暦の上では夏!「良質な赤い食材」が養生になる?|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、こんにちは。なんと早い梅雨の幕開けでしょうか。関東地方は正式にはまだのようですが、連日の雨と湿気で「まるで梅雨」です。
明日は二十四節気では立夏の次にくる、小満。蒔いた麦に穂がついてまずひと安心できる頃、という意味からきていて、小さな満足=小満と呼ばれるようになったそうです。本来ならば小満は麦のみならず万物が長じて成長する陽気に満ちる時期なのですが、なんだか暦と今の天気、ずれていますね。
昔の人は鮮やかに移ろいゆく季節と自然の中に生き、その繊細で悠久のリズムを感じ取りながら暦を作ったはずです。ところが今の地球環境はかなり加速してしまっているよう。私たち人間がそうさせているのですが・・・。自分で自分の首を締めてしまわないようにしなくてはいけませんね。
夏は一年のうちで一番エネルギーが盛んな時
さて暦の上では夏を迎えているわけですが、夏というのは一年の中で一番エネルギーが盛んな時期です。陰陽五行の世界では、それぞれの季節に相当する五臓六腑が決まっています。夏は五行のうちの火のエネルギー。臓器は「心(心臓)」です。心臓の働きが活発になる時期でもあり、また心臓の働きに良くも悪くも影響が出やすい時期。夏が来るとなると心は次第に開放的になり喜びを感じやすくなっていくものですが、この時期に不摂生な生活をしていると逆に心臓に負担がかかりやすいということでもあるんですね。
五臓それぞれに対応する感情というのも決まっています。心臓は「喜び」。嬉しい時にはだれもが、心臓が高鳴りますね。それはとても素晴らしいことですが、喜びすぎると今度はかえって心臓にとっては負担となってしまうということです。イベントごとやお祝い事が続いたあと、急に熱を出したり気力を失くしてぐったりしてしまったりということはありませんか。ひとつの臓器を使いすぎると全体的な調和を取ろうとして「休みたいモード」に入るのも、人間の自然な営みなのでしょう。
臓器と似たような形の食べ物を食べることが養生になる
心臓に影響が出やすいこの時期、養生のために食べると良いのが「赤い食べもの」。例えばトマトです。中医学では「類似の法則」と呼ばれるものがあり、その臓器と似たような形の食べ物を食べるとその臓器の働きを助けてくれますよ、というもの。
例えば脳ならくるみ。腎臓なら小豆。似たような形ですよね。それで言いますとトマトはどことなく心臓の形に似ていますので、この時期に食べると心の働きを良くしてくれる食材と言われています。トマトはもともと暑い地域に育つ野菜なので、体に溜まりやすい熱を発散させる働きがあります。心臓がカッカするような時はぜひこの涼性のトマトをメニューに加えてみてくださいね。
その他にもおすすめな良質な赤い食材として、梅干し、赤味噌、にんじん、ベリー類、クコの実、赤米などの植物性の赤みがあります。牛肉、マグロ、いくらや明太子などの脂身が多い赤い食材は食べ過ぎるとかえって心臓に負担をかける逆効果がありますので、注意してみてください。調理法も火のエネルギーをふんだんに使った「焼く」よりは軽く茹でる、蒸すなどの方が心臓への負担が減りますのでぜひ試してみてくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く