夏が来る前に一度は味わって!山菜づくしの贅沢炊き込みご飯|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
皆さん、こんにちは。春も深まり、暦の上ではそろそろ初夏へとバトンタッチ、というところ。四月二十日から、二十四節気では最後の春節となる穀雨(こくう)が始まります。最近は暦上よりも季節の巡りがいくぶん早く、ちょうど今の時期にやわらかな雨が多いですね。しとしと降りつづく雨も嫌でなく、耳に心地良いな、なんてつい最近感じたばかりですが、昔からこの時期の雨が作物をよく育てると言われてきました。都会のプランター農園でも試しに野菜を育ててみようかな、と思っている方は、ぜひ穀雨のあいだに種を蒔いてみてくださいね。
さて今日取り上げるのは、春のうちに是非味わっておきたい山菜たちのこと。皆さんは春の山菜と聞いて、何を思い浮かべますか?ふきのとう、こごみ、わらび、こしあぶら、たらの芽、ぜんまい、せり、うど、のびる、うるい・・・などなど、まだまだ個性豊かな山菜が沢山ありますね。思い浮かべるだけで、独特のやさしい野性的な香りがほんのり立ち込めてくるようで、なんだか幸せな気持ちになります。旬のものは栄養価はもちろん、エネルギー価が最も高い状態なので、食べた時に体が何とも言えない多幸感を味わうことができます。
昔々からこういった山の恵みをいただきながら暮らしてきた日本人ですが、今となっては多くの人が都市に住み、山から遠く離れた生活を送っています。そんな私たちにとって山菜はもしかしたらすでに馴染みのないものかもしれません。ところがひとたびこの山の幸の世界に目を向けてみると、驚くほど豊かなものであることに気づかされます。四季を生きる、私たちの体。春は山菜の恵みをありがたくいただくことで丈夫で活気に満ちた毎日を作っていけるのです。
山菜の下処理
山菜は下処理が面倒で中々手を出しにくい、と思われている方も多いかもしれません。わらびやぜんまいなどアクが強めのものは重曹を使い一晩置く必要もありますが、うど、ふきのとう、こごみ、せり、うるい、のびるなどは良く洗って塩を加えた水に10分~15分ほどつけるだけでOK。水気を落としてそのまま調理に使えますので、まずはこれらの手軽なものからチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
時間が経ちすぎているものはアクがどんどん強くなっていくので、なるべく摘んだり買ったりしたらすぐ調理するのが良いですね。ふきのとう味噌や、胡麻和えやくるみダレ和えなど、甘めの調味料を使ったメニューは山菜の苦味が引き立ち、味のバランスが絶妙に良くなりますのでおすすめです。山菜そのものの芳醇な味を味わいたいから、余計な調理や味付けはいらないのです。
美味しさと手軽さの両面からおすすめなのは、やはり山菜の炊き込みごはん。下処理をしたお好みの山菜とお米をお出汁で炊いていきます。お醤油や自然塩、酒をちょびっと入れてもいいですね。ことこと炊きながらすでにお部屋じゅうがいい匂いに包まれていきますが、出来上がりにそおっとふたを開ける瞬間が至福の極みといったところ。まだラストスパートでお店に山菜は並んでいますから、初夏がやってくる前に山菜をいただいて、この春をありがたく締めくくりましょう!
アクが強いわらびの下処理は、是非動画を参考にしてみてくださいね。
動画「美味しいわらびの炊き込みご飯の作り方」
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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