旬のよもぎを取り入れた、すこやかな暮らしづくり|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
よもぎの成分と効能
よもぎは繁殖力がつよい多年草です。食物繊維や酵素、鉄分をはじめビタミン類、ミネラル、マグネシウム、カルシウムを含むなど栄養価が特に優れており、その高い生命力のおかげで効能は多岐にわたります。良い血をつくる造血作用、血液浄化作用、ケガをしたときなどの止血作用など「血」をめぐるもの。殺菌や抗菌の力も持つため、炎症にもよく効きます。冷え性改善、子宮の病気の予防や改善、そして皮膚トラブルの改善にも効果を発揮します。
私はよく、じっくり煮出したよもぎを浴槽に入れてよもぎ湯を行いますが、芯から温まる上に肌や頭皮やなめらかになり、子宮のあたりやお腹の底からじわじわとエネルギーが湧いてくるような感覚を毎回感じています。婦人科系に効果てきめんといわれるのも納得できます。
よもぎの摘み方と時期
よもぎは根っこからではなく、茎の辺りに爪を立てて摘んでいくのが良いとされます。公道やペットの散歩道になっているような場所に生えているよもぎは衛生面からいうと適さないので、普段はあまり人が立ち入らないような里山にのびのび生えているものを摘むことをおすすめします。
三月のよもぎは新芽で柔らかく、またアクもないためそのまま薬味として使ったり、さっと湯がいたり味噌汁に入れても美味しいのですが、四月のよもぎは料理全般やお茶にするのに適しているといわれます。五月以降の大きくなったよもぎは硬くなりアクも強くなるので、食用というよりはセルフケアやお手当て用に向いています。
暮らしによもぎを取り入れよう
料理やよもぎ茶も手軽でおすすめですが、よもぎの効果を全身で味わえるよもぎ湯やよもぎの腰湯を、ぜひ養生法の一つとして試してみてください。天日でよく乾燥させたよもぎを大鍋でじっくり煮出し、深い茶色になっていい香りがしてきたら熱々の湯舟に注ぎます。髪の毛もそのお湯で洗ってみてください。一晩で艶やハリを取り戻すはずです。お風呂から出るときはせっかくよもぎの成分が肌に浸透しているので、洗い流さないでくださいね。芯から温まり血の巡りが改善されますので、不眠症にもよく効きます。
また、手作りのよもぎエキスもおすすめ。乾燥よもぎを刻んで煮沸消毒済みの瓶に詰め、35度の玄米焼酎をひたひたに注いで蓋を閉じたら一ヶ月程度待ちます。できあがった琥珀色の液体は別の容器に入れて数年保存ができます。アトピーやあせも部分につけたり、全身の凝りのあるところや頭皮のかゆみにも効果がありますよ。是非旬の野草よもぎの力を大いに借りて、健やかな毎日を創っていってくださいね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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