豆腐は体を冷やす?冬におすすめの大豆食品&果物の食べかた|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
以前、人間と同じで食材にもエネルギーがあるというお話をしました。〈陰〉と〈陽〉、そして〈中庸〉というエネルギーです。〈陰〉は体を冷まし、〈陽〉は温める。〈中庸〉はそのどちらにも片寄りません。
ですがこのエネルギー、例えばずっと怒ったままの人、ずっと微笑んだままの人がいないのと同じでどんどん変化するもの。夏に食べると体を冷ましてくれる夏野菜を冬に食べたい時は、ちょっとしたひと工夫をしてあげれば体に無理がありません。今日はそんな季節に合わせた食べ方を学んでみましょう。
陰性の大豆製品、冬はどう食べる?
熱が出たとき、豆腐を湿布のように頭にのせておくとスーッと熱が引いていきます。それほど豆腐は陰性がつよい(=体を冷やす)食材です。納豆や豆腐などの大豆製品は健康に良いというイメージがあると思いますが、食べ方に気を付けないと知らず知らずのうちに万病の元となる冷えに繋がってしまうのです。
夏に豆腐を食べるなら、火照った体をクールダウンしてくれる冷ややっこが最高です。でも冬に食べるなら、火を入れてあげる。お鍋に入れたり湯豆腐にするのがオススメです。そしてネギ、生姜、みょうがなどの薬味をたっぷりとつけることで、体を冷やしにくくします。
意外と知られていませんが、納豆も毎日食べていると体を冷やしてしまうので要注意。食べるときは間隔を空けて、さらに根菜や梅干しなどの陽性食材や玄米や海藻、青菜などの中庸食材と一緒にバランス良く食べることが大切です。手間をかけたくないときは陽性食材である醤油をひとたらし、ゴマをぱぱっとひとふりして食べるだけでも違います。
寒い冬の、果物の上手な取りかた
果物は「果てる物」と書きます。それくらい陰性の力がつよいということですね。例えば夏の盛りに食べるバナナ、パイナップル、マンゴーなど水分の多い南国の果物は格別に美味しい。食べたそばから体の中の熱が取れ、スーッと涼しくなるのが分かります。
これを冬場になっても同じように食べていたのでは、ただでさえ冷え性の人の場合、体が冷蔵庫のように冷たくなってしまいます。口にしやすいバナナなど気軽なスナックや栄養源として日頃から食べることが習慣の人も多いと思いますが、もともとは南国の人たちが食べるもの。暑い地域に暮らす人が体の熱を冷ますために、その土地で育つものを上手に取り入れているのです。
南国に暮らしていない人の場合、冬は火を通したり陽性食材と食べ合わせをするなどして、食べ方を工夫してみましょう。本人が鈍感になっていても、繊細な体の方は気が付かないうちにどんどん冷えてしまっている可能性も。冷えるとさまざまな病気にかかりやすくなるので、できるところから意識していけるといいですね。
そこで、寒い季節の果物の摂り方として提案したいのが「葛ねり」。漢方薬の葛根湯にも使用される陽性食材の葛は飲んだそばから体を芯からぽかぽかに温めてくれるので、寒い冬にぴったりです。
バナナでももちろんいいですが、果物の中でも比較的冷えにくいとされているりんごやみかんで葛ねりを作ってみましょう。朝ごはんの代わりや体調の優れない時の葛ねりはお腹に優しく、気持ちもじんわり温まって前向きになります。
〈レシピ〉りんごの葛ねり
〈材料はすべて適量〉
りんご、本葛粉、水、自然塩
〈作り方〉
鍋に水でよく溶いた本葛粉を入れ、小さくカットしたりんごと自然塩を加える。かき混ぜながら中火にかけ、透明感が出るまで5分程つづける。好みでりんごジュースやレモン汁を加えてよく混ぜても良い。
ココナッツミルクを足して練るとよりもちもちっとして美味しいです。またデザート系だけでなく、風邪気味の時の「すり生姜にはちみつ」や、「つぶし梅にお醤油をひとたらし」バージョンもおすすめ。
ライター/関根愛(せきね・めぐみ)マクロビオティックマイスター。「アートが社会とどう関われるか」と「じぶんらしく生きるための食養生」が活動のテーマ。座右の銘は「山動く」。俳優歴10年、アトピーなどさまざまな不調をきっかけに自然食を始めて3年。youtube「From Japanese Kitchen -体と心を癒す自然食-」やnote、instagramなどで発信。
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