし体調を崩さないことが、向こう一年の健やかな体づくりの基盤にもなります。食事で体の内側からもしっかり温めていきましょう。

一月七日にやってくるのが、「人日(じんじつ)の節句」。お正月に美味しいものを飲んだり食べたりして疲れ気味の胃腸を労ってあげる、年初めの最初の食養生ポイントなのでぜひ大切にしましょう。余談ですが、五節句それぞれに、その日に大切にしなければならない動物があてはめられているのをご存知でしたか?例えばおひなさまの「上巳の節句」は羊、こどもの日の「端午の節句」なら牛、というふうで、元々は中国の古い占いが由来なのだそうです。つまり「人日の節句」は、人。人を、大切にする日です。

大切にしたい人は誰でしょう?自分や家族、友人知人、思い浮かぶ皆の健康を願い、おなじみの「七草がゆ」を作ります。平安時代には中国からこの風習が伝わり、日本古来の習慣であった「若草摘み」と交わって、長い年月を経て江戸時代には庶民のあいだでも七草がゆを食べる習慣が一般的になっていきました。一杯のおかゆに優しさと温かさがつまった、人を思う食事です。

入れるのは、春の七草。「せり、なずな、ごぎょう、ほとけのざ、はこべら、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)」の七つの野草、野菜です。寒い冬にはあまり食べることのなかった青い野菜をいただき、無病息災を願います。あまりなじみのない名前もあるかもしれませんので、簡単にそれぞれの効能をご紹介します。

「せり」は、せり鍋としても人気があります。新しい春を感じさせるフレッシュな香りで、なんだかもう食べる前から美味しい。体の中の気を巡らせ、胃腸の疲れや、余分な体内の熱を取り除いてくれます。「なずな」はぺんぺん草とも呼ばれ、疲れ気味の胃腸のはたらきを助け、解毒作用を促します。「ごぎょう」は母子草(ハハコグサ)とも言われ、草餅によもぎが使われる前にはこのごぎょうを使っていたのだとか。体の炎症を取ってくれるうれしい野草で、喉の痛みを改善したり、鼻詰まりや鼻水を緩和させてくれます。

おおばことも呼ばれる「ほとけのざ」は、胃腸をきれいにし、消化を助けます。「はこべら」は昔から腹痛に効く薬草としても使われてきており、主に胃腸の働きを助けます。「すずな」は、カブのこと。消化不良を助けます。実より葉のほうに高い栄養価があるので、丸ごといただきます。「すずしろ」は若い大根のことで、胃もたれや胸焼けにはもってこい。さらに風邪を予防してくれます。自然の野草がもたらしてくれる沢山の嬉しい効能。せっかくですので、七草がゆでありがたく享受しましょう。

スーパーに行けばおうちで手軽にできるように七草がゆのセットがたくさん売られていますので、まだ食べたことがないという方も今年はぜひトライしてみてくださいね。皆さんにとって今年も明るく前向きな一年でありますように。

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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