旬のよもぎを取り入れた、すこやかな暮らしづくり|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
皆さん、こんにちは。二十四節気は立春から数えて五番目、清明を迎えました。清明は「清浄明潔」を短くした言葉です。大気が清々しく、温かさが安定し、あらゆる命が明るさで満ちていく時。私たちも毎日の中になにかひとつでも、澄んでいる部分を見つけられたらいいですね。
この時期は、中国や台湾などの中華圏では「清明節」といい大切な祝日です。日本でいうお盆のようなもので、お墓を掃除して先祖たちの供養をするのだそう。この清明節が大陸から伝わり、沖縄でも「シーミー」という行事があります。お参りしたあとにお墓の前で宴会をするのだそうです。
世界中で愛されている野草よもぎ
今日は身近な野草のひとつ、よもぎのお話。都市生活を送っていれば馴染みのないものかもしれませんが、この季節の日本の里山には沢山のよもぎが勢い盛んに生えていきます。古来から生のよもぎは怪我をした際の止血や殺菌に、また乾燥よもぎはさまざまな体の疾患や不調を治す万能の薬草として、人びとに永く大事にされてきました。
よもぎというと日本の野草のイメージがあるかもしれませんが、実は世界中に生えている野草です。中国や韓国、古代インドやエジプトから西洋でも、生活に欠かせない重要なハーブの一種として自然療法で使われてきた歴史があるのです。
たとえば中国の伝統療法であるお灸は「もぐさ」という原材料からできていますが、このもぐさはよもぎのこと。よもぎの葉の裏側は産毛が生えており白くなっていますが、この白い綿毛の部分を使うのがお灸です。もぐさが燃えることによってよもぎの有効成分が体の深部まで届くため、食事や鍼よりも効果が絶大といわれます。お灸の原材料は、はるか二千年以上も昔からずっとよもぎ。よもぎに変わるもの、よもぎを超えるものが他にはないということですね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く