"食べる輸血"ビーツの簡単おいしいレシピ|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
皆さん、こんにちは。6月に入りましたが、二十四節気では「芒種(ぼうしゅ)」といって、まもなく稲の種を撒く季節という意味です。青々とした田んぼが目に浮かびますね。
先々週の記事では、この時期は赤い食材が養生になりますよ~というお話でした。暦の上では夏を向かえていますので、夏は五行の「火」のエネルギーに属する赤い食べ物を摂りましょうということが、昔から陰陽五行の世界では伝えられてきました。赤い食べ物といえば沢山ありますが、今日はハッとするようなビビッドな見た目を持つビーツ、これをピックアップしてみようと思います。
ビーツってそんなに見かけないし、調理になんだか手間がかかりそう…。もしかしたらそう思っている方も多いのではないでしょうか。実は「飲む血液」とも言われる真っ赤な栄養玉、ビーツを敬遠するのはとってももったいない。ビーツの栄養素はふんだんでビタミン類、カルシウム、マグネシウム、鉄、葉酸、食物繊維などですね。ベタシアニンというポリフェノールの豊富で、これが体の酸化を防いでくれることで注目されています。
基本的な下ごしらえ(実)は?
ビーツの実を使うときは、栄養素を逃がさないため皮を剥かずに下準備をします。オーブンがある方なら皮がついたまま自然塩をぱらりと振って、約40~1時間程度じっくり焼いて下さい。ホクホクの出来上がりにお好みでオイルや塩をプラスすれば、ビーツそのものの味を楽しめる満足感のあるおかずになります。
オーブンがない方は、同じく皮つきのまま良く洗って茹でるだけ。お好みの軽い味付けでビーツ本来の味を感じられます。砂糖よりもずっとヘルシーな甘味として近年グッと知名度が増してきた「てんさい糖」の原材料であるビーツ。元々、ほんのりとした甘みがあるんですね。ですので塩気を少し加えてあげると味が引き立って美味しくなります。
茎や葉も捨てずに、大切にいただこう
ビーツというと真っ赤な実の部分を思い浮かべますが、その茎や葉こそ栄養がたっぷり詰まっています。実を切り離した後、茎と葉とに切り分けます。茎は栄養素が逃げないように軽く蒸すのがオススメ。蒸したら冷蔵で2日ほど、冷凍もOKです。葉はそのままでも食べられますが、生臭さがちょっと気になる方は茎と同じように蒸してみてください。それも手間な方は、茎と葉を一緒にざく切りにし、少量の水を入れたフライパンで軽くウォーターソテーするだけでOK。これを使ってさまざまなおかずアレンジができます。
手軽なのは、彩り豊かなサラダ。生のままでもいいですが、生野菜は体を冷やすのでちょっと蒸してホットサラダにすると、梅雨の疲れやすい体に負担が少なく優しいです。胡麻やシード類、ナッツ類などお好みの素材を混ぜて、酢(バルサミコが良く合います)、黒岩塩、甘酒を和えたドレッシングをかけると甘しょっぱいアクセントを楽しめます。
昨日の残りのごはんにプラスして炒めて、しその葉(ゆかり)をパラパラっと振りかければ、カラフルで見た目にも元気をもらえる混ぜご飯のできあがりです。ゆかりの爽やかな風味がビーツともよく合い、ごはんが進みます。
定番メニューにビーツを使ってみよう
使い慣れない野菜を使う時は、特別なメニューにする必要はなし。「きんぴら」ならゴボウの代わりに、「おひたし」ならほうれん草の、「ポテトサラダ」ならじゃがいもの代わりに(じゃがいもとのハーフ&ハーフもオススメ!)…などなど、定番中の定番メニューの食材をビーツに置き換えればOKです。見た目はパッと華やかで主張があるビーツですが、味はクセがなく食べやすいので意外とどんなものにも合います。ぜひ気負わずにチャレンジしてみてくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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